第111回 【プロ野球】2021年の守備の評価指標UZR1000ランキング(UZR,Catcher,RngR,ErrR,DPR,ARM)
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守備指標は打撃指標に比べて能力を推定するにはより大きなサンプルサイズが必要と言われます。
そのため能力を推定するには最低限3年程度のサンプルが必要だとされるため、前回は3年分の【プロ野球】守備の評価指標UZRランキング(2018年~2020年)を作成しました。
今回はシーズン終了時点の「【プロ野球】2021年の守備の評価指標UZR1000ランキング」を作成しましたので紹介します。守備のデータサンプルとしては期間が短いので、あくまで参考値程度になります。
データは株式会社DELTAを使用しています。

0. UZRとは?
UZRの定義は下記の通りである。
UZR(Ultimate Zone Rating)とは、同じ守備機会を同じ守備位置の平均的な野手が守る場合に比べて、どれだけ失点を防いだかを表す守備の評価指標である。
株式会社DELTAより引用
そのためUZRには次の4つの特徴があります。
①守備の総合評価値
UZRは下記4つの守備評価の合計値で計算されます。そのため、UZRは総合評価値と言えます。
RngR(range runs):打球処理(守備範囲)
ErrR(error runs):失策抑止
DPR(double-play runs):併殺奪取
ARM(arm ratings):外野手の送球
②投手、捕手は基本的には対象外
守備範囲が小さいことから、投手、捕手は基本的にはUZRの対象外です。ただし、株式会社DELTAでは独自の評価で投手、捕手のUZRを計算しています。
投手については「ErrR(失策抑止)」と「DPR(併殺奪取)」のみの合計値で計算。
捕手については、盗塁阻止、捕逸抑止を考慮した「Catcher(捕手)」という独自の評価と「ErrR(失策抑止)」、「DPR(併殺奪取)」の合計値で計算。
③同じ守備位置の中での比較(相対評価)
UZRは平均が0になるように調整します。つまり、同じ守備位置の中での比較(相対評価)です。他の守備位置との数字の比較は出来ません。
ちなみにUZR値の評価目安は次の通りです。
UZR値 | 評価 |
---|---|
+10以上 | 非常に優秀 |
+5 ~ +10 | 優秀 |
-5 ~ +5 | 平均 |
-10 ~ -5 | 悪い |
-10以下 | かなり悪い |
④UZR1000で比較するのが一般的
UZRは累積値なので、守備イニングが多い選手の方が値が大きくなります。
そのため、他の選手との比較では1000イニングあたりのUZR値に変換した「UZR1000」を使用するのが一般的です。今回も「UZR1000」でランキングを作成しています。
1. 投手 UZR1000ランキング


2. 捕手 UZR1000ランキング


3. 一塁手 UZR1000ランキング

全項目で中村選手が1位です。
山川選手は守備が上手いと思いますが、守備範囲が狭いため上位に入れませんでした。
4. 二塁手 UZR1000ランキング

山田選手、吉川選手を抜いて、ケガから復帰した外崎選手が1位でした。

5. 三塁手 UZR1000ランキング

三塁は茂木選手、宗選手の若手2人が抜けています。
打撃の能力を考えると岡本選手、村上選手も優秀だと思います。
その中でも全体的に高い値だった茂木選手が1位でした。

6. 遊撃手 UZR1000ランキング

やはり異次元の源田選手がダントツ1位でした。
例年よりコンディションが良い今宮選手は3位、昨年から躍進した藤岡選手が2位でした。

7. 左翼手 UZR1000ランキング

やはりセンター出身の西川龍馬選手、青木選手、荻野選手の3人が抜けています。
その中でも広い守備範囲、高い送球能力で西川龍馬選手が1位でした。
8. 中堅手 UZR1000ランキング

広い守備範囲を誇る辰巳選手、淺間選手、近本選手の2人が抜けています。
その中でも高い送球能力で辰巳選手が1位でした。

9. 右翼手 UZR1000ランキング

愛斗選手は守備範囲は1位でしたが、高い送球能力で岡島選手が総合的に1位でした。
メジャー挑戦する鈴木誠也選手も高い値なので、指標を重視するメジャーから良い評価を貰えてそうです。

まとめ

今回は【プロ野球】2021年の守備の評価指標UZR1000ランキングを紹介しました。
上図は最後にUZR1000のベストナインです。
外野は例年と違い、若い選手が躍進しました。
やはり守備レベルが高い遊撃手で20を超える源田選手は化け物です。
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コメント一覧
鈴木大地の所属球団が2年古い件
修正しました。
ご指摘ありがとうございます。