第187回 【レッズ】秋山翔吾選手の打撃分析(2021年)
レッズの秋山翔吾外野手(33)が、静岡・下田で2022年1月12日から9日間自主トレを行いました。今年は約10年間、手を加えていなかったバットの形状を変更。フォームも下半身の使い方を大きく変え、体重増にも着手したそうです。
今回はそんな「【レッズ】秋山翔吾選手の打撃分析(2021年)」を紹介します。
使用するデータはBaseball SavantとFanGraphsです。
四死球が多い
2020年9月は打率.317、OPS.821と打撃好調でシーズンを終えたため2021年は活躍が期待されていましたが、キャンプ中に夫人が事故に遭い、直後に左太もも裏の張りで故障者リスト入りして開幕を迎えました。
5月7日にようやくメジャー昇格しましたが、レッズ外野陣が好調なこともあって、2021年は途中出場を中心に88試合の出場でした。
2021年の成績は打率.204、OPS.535とキャリア最低の成績でした。
秋山選手の打撃の特徴としては、コンタクト能力が高く、三振が少なく、とにかく四死球が多い選手です。日本時代は長打力も兼ね備えていましたが、メジャーでは長打をほとんど打たなくなりました。
左投手の方が得意
対左投手は2021年が打率.240、OPS.667と左投手の方が得意としています。
チャンスに強い
得点圏では2020年が打率.318、OPS.801で、2021年は打率.222、OPS.631と得点圏の方が2年連続で成績が良く、チャンスに強い打者といえます。
初球×
初球は打率.182と初球に弱いです。また0ストライクは打率.136と低いです。そもそも0ストライクの打数が少なく、あまり積極的に打ちに行っていないです。
ハイボールヒッター
左右共に高めを得意としているハイボールヒッターです。これは後述するように打球角度が低く、低めはゴロになりやすいからだと考えられます。
左右共に低めのボールゾーンの打数が少ないことから、選球眼が良いことが分かります。
速くて動くボールが課題
ツーシーム(打率.056、OPS.206)、カットボール(打率.071、OPS.143)がとにかく打てておらず、速くて動く球を苦手としています。
130km/h以下の遅球はかなり得意
130km/h以下は打率.438、OPS1.033と遅い球はかなり得意としています。
やはり課題は145km/h以上の速い球ですが、2020年はMLB平均以上は打てていたので、2022年は対応してくることに期待したいです。
流し打ちが得意
逆方向の比率が35%と高く、また打率も良いことから、やはり流し打ちが得意です。
もう少しインコースの速球を引っ張れるようになると、もっと成績が向上しそうです。
打球速度が遅い
捉えた打球(安打)の打球速度の中央値が146km/hとかなり遅いです。
ゴロ率が高い
ゴロ率57%と非常に高いです。アベレージヒッターですが、さすがにゴロ率が高すぎます。
もう少し打球に角度をつけて、ラインドライブくらいの打球を増やせるようになった方が良いと思います。実際、打撃好調だった2020年9月はラインドライブ率が33%ありました。
まとめ
①2年連続でキャンプを完走出来ず
②守備、走塁はMLB平均以上
③左投手の方が得意
④チャンスに強い
⑤初球×(打率.182)
⑥ハイボールヒッター
⑦速くて動くボールが課題
⑧130km/h以下の遅球はかなり得意
⑨流し打ちが得意
⑩打球速度が遅い
⑪ゴロ率が高い
今回は「【レッズ】秋山翔吾選手の打撃分析(2021年)」を紹介しました。
2021年はキャンプ離脱による出遅れが原因で、途中出場が多く、打率.204、OPS.535とキャリア最低の成績でした。ただし、守備と走塁はMLB平均以上の成績を記録しています。
秋山選手の打撃の特徴としては、コンタクト能力が高く、三振が少なく、とにかく四死球が多い選手です。日本時代は長打力も兼ね備えていましたが、メジャーでは長打をほとんど打たなくなりました。また、「左投手が得意」「チャンスに強い」「流し打ちが得意」などの特徴があります。
2020年は新型コロナ、2021年はアクシデントによって、キャンプでまともに行えていないのが不振の最大の要因と考えられます。実際、打数が多かった2020年9月は打率.317、OPS.821と結果を残しています。
また、「初球を振りに行けない」「日本では少ないツーシームやカットボールなどの速くて動くボールを打てていない」ことも、打数不足が原因の可能性があります。
2022年はキャンプでしっかり調整をして、スプリングトレーニングで結果を残して、レギュラーとして試合に出れれば活躍してくれると思います。