第481回【西武】2025年新外国人エマニュエル・ラミレス投手の投球成績
2024年11月28日、埼玉西武ライオンズが前マーリンズのエマニュエル・ラミレス(Emmanuel Ramírez)投手(30)を獲得すると報道されました。
ラミレス投手はオーバースローからのカットライズなストレート、回転数少ないスプリットが武器な抑え投手です。
今回はそんな「【西武】2025年新外国人エマニュエル・ラミレス投手の投球分析」を紹介します。
Baseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 基本情報・年度別成績
オーバースローのリリーフ
所属球団 | マイアミ・マーリンズ(2024) |
ポジション | リリーフ、先発 |
投打 | 右投右打 |
生年月日 | 1994年7月15日(30歳) |
身長 | 188 cm |
体重 | 86 kg |
MLBは2024年のみ
MLBは15試合に登板して防御率6.97、被打率.263、奪三振率9.1、与四死球率4.8でした。
今季3Aでは30試合に登板して防御率4.20、被打率.220、奪三振率11.2、与四死球率3.2でした。
投手としての特徴は「奪三振率が高い」「オーバースロー」「フライが多い」「回転数少ないスプリット」「カットライズ」などがあげられます。
フライが多い
MLB通算のフライ率29%(MLB平均23%)フライが多いフライボーラーです。
最大の武器のスプリットはゴロ率74%とかなり高いですが、ストレートはゴロ率29%とかなり低いです。
2. 球種・投球割合
3球種
持ち球はストレート、スプリット、カーブの3球種です。
baseball savantではスライダーを表記ですが、回転軸などからカーブとしています。
MLB、3Aで割合はほぼ同じでストレートが5、スプリットが4、カーブが1くらいの配分です。
左右で球種割合が変わらない
上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。
左右で球種割合が変わらないです。
3. カウント別
スプリットは決め球
ストレートはカウント球
カーブは初球
左右関係なくスプリットは決め球、ストレートはカウント球、カーブは初球で比率が高いです。
4. コース
各球種の空振りを奪えるコースが決まってる
上図は球種ごとのベース上の位置です。
各球種の空振りを奪えるコースが決まってます。
ストレートは高め
スプリット、カーブは低めへの空振りが多いです。
ただストレート、スプリットは投球コースはバラバラです。
高め○、左アウトロー○
右打者の高めの成績が良いです。一方、左打者にはアウトローの成績が良いです。
5. 対左右成績
対左打者×
MLBでは対左打者の被打率.323、被OPS.997で、
3Aでも対左打者の被打率.272、被OPS.856と対左打者に弱いです。
6. 得点圏成績
対ピンチ×
MLBでは得点圏の被打率.381、被OPS1.167で、
3Aでも得点圏の被打率.309、被OPS1.035と対ピンチに非常に弱いです。
7. 球種別成績
スプリット、カーブは優秀
左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。
ストレートは右打者には被打率.222と有効ですが、左打者に被打率.349とかなり打たれてます。空振率14%と高いです。
スプリットは被打率.145、空振率22%と優秀です。
カーブは被打率.182と左右関係なく優秀です。
全体でストライク率61%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率45%(MLB平均48.5%)と、ゾーン内率が低いです。
8. リリースポイント
オーバースロー
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。
上体を一塁方向に倒しながら投げるフォームなので、MLB平均よりリリースは約55cmも一塁側です。アーム角度は60度とオーバースローです。
エクステンションはMLB平均より少し長く、球持ちが少し良いです。
9. 球速と回転数
平均球速151.2km/h、最高157.4km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2024年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートはMLBで平均球速151.2km/hとNPB救援では上位レベルの平均球速です。また球速は145km/h以上で安定しています。
回転数は2292回転と平均的です。
スプリットは550回転と回転数が非常に少ないタイプです
MLB、3Aでも同じくらい
平均球速、回転数ともにMLBでも3Aでも同じくらいです。
10. 変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
カットライズ、スプリットは不規則
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2024年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートはポップ成分が多くシュート成分が少ないカットライズな変化量です。
スプリットはシュート成分が少なく変化量が不規則です。
カーブは変化量が多きいです。
まとめ
【基本情報】
①オーバースローのリリーフ
②今季3Aで
防御率4.20
被打率.220
奪三振率11.2
与四死球率3.2
③フライ率29%と高い
④スプリットはゴロ率74%
【球種割合・カウント】
①ストレート、スプリット、カーブの3球種
②MLBと3Aで球種割合が変わらない
③左右で球種割合が変わらない
④スプリットは決め球
⑤ストレートはカウント球
⑥カーブは初球
【コース】
①次のコースの空振り多い
ストレートは高め
スプリット、カーブは低め
②右打者の高め◎
③左打者のアウトロー○
【対左右・得点圏成績】
①対左打者×
MLB対左被打率.323、被OPS.997
3A 対左被打率.272、被OPS.856
②対ピンチ×
MLB得点圏被打率.381、被OPS1.167
3A 被打率.309、被OPS1.035
【球種別成績】
①ストレートは左打者×
⇒左被打率.349
②ストレートは空振率14%と高い
③スプリットは優秀
⇒被打率.145、空振率22%
④カーブは優秀
⇒被打率.182
【リリース】
①MLB平均より50cm一塁側
②アーム角度60度とオーバースロー
③球持ち(エクステンション)は平均的
【球速・回転数】
①平均球速151.2km/h
⇒NPB救援上位レベル
②回転数2292と平均的
③球速安定
④スプリットは550回転
【変化量】
①ストレートはカットライズ
②スプリットはシュート成分少
③スプリットの変化は不規則
④カーブは変化量大