第103回 【プロ野球】守備の評価指標UZRランキング(2018年,2019年,2020年)
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守備指標は打撃指標に比べて能力を推定するにはより大きなサンプルサイズが必要と言われます。
そのため能力を推定するには最低限3年程度のサンプルが必要だとされるため、今回は3年分の【プロ野球】守備の評価指標UZRランキング(2018年~2020年)を作成しました。

UZRとは?
UZRの定義は下記の通りである。
UZR(Ultimate Zone Rating)とは、同じ守備機会を同じ守備位置の平均的な野手が守る場合に比べて、どれだけ失点を防いだかを表す守備の評価指標である。
株式会社DELTAより引用
そのためUZRには次の4つの特徴があります。
①守備の総合評価値
UZRは下記4つの守備評価の合計値で計算されます。そのため、UZRは総合評価値と言えます。
RngR(range runs):打球処理(守備範囲)
ErrR(error runs):失策抑止
DPR(double-play runs):併殺奪取
ARM(arm ratings):外野手の送球
②投手、捕手は基本的には対象外
守備範囲が小さいことから、投手、捕手は基本的にはUZRの対象外です。ただし、株式会社DELTAでは独自の評価で投手、捕手のUZRを計算しています。
投手については「ErrR(失策抑止)」と「DPR(併殺奪取)」のみの合計値で計算。
捕手については、盗塁阻止、捕逸抑止を考慮した「Catcher(捕手)」という独自の評価と「ErrR(失策抑止)」、「DPR(併殺奪取)」の合計値で計算。
③同じ守備位置の中での比較(相対評価)
UZRは平均が0になるように調整します。つまり、同じ守備位置の中での比較(相対評価)です。他の守備位置との数字の比較は出来ません。
ちなみにUZR値の評価目安は次の通りです。
UZR値 | 評価 |
---|---|
+10以上 | 非常に優秀 |
+5 ~ +10 | 優秀 |
-5 ~ +5 | 平均 |
-10 ~ -5 | 悪い |
-10以下 | かなり悪い |
④UZR1000で比較するのが一般的
UZRは累積値なので、守備イニングが多い選手の方が値が大きくなります。
そのため、他の選手との比較では1000イニングあたりのUZR値に変換した「UZR1000」を使用するのが一般的です。今回も「UZR1000」でランキングを作成しています。
1. 投手 UZR1000ランキング
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投手は2020年のUZRも調べましたが、残念ながら見つかりませんでした。そのため、2018年~2019年の2年分です。
投手は評価指標が少なく、イニング数も少ないので、一つのエラーで大きく値が下がってしまいます。そのため2年連続で上位の選手がいません。

2. 捕手 UZR1000ランキング
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捕手は独自の守備指標で差が付きにくいです。
梅野選手と甲斐選手が3年とも安定してプラス評価でした。
その2人を抑えて2020年は木下選手が一位でした。木下選手はUZRだけでなく、フレーミングの評価もダントツ、打撃も良いので今後の活躍が楽しみな選手です。
3. 一塁手 UZR1000ランキング
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村上選手、ビシエド選手、井上選手、銀次選手が安定して高いプラス評価でした。
意外なのは、岡本選手が2年連続でかなりのマイナス評価だったことです。
4. 二塁手 UZR1000ランキング
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やはり菊池選手は3年連続プラス5以上とかなり優秀です。
中村選手も3年連続プラス評価と優秀です。
2年だけですが、外崎選手と吉川選手はかなり飛び抜けた成績をしています。
打撃能力の高い山田選手と浅村選手もまずまずの値です。
糸原選手と渡邉選手は厳しい値ですが、二塁手の上位陣が上手すぎるだけで十分な守備をしている印象です。
5. 三塁手 UZR1000ランキング
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2020年は岡本選手がダントツで一位でした。2018年と2019年は一塁手で最下位だったことを考えると岡本選手は三塁手が合っていると言えそうです。
2年だけですが、守備に定評がある高橋選手は良い成績をしています。
ゴールデングラブ賞を獲ったことがある宮崎選手は3年ともマイナス評価でした。

6. 遊撃手 UZR1000ランキング
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守備職人が多い遊撃手で、源田選手は15以上を3年も続けるなんて凄すぎます。
京田選手も3年とも安定して良い成績です。
坂本選手は2019年は怪我の影響で万全では無かったのが反映されたと考えられます。
田中選手の2020年も同様に怪我明けで万全では無かったと考えられます。
意外と今宮選手がマイナス評価でした

7. 左翼手 UZR1000ランキング
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島内選手は3年連続で優秀な成績です。他にも金子選手、青木選手などセンターを守っていた人はやはり高い数値です。
福留選手、筒香選手、バレンティン選手は2年連続マイナス評価でした。
8. 中堅手 UZR1000ランキング
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3年連続プラス評価の選手がおらず、他の守備位置よりも年によって数値の増減が激しいです。
その中でも近本選手は抜群の守備範囲で2年連続でプラス評価です。また1年しかランクインしていませんが、辰巳選手は2021年の速報ランキングでもUZR一位でした。
2年だけですが、青木選手はマイナス評価でしたのでレフトへのコンバートは良かったと言えそうです。
9. 右翼手 UZR1000ランキング
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3年連続で大田選手は優秀な成績です。
2年だけですが、上林選手、平田選手、亀井選手も優秀な成績です。
ライトは送球の強さ、正確性が高い選手が上位に来ています。

まとめ
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今回は3年分の【プロ野球】守備の評価指標UZRランキング(2018年~2020年)を作成しました。
上図は最後に3年間のUZR1000平均値のベストナインです。やはり守備レベルが高い遊撃手で20を超える源田選手は化け物です。
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