第41回【巨人】廣岡大志選手の打撃分析
3月1日に巨人・田口麗斗投手(25)とヤクルト・廣岡大志内野手(23)の交換トレードが、両球団から発表されました。
そこで今回は2020年のデータから「【巨人】廣岡大志選手の打撃分析」を紹介します。
田口麗斗投手の投球分析については、前回の記事を参考にして下さい。
第40回 【ヤクルト】田口麗斗投手の投球分析
データは下記のサイトを参考にしてます。
プロ野球データFreak
Baseball LAB


1. 基本情報・成績
所属球団 | 東京ヤクルトスワローズ (2016-2021) 読売ジャイアンツ(2021) |
ポジション | ショート、サード、セカンド、ファースト ライト、レフト |
投打 | 右投右打 |
生年月日 | 1997/4/9 |
身長 | 183 |
体重 | 81 |


打撃面では、2年目以降は年々長打率が上昇していて、スラッガーとして成長中の選手である。
レギュラーで年間出れば、25本塁打以上は打つだけの高い本塁打率をここ2年は記録している。
昨年度は代走での出場も多く、盗塁も増えつつあり、走力もある。
守備面では、本職のショートとサードだけでなく、セカンドとファーストと外野も守れるユーティリティな選手である。ショートのUZRは1.5と平均的なショート以上なので、守備力だけでも戦力になる。
※UZR
UZR(Ultimate Zone Rating)とは同じ守備機会を同じ守備位置の平均的な野手が守る場合に比べてどれだけ失点を防いだかを表す守備の評価指標である。 その守備位置の平均的な守備者のUZRはゼロとなり、優秀な守備者は+10や+20といった数値になる。

ユーティリティだから原監督は好きそう
2. 対左右投手成績
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左投手の方が打率が良く、本塁打も多く、四死球が多く、三振が少ないのです。
OPSは驚異の1.024です。右投手を打てるかがレギュラーになれるかの最大の課題といえそうです。

3. 得点圏・代打成績
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得点圏では、打率.174で半分以上が三振とかなり悪く、チャンスには弱い打者です。
代打では、打率.194と数字を見ると悪く見えますが、そもそもリーグ自体の代打の打率が低いことや本人の打率を考えると、
そこまで悪い数字ではありません。
また、本塁打が2本、三振が2個しかしていないことを考えると代打適正はありそうです。

4. コース別成績
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右投手には真ん中高めと低めの成績が良く、
左投手にはインローからアウトハイへの斜めのラインの成績が良い。
共通しているのは、インハイとアウトローが苦手としていることです。
本塁打にした球はアウトハイ周辺に固まっているので、アウトハイを打つのが得意そうです。
また、インコースのボール球には手を出していないのが特徴的です。

5. 球種別成績
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シュートとスライダーの打率が良いです。
シュートは2球とも本塁打にしていて、スライダーは2019年の打率.121から大きく上昇しているので、
この点に成長を感じます。
三振率を見るとストレート、フォーク、チェンジアップが高いです。
落ちる球のフォークとチェンジアップは他の打者もですが、ストレートで4割越えは大きな弱点です。

6. 打球方向別成績
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見るからにライト方向への打率が.429、本塁打3本と成績が良いです。
2019年もライト方向が打率.552で、本塁打も5本(全10本中)とかなり右打ちが得意な選手です。
少し気になるのはライト方向への打球の少なさで、もう少し右方向に打てるようになると率も上がってくると思います。

7. 選球眼
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ボール球スイング率は25%とNPB平均30%よりも5%低く、ストライク球スイング率は80%とNPB平均65%よりも15%高い。
つまり、ボール球に手を出さず、ストライク球にしっかりスイングしているので、選球眼はかなり良いと言えます。
代打出場が多いのにこれだけの数字ですから、スタメンが増えるともっと良くなりそうです。
また、ストライク球コンタクト率も78%と高いので、コンタクトも上手い選手です。

8. カウント別成績
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初球と0-1が4割越えと成績が良い。
意外なのは、打者優位の1-0と2-1が2割以下と成績が悪いことです。

9. イニング別成績
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7、8回は打率が良く、本塁打も出ているので試合終盤に調子を上げてくるタイプ。
ただし、9回は極端に打率が悪く、三振も多い。
7~9回の方が打数が多いのは、代打と代走での出場が多かったためです。
10. 月別成績
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打数の少なかった6月を除くと、シーズン終盤の成績が良い。
特に三振が少なくなっているのが特徴的です。
これは2019年も同様なことを考えると、打席を重ねて感覚が上がってくるタイプの選手と考えられます。
CSや日本シリーズのことを考えると、巨人みたいな優勝を狙うチームには良い選手です。

11. まとめ

廣岡選手は年々長打率が上昇していて、スラッガーとして成長中の選手。
打撃面では、選球眼が良く、広角に打てるのが特徴です。
対右投手はやや苦手としているものの、対左投手のOPSは1を超えているので、いきなりレギュラーは難しいですが、左の代打として戦力になりそうです。
ただし、得点圏を苦手にしているのが、少し気になります。
守備面では内外野守れて、UZRも優秀なので、監督としては使いやすい選手です。

心配なのは巨人という特殊環境
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