第396回 【大谷翔平】6回途中7K5失点で5敗目(2023年7月14日アストロズ戦)
2023年7月14日(日本時間7月15日)、大谷翔平投手(29)が本拠地エンゼルスタジアムでのアストロズ戦に「2番・投手兼DH」で投打同時出場。
5回0/3を投げて94球、被安打5、四死球4、奪三振7、失点5(自責4)で5敗目。
爪を痛めてる影響でストレートの平均球速が154.1km/hと球速は出ていませんでしたが、カーブを今季最多13%と多投して3回まで無失点に抑えていました。しかし、4回に3連続四死球で満塁のピンチを招いて2失点、5回は連続2塁打と失策で2失点。6回の先頭に四球を与えて交代し、後続が打たれて5失点になりました。
これで被打率.192はMLB1位、奪三振率11.9はア・リーグ2位となりました(7月14日時点)。
今回はそんな「大谷翔平投手の2023年7月14日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
カーブを13%と多投
今回はストレート、フォーク、カットボール、縦スラ、スライダー、カーブの6球種を投球しました。
カーブを今季最多13%と多投しました
今回はツーシーム、スプリームは投球しませんでした。
あまりに多彩すぎてトラックマンデータも球種を誤判定していたので、握りで球種を再判別しました。
大谷翔平投手本人が語ってるようにMLB公式の球種判別は間違っていることがあるみたいです。
※当ブログでは握りが違う「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
右打者にストレートを多投
上は2022年、下は今回の左右投球割合です。
右打者にはストレートを多投し、左打者には少なかったです。
その分、左打者にカットボールを多投しました。
20球以上の回が3回
5回まではに20球以上の回が3回あり、球数的にも苦しい投球でした。
2. コース
右打者のアウトロー、左打者のインローを攻めた
右打者のアウトロー、左打者にはインローを多投していました。
3. 対左右成績
タッカー選手に打たれた
上図は今回、2023年、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
左打者に被OPS1.100と打たれましたが、これはほぼタッカー選手に2打数2安打(1死球)と打たれました。
4. 球種成績
空振りは13個
全体でストライク率62%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率51%(MLB平均48.5%)と、ゾーン内率のわりにはストライク率が高くありませんでした。
前回少なかった空振りは7球→13球と平均的でした。(2023年平均が14個)
5. リリースポイント
今回はスライダーは横からのみ
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
2022年よりリリース位置が体に近く低いです。
またエクステンションが長く、球持ちが良かったです。
今回はスライダーを上から投げず、横からのみでした。
6. 球速と回転数
平均球速154.1km/h、最高159.8km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速154.1km/h、最高球速159.8km/h、回転数は2236回転でした。
今回はカットボールの回転数が2294回転と非常に少なかったです。
平均球速は今季三番目に遅い
上は登板日別の平均球速と回転数の図です。
ストレートの平均球速154.1km/hと今季3番目に遅かったです。
回転数2236回転も今季平均以下です。
6回に球速低下
上は球種ごとの回別平均球速です。
尻上がりに球速を上げてピンチを招いた4回は平均156.7km/h出てました。
しかし5回、6回は球速が低下して6回は150.2km/hまで球速が低下しました。
7. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
スライダーは曲がりが小さい球が多い
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートがいつもぐらいの真っスラでした。
フォークは変化量が不安定でした。
スライダーは曲がりが小さい球が多かったです。しかし、横変化量40cm以上のボールは多くの空振りを奪いました。
まとめ
①被打率.192はMLB1位
②ツーシーム、スプリームは投球無し
③6球種(握りで球種を判定)
④カーブを今季最多13%と多投
⑤右打者にストレート、左打者にカットボール多投
⑥20球以上の回が3回もあった
⑦右打者にアウトロー、左打者にインロー多投
⑧ゾーン内率のわりにストライク率が低い
⑨空振り前回7個から13個に増加(2023年平均14個)
⑩今回はスライダーを上から投げなかった
⑪終盤に球速低下
⑫ストレートはいつもの真っスラ
⑬フォークは変化量不安定
⑭スライダーは変化量小さい球が多い
⇒40cm以上の球は空振りを多く奪った
【ストレート】
平均球速154.1km/h
最高159.8km/h
平均2236回転
ホップ量33cm、シュート成分9cm
今回は「大谷翔平投手の2023年7月14日投球分析」を紹介しました。
爪を痛めてる影響でストレートの平均球速が154.1km/hと球速は出ていませんでしたが、カーブを今季最多13%と多投して3回まで無失点に抑えていました。しかし、4回に3連続四死球で満塁のピンチを招いて2失点、5回は連続2塁打と失策で2失点。6回の先頭に四球を与えて交代し、後続が打たれて5失点になりました。
次回登板予定は爪の影響次第ですが、パイレーツ戦になりそうです。