第289回 【プロ野球】12球団の補強ポイントの視覚化(2022年・年齢別WAR)
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10月20日にドラフト会議があるので、今回は「12球団の補強ポイントの視覚化(2022年・年齢別WAR)」を紹介します。
方法としては、1軍の「年齢別WAR」のグラフを作成することで、中長期的にチームに必要な補強ポイントを視覚化しました。年齢は2023年4月1日時点で考えています。
データは下記のサイトを参考。
WARとは?
WARとは(Wins Above Replacement)の頭文字で、文字通り「そのポジションの代替可能選手に比べてどれだけ勝利数を上積みしたか」を表す選手能力の総合指標です。
具体的な算出方法はサイトにより異なりますが、「打撃評価+走塁評価+守備評価+投手評価+守備位置補正+代替水準対比補正」で算出されます。
WARを比較する際は次の2つについて注意する必要があります。
①守備位置補正
WARでは、負担の異なるポジションの選手同士を比較可能にするため、守備位置によって補正を行います。しかし、補正値が適切でない可能性があるので、異なるポジションの選手を比較する場合は注意が必要です。
②投手より野手の方が高くなりやすい傾向
投手と野手ではWARの算出方法が異なることから、投手より野手の方が高くなりやすい傾向にあります。

東京ヤクルトスワローズ
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(2022年・年齢別WAR)
①即戦力の先発
②主軸となる外野手
③素材型の二塁手
「救援上位3名が20代」であることを考えると、まずは高齢化している先発陣に代わる「即戦力の先発」をドラフト1位で獲得したいところです。ドラフト1位指名を公表した吉村投手は補強ポイントに合致しています。
主力野手が結果を残していて、村上選手など若手野手の台頭しているので、野手は将来性重視で良さそうです。ただ、他のポジションに比べるとレフトが弱いので、打撃力があって主軸になれる外野手も欲しいところです。
あとは将来的に山田選手の後釜となる「素材型の二塁手」も指名したいところです。
横浜DeNAベイスターズ
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(2022年・年齢別WAR)
①即戦力の捕手
②素材型の救援
③素材型の内野手
年齢的にもまずは「即戦力の捕手」が最大の補強ポイントです。ドラフトで指名出来ない場合は、FAの捕手を狙っても良さそうです。
一方、ポスティング移籍が濃厚な山﨑康晃投手のことを考え、「素材型の救援」も補強したいところです。
あとは内野のソト選手と宮崎選手の後釜となる「素材型の内野手」をドラフトで指名したいところです。二塁手を指名して、将来的に牧選手をコンバートするのも良いかもしれません。
阪神タイガース
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(2022年・年齢別WAR)
①即戦力の二塁手
②即戦力の外野手
③強打の内野手
④素材型の捕手
近年、ずっと懸念事項の「即戦力の二塁手」が最大の補強ポイントです。ドラフトで指名出来ない場合は、FAの二塁手を狙っても良さそうです。
次に佐藤輝明選手と大山選手の守備位置次第ですが、「即戦力の外野手」または「強打の内野手」が欲しいところです。こちらもFAまたは新外国人で補強しても良いかもしれません。
ドラフトでは梅野選手と坂本選手の後釜となる「素材型の捕手」は指名したいところです。
読売ジャイアンツ
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(2022年・年齢別WAR)
①主軸となる外野手
②素材型の捕手
③即戦力の救援
30歳以下の若手野手が内野に偏ってるため、補強ポイントの第一優先は「主軸となれる外野手」です。そのためドラフト1位指名を公表した浅野選手は補強ポイントに合致しています。
次に大城選手が30歳になることを考えると、「素材型のある捕手」をドラフト2位以下で指名したいところです。
投手に関しては先発を中心に台頭してきているので、「即戦力の救援」を大学・社会人で指名するのか、FAで補強したいところです。
広島東洋カープ
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(2022年・年齢別WAR)
①素材型の先発
②長打力のある右打者
③素材型の二遊間
九里投手、大瀬良投手の年齢を考えると、まずは3年後にエースとなる「素材型の先発」が補強ポイントです。そう考えると、ドラフト1位指名を公表した斉藤投手は補強ポイントに合致しています。
次に左の好打者が多い打線を考えると、ポジションに関係なく「長打力のある右打者」を指名したいところです。
また菊池選手の高齢化と小園選手の守備範囲を考えると、「素材型の二遊間」を指名したいところです。
中日ドラゴンズ
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(2022年・年齢別WAR)
①主軸となるセンター
②長打力のある野手
③素材型の救援
大島選手はセンターの守備のマイナスが大きいた、首位打者争いをしていた割にWARが低いです。そのため最大の補強ポイントは「主軸となるセンター」を獲得して、大島選手をレフトにコンバートすることです。
次に12球団最低本塁打の打線を考えると、ポジションに関係なく「長打力のある野手」を指名したいところです。
あと救援を外国人投手に頼っているので、「素材型の救援」を指名したいところです。ドラフト1位指名を公表した仲地投手は補強ポイントに合致しています。
オリックスバファローズ
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(2022年・年齢別WAR)
①長打力のある野手
②即戦力の外野手
③即戦力の救援左腕
まずはリーグ最低本塁打の打線を考えると、ポジションに関係なく「長打力のある野手」を指名したいところです。投手陣が黄金期であることを考えると、FAや新外国人で補強しても良いです。
次に吉田正尚選手や杉本選手をDHで起用出来るように「即戦力の外野手」が欲しいところです。ただ、こちらもFAや新外国人で補強しても良いかもしれません。
あとは盤石の先発陣に比べると救援が高齢化&左腕不足なので、「即戦力の救援左腕」も指名したいところです。そう考えると、ドラフト1位指名を公表した曽谷投手は補強ポイントに合致しています。
福岡ソフトバンクホークス
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(2022年・年齢別WAR)
①素材型の先発
②素材型の遊撃手
③素材型の捕手
ソフトバンクは年齢のバランスが良く、全体的に即戦力よりは将来を見据えた指名になりそうです。
まずは千賀投手がメジャー挑戦の可能性があり、先発陣がやや高齢化しているため「素材型の先発」を指名したいところです。
次に今宮選手の後釜となる「素材型の遊撃手」です。そう考えると、ドラフト1位指名を公表したイヒネ・イツア選手は補強ポイントに合致しています。
あとは甲斐選手の後釜となる「素材型の捕手」も指名したいところです。
埼玉西武ライオンズ
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(2022年・年齢別WAR)
①即戦力で主軸となる外野手
②即戦力の三塁手
③素材型の捕手
12球団で唯一、WARが1以上の外野手がいないため、補強ポイントの第一優先は「即戦力で主軸となれる外野手」です。そのためドラフト1位指名を公表した蛭間選手は補強ポイントに合致しています。
次に内野で穴になっている「即戦力の三塁手」を指名したいところです。
あとは森捕手の後釜となる「素材型の捕手」も指名したいところです。
東北楽天ゴールデンイーグルス
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(2022年・年齢別WAR)
①即戦力の先発
②長打力のある右打者
③守備力が高い遊撃手
まずは高齢化していて、早川投手が手術したことから「即戦力の先発」を指名したいところです。ドラフト1位指名を公表した荘司投手は補強ポイントに合致しています。
次に左の好打者が多い打線を考えると、ポジションに関係なく「長打力のある右打者」を指名したいところです。ドラフトで指名出来ない場合は、FAや新外国人で補強しても良さそうです。
あとは打力のある遊撃手は多くいますが、守備力が低いので「守備力が高い遊撃手」をドラフトでは指名したいところです。
千葉ロッテマリーンズ
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(2022年・年齢別WAR)
①素材型の先発
②即戦力の二遊間
③即戦力の救援
美馬投手や石川歩投手の後釜で、佐々木朗希投手とチームの柱になれる「素材型の先発」が最大の補強ポイントです。
また中村奨吾選手がFA流出の可能性があり、正遊撃手がいないことから「即戦力の二遊間」をドラフト上位で指名したいところです。
あとは救援陣が30代の投手が多くなってるので、「即戦力の救援」もドラフトでは指名したいところです。
北海道日本ハムファイターズ
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(2022年・年齢別WAR)
①即戦力の救援
②長打力のある野手
③素材型の捕手
日本ハムは毎年、補強ポイントに関係なく「最も高く評価している者」にドラフト1位指名しています。そのため二刀流で素材としてはNo.1評価で、ドラフト1位指名を公表した矢澤選手は球団方針に合致しています。
12球団で唯一、WARが1以上の救援がいないため、補強ポイントの第一優先は「即戦力の救援」です。ドラフトで指名出来ない場合、FAや新外国人で補強しても良いです。
次にDHが弱いことを考えると、ポジションに関係なく「長打力のある野手」を指名したいところです。こちらもFAまたは新外国人で補強しても良いかもしれません。
あとは今年台頭した宇佐見捕手の後釜となる「素材型の捕手」も指名したいところです。
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