第330回 【佐々木朗希】練習試合で村神様含む2回5奪三振(2023年2月15日投球分析)
2023年2月15日、佐々木朗希投手が糸満での練習試合のヤクルト戦に今季対外試合初登板しました。
2回を投げて29球、被安打1、四死球0、奪三振5、無失点の圧巻の内容でした。2回には村上宗隆選手からも160km/hで空振り三振を奪いました。
今回はそんな「佐々木朗投手の投球分析(2023年2月15日)」を紹介します。
使用するデータはスポナビライブのデータです。
1. 球種・投球割合
右打者にスライダーを多投
上が2022年、下が2月15日の対左右投球割合です。
2022年より右打者にスライダーを多投しました。
左右ともにフォークが少し多く、カーブは投げませんでした。
今キャンプは右打者へのスライダー、左打者へのフォークもテーマの1つとしているらしいので、それが試合でも試した感じでした。
2. コース別
フォークが低めに抑えれた
11月の強化試合はWBC公認球が抜けやすいためシーズン中よりフォークが高めに集まっていましたが、フォークが低めに集まっていました。
また2022年より左打者の内角ストレートが多かったです。本人も左打者の内角直球の勢いや制球を重要視しているらしく、試合後のコメントからによると手応えを感じれたみたいです。
左打者の内角ストレートは甘いと打たれる
7人中5人が奪三振でしたが、残りの2人の遊ゴロと安打はどちらも左打者の内角ストレートがシュート回転して真ん中にきたボールでした。
3. 対左右成績
左右どちらからも奪三振
左打者5人に対して3奪三振、右打者は2人に対して2奪三振と左右どちらからも三振を奪いました。
左打者に安打を打たれましたが、詰まったヒットなので気にしなくて良さそうです。
4. 球種別成績
ボールゾーンのフォークとスライダーを振らせた
左がOPS、右が空振率・見逃率・ファウル率の図です。
ストレートはいつものように見逃しとファウル率が高かったです。
フォークは空振率54%とスライダー空振率67%と高いですが、ゾーン内率23%と0%と非常に低かったです。
全体としてもストライク率72%、ゾーン内38%とかなりボールゾーンの変化球を振らせることが出来ていました。
5. 球速・回転数
平均157.9km/h、最高160km/h
2022年前半戦は平均159.2km/hでMLB先発でも1位相当でしたが、後半戦は疲労の影響なのか平均156.4km/hまで下がっていました。
今日(2023年2月15日)は平均球速は157.9km/h、最高は160km/hで昨年後半戦に比べると球速が回復しており、この時期の練習試合だと考えると今年も期待出来そうです。
走者有無の球速があまり変わらないので、セットでの投球も問題無さそうです。
フォークとスライダーの球速も出ていた
ストレートは160km/hが2球、全球が156km/h以上と安定していました。
11月の強化試合ではフォークとスライダーは135km/h前後でどちらも2022年平均より6km/h以上遅かったですが、今日(2023年2月15日)はどちらも平均球速143km/h前後といつものように球速が出ていました。
【2022年平均球速】
フォーク143.4km/h
スライダー141.6km/h
まとめ
①2回5奪三振
⇒特に変化球の制球が良くWBC球に対応
②右打者にスライダーを多投
③フォークを低めに多投
④左打者の内角直球多投
⇒真ん中付近に甘く入ると打たれた
⑤ボールゾーンのフォークとスライダーを多く振らせた
⇒ストライク率72%、ゾーン内率38%
⑥平均球速157.8km/h、最高160km/h
⑦フォークとスライダーの球速も2022年並に回復
⇒11月の強化試合は6km/h以上遅かった
今回は今季初実戦となった「佐々木朗投手の投球分析(2023年2月15日)」を紹介しました。
2回を投げて29球、被安打1、四死球0、奪三振5、無失点の圧巻の内容で、11月の強化試合での課題や不安材料だった「左打者の内角直球」「フォークが高めに抜ける」「フォークとスライダーの球速」全てを解消する投球でした。