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第186回 【パイレーツ】筒香嘉智選手の打撃分析(2021年)

2023年10月27日

筒香嘉智選手の総評

2022年1月18日、パイレーツの筒香嘉智選手が故郷の和歌山県橋本市に「TSUTSUGO SPORTS ACADEMY(筒香スポーツ・アカデミー)」をオープンさせることが報道されました。

総面積が3万平方メートルにも及ぶ広大な土地には、両翼100メートル・中堅120メートル以上ある内外野天然芝の本グラウンド、同じく天然芝の内野サブグラウンド、室内練習場が並び、総工費は約2億円となる見込みです。

今回はそんな「【パイレーツ】筒香嘉智選手の打撃分析(2021年)」を紹介します。

使用するデータはBaseball SavantFanGraphsです。

やきゅまる
野球界の将来のためにアカデミーを作るなんて、本当に素晴らしいことだと思う

四死球が多い打者

筒香嘉智選手の年度別打撃成績

2021年は開幕から打率.167、OPS.462と不振で、5月11日にレイズを戦力外となりました。その後、故障者が続出したドジャースに移籍して積極的に試合で使われましたが、打率.120、OPS.410と結果を残せませんでした。6月9日にふくらはぎを痛めて故障者リスト入りして3Aに降格、7月7日に40人枠を外れて、8月14日にFAとなりました。

ただ、このドジャースで「手首を返さないで打つ」「フリスビーを投げる」など独特な打撃ドリルに取り組んだことが、後の打撃覚醒に繋がったと本人は語っています。

その言葉通り、3Aでは43試合で打率.25710本塁打OPS.868と復調していたこともあり、8月16日にパイレーツと契約しました。パイレーツ移籍後は一塁左翼右翼などを守るユーティリティプレイヤーとして、打率.268本塁打8本OPS.882と結果を残しました。そのため、2022年はパイレーツと1年400万ドルで再契約を結びました。

筒香選手の打撃の特徴としては、打率が残せて長打力があり、三振はやや多いですが、とにかく四死球が多い選手です。

やきゅまる
明らかにレイズ時代と打撃フォームが変わったね

左投手の方が得意

筒香嘉智選手の対左右成績(2021年)

対左投手は2020年が打率.243、OPS.7812021年が打率.258、OPS.714と2年連続で左投手の方が得意としています。

やきゅまる
左に弱いイメージがあったから意外

チャンスにかなり強い

筒香嘉智選手の得点圏成績(2021年)

2021年の得点圏打率.327OPS.903とチャンスにかなり強いです。また得点圏では三振率14.5%しかなく、かなり三振が減ります。

やきゅまる
チャンスに強いから打点も稼げそう

若いカウントの方が得意

筒香嘉智選手のカウント別成績(2021年)

初球は打率.3753本塁打と初球に強いです。またボールが先行したカウントよりも、0-1、1-1などの若いカウントの方が成績が良いです。

やきゅまる
ボールが先行すると四球がよぎって、積極性が無くなるのかな?

右のアウトハイ、左の高めが苦手

筒香嘉智選手のコース別成績(パイレーツ2021年)

上はパイレーツ移籍後のコース別成績です。

日本時代からローボールヒッターのイメージがある筒香選手ですが、やはり低めの方が打ちにいく傾向があります。

右打者はアウトハイ左打者は高めの成績が悪くて苦手としています。

左右共に低めのボールゾーンの打数が少ないことから、かなり選球眼が良いことが分かります。

やきゅまる
低めの変化球を見逃せるのは大きいよね

ツーシームへの対応が課題

筒香嘉智選手の球種別成績(パイレーツ2021年)

上は球種別OPSのグラフ、下は球種別の成績です。どちらもパイレーツ移籍後の成績です。

パイレーツ移籍後はストレートは打率.275、OPS.858と結果を残しています。またチェンジアップカーブはOPS1.000を超えていて、遅球にもとても強いです。

カットボールスライダーなどの横の変化にも対応出来ていますが、ツーシームだけ打率.231、OPS.641とやや打てていません

やきゅまる
ツーシームも打ち始まると、かなりの成績が期待出来そう

150~155km/hの速球にも対応

筒香嘉智選手の球速別成績(パイレーツ2021年)

上は球速帯別OPSのグラフ、下は球速帯別の成績です。どちらもパイレーツ移籍後の成績です。

日本時代から速い球が苦手と言われてきた筒香選手ですが、150~155km/hの速球にも打率.296OPS.922と対応しています。

また130km/h以下は打率.333、OPS1.000を超えていて、遅球にとても強いです。

やきゅまる
どの球速帯にも対応してきているね

パイレーツ移籍後に覚醒

筒香嘉智選手の月別成績(2021年)

上は月別OPSのグラフ、下は月別の成績です。

月別の成績を見ると、パイレーツ移籍後の8月に打率.2905本塁打OPS1.246と打ちまくりました。9~10月は成績を落としましたが、MLB平均以上の打撃成績です。

やきゅまる
日本時代から筒香選手は打ち始まると止まらなくなるね

広角に長打

筒香嘉智選手の打球方向別成績(パイレーツ2021年)

本塁打は引っ張り方向が多いです、ただ、打球の逆方向比率は31%と高く、二塁打も逆方向の方が多いので、広角に長打を打ってています。

やきゅまる
2022年は逆方向への本塁打も見たいね

打球角度がやや高い

筒香嘉智選手の打球速度と角度(2021年)

打球速度はほぼMLB中央値と変わらないくらいですが、捉えた打球(安打)の打球角度は15度とやや高いです。

2021年のバレル率は6.9%ですが、パイレーツ移籍後はもう少し高くなっていそうです。

やきゅまる
来年はバレル率10%以上は記録しそう

フライ率35%に上昇

筒香嘉智選手の打球種類成績(2021年)

2021年のフライ率は35%と、2020年やMLB平均よりも10%以上高くなり、かなりのフライヒッターと言えます。

やきゅまる
打球が上がるようになったのが好調の一因だね

まとめ

筒香嘉智選手の総評
まとめ

①パイレーツ移籍後覚醒(打率.268、本塁打8本、OPS.882)
②四死球が多い
③守備は一塁と左翼ではMLB平均以上、三塁と右翼ではMLB平均以下
④走力はMLB平均以下
⑤左投手が得意(打率.243、OPS.781)
⑥チャンスに強い(得点圏打率.327、OPS.903)
⑦初球○(打率.375、3本塁打)
⑧右のアウトハイ、左の高めが苦手
⑨ツーシームへの対応が課題
⑩150~155km/hの速球にも対応(打率.296、OPS.922)
⑪広角に長打
⑫フライ率が上昇(2020年24%→2021年35%)

今回は「【パイレーツ】筒香嘉智選手の打撃分析(2021年)」を紹介しました。

レイズ、ドジャースでは結果を残せませんでしたが、パイレーツ移籍後は一塁左翼右翼などを守るユーティリティプレイヤーとして、打率.268本塁打8本OPS.882と結果を残しました。これはドジャースで「手首を返さないで打つ」「フリスビーを投げる」など独特な打撃ドリルに取り組んだことが大きかったみたいです。

守備は総合的には一塁と左翼ではMLB平均以上、三塁と右翼ではMLB平均以下の守備能力で、走力はMLB平均以下です。

守備は総合的には一塁左翼ではMLB平均以上三塁右翼ではMLB平均以下の守備能力で、走力はMLB平均以下です。

筒香選手の打撃の特徴としては、打率が残せて長打力があり、三振はやや多いですが、とにかく四死球が多い選手です。また、「左投手が得意」「チャンスに強い」「初球に強い」「広角に長打が打てる」「緩急に強い」 などの特徴があります。

日本時代から速い球が苦手と言われてきた筒香選手ですが、150~155km/hの速球にも打率.296OPS.922と対応しています。

打球速度はあまり変わっていませんが、フライ率が上昇(2020年24%→2021年35%)したのも好調の一因だと考えられます。

右のアウトハイ、左の高めが苦手」「ツーシームへの対応」など課題はありますが、「選球眼が良い」「広角に打てる」「緩急に強い」などの本来の筒香選手の打撃を取り戻し、さらに速球にも対応出来るのようになったので、2022年は活躍がかなり期待出来そうです。

やきゅまる
まずは1年レギュラーで出て欲しいね