第305回 【吉田正尚】2022年の打撃分析&MLB1年目成績予測
2022年12月8日、オリックスからポスティングシステムを利用した吉田正尚外野手について、レッドソックスと契約合意したと複数の報道機関が報じました。
ジェフ・パッサン記者によると5年9000万ドル(約122億6900万円)の大型契約で、譲渡金は1540万ドル(約21億円)。計1億540万ドル(約143億6800万円)の契約となるとのことです。
今回はそんな「【吉田正尚】2022年の打撃分析&MLB1年目成績予測」を紹介します。
データは下記のサイトを参考。
1. 年度成績
四死球率・三振率がかなり良い
敦賀気比高から青山学院大を経て2015年ドラフト1位でオリックスに入団。
2年目以降は規定未達のシーズンも含め今季まで6年連続で打率3割をマークしていて、2020年と2021年は2年連続で首位打者を獲得。
2022年の成績は打率.335、21本塁打、88打点、OPS.1.008とキャリアハイの成績でした。
守備は主に左翼ですが、2017年は右翼を守ることの方が多かったです。また中堅を守ったこともあります。
2016〜2019年はUZRがプラスでしたが、2020年〜2022年はUZRが大きくマイナスです。マイナス要因としては守備範囲と送球が考えられます。ただし、失策は少ないです。
2022年の成績
本塁打率8%(NPB平均2.0%)
四死球率18%(NPB平均8.5%)
三振率8%(NPB平均19.6%)
2. 対左右成績
対左投手○
対左投手が打率.361と左投手を得意にしています。
ただ、本塁打率と四死球率などは右投手の方が高いです。
3. 得点圏成績
チャンス◎
得点圏が打率.367、OPS1.051とチャンスが大得意です。
三振率、四死球率も得点圏では良化し、四死球率は27%なので「得点圏では4打席に1回は四死球」という驚異的な数字です。
本塁打率は下がっていることから出塁を意識していると考えられ、得点圏出塁率.521と驚異の5割超。
4. カウント別成績
初球○
打率.444、3本塁打と初球を得意としており、ボール先行でも打率が高くて本塁打が多いです。
2ストライクからの本塁打が少ないことから、追い込まれるとコンタクト重視に打撃を変えていることが分かります。これが三振が少ない要因と考えられます。
5. コース別成績
苦手なコースが無い
アウトコース、インコース共に成績はあまり変わらず、明らかな苦手なコースが無いです。
左投手に関してはボールゾーンの球を3本もホームランにしています。
6. 球種別成績
苦手な球種が無い
※NPB平均が分からなかったのでMLB平均を記述
ほとんどの球種が打率3割以上、OPS.900以上と満遍なく打っています。
唯一ツーシームはMLB平均よりOPSが低かったですが、2021年は打率.384(26打数10安打)だったことを考えると打数が少なかっただけと考えられます。
カーブもOPSが低いですが、同様に2021年は打率.428(14打数6安打)と打っています。
以上のことから、吉田正尚選手は明らかな苦手な球種が無いと言えます。
8. ストレート球速別成績
150km/h後半も打っている
130〜160km/hのストレートを万遍なく打っています。
MLBで対戦が増える155〜160km/hの打率が.417と速球を得意としています。
9. 月別成績
5~6月は故障で少し不振
5月8日に新型コロナ陽性で抹消、5月17日に再登録されましたが練習で左大腿部裏の軽度筋損傷。6月17日にようやくスタメン復帰しました。
そのため5~6月はOPS.800以下と少し不振に陥りました。
それ以外の月はOPS.950以上と好調で、特に9〜10月は打率.416本塁打7本、OPS1.279と脅威的な数字です。
10. 打球方向別成績
プルヒッター
ライト方向に打球比率50%、本塁打17本とかなりのプルヒッターです。
ただし、レフト方向への打球比率は高く、センター方向への打球が少ないです。
11. 打球種類
打球が低い
強打者にしては珍しく、フライ率とポップフライ率が低く、ラインドライブ率とゴロ率が高いです。このことから打球が低いと考えられます。
MLB1年目成績予測
過去の日本人外野手成績
過去の日本人外野手のNPB最終年とMLB1年目の成績から、米移籍による成績の増減率を求めました。
基本的には成績を落としますが、盗塁と三振率は成績が上昇する傾向にあります。
また過去の日本人外野手と吉田正尚選手のNPB最終年とMLB1年目の「三振率・四死球率のグラフ」と「出塁率・長打率のグラフ」を作成しました。ただし、打数が少ない田口選手は省いています。
吉田正尚選手は日本人外野手No.1の四死球率と三振率の良さを兼ね備えてることが分かります。
また長打率は松井選手や鈴木選手に劣りますが、高い長打率と出塁率を兼ね備えてることが分かります。
また意外と過去の日本人外野手全員がMLB移籍1年目の出塁率がMLB平均以上でした。
MLB1年目成績予測は打率.313、本塁打10本、OPS.876
過去の日本人外野手成績から予測した吉田正尚選手のMLB1年目成績は打率.313、本塁打10本、OPS.876です。
まとめ
①打率.335、21本塁打、OPS.1.008とキャリアハイ
②四死球率18%(NPB平均8.5%)
③三振率8%(NPB平均19.6%)
④守備範囲は狭いが失策少ない
⑤対左打率.361
⑥得点圏打率.367、出塁率.521
⑦初球打率.444
⑧苦手なコースが無い
⑨苦手な球種が無い
⑩155〜160km/hの打率.417
⑪プルヒッター
⇒ライト方向比率50%、17本
⑫打球が低い
⇒ラインドライブとゴロが多い
2022年の成績は打率.335、21本塁打、88打点、OPS.1.008とキャリアハイの成績でした。
守備は主に左翼ですが、2017年は右翼を守ることの方が多かったです。また中堅を守ったこともあります。
2016〜2019年はUZRがプラスでしたが、2020年〜2022年はUZRが大きくマイナスです。マイナス要因としては守備範囲と送球が考えられます。ただし、失策は少ないです。