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第250回 【大谷翔平】6回無失点で5勝目&11試合連続安打(2022年6月16日投球分析)

2023年2月9日

大谷翔平投手の投球内容
(2022年6月16日)

2022年6月16日、大谷翔平投手(27)が敵地Tモバイル・パークでのマリナーズ戦に「3番・投手兼DH」で投打同時出場。

6回を投げて93球、被安打3、四死球2、奪三振6、0失点の投球内容で5勝目

相手打線は6人が左打者(両打含む)でしたが、スライダーを多投して単打3本に抑えました。

打ってはキャリアハイタイの11試合連続安打を放つなど、マルチ安打の活躍でした。

今回はそんな「【投手兼DH】大谷翔平投手の2022年6月16日投球分析」を紹介します。

大谷翔平投手の投球分析の過去記事

データはBaseball SavantFanGraphsのデータを使用します。

やきゅまる
打線にトラウト選手がいると違うね

1. 球種・投球割合

スライダーを42%と多投

大谷翔平投手の日別投球割合
(2022年6月16日)

今回はストレートフォークスラッタースライダーカーブ5球種でした。

スライダーを42%と多投して、スプリームは投げませんでした。

※当ブログでは「カットボールをスラッター」と「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。

左右関係なくスライダーを多投

大谷翔平投手の左右投球割合
(2022年6月16日)

上は前回登板までの2022年平均、下は今回の左右投球割合です。

左右関係なくスライダーの割合が多くなっています。また、右打者にはカーブを投げませんでした。

やきゅまる
左打者に1/3もスライダーを投げるなんて珍しいね

2. コース

左の膝元を攻めた

大谷翔平投手のベース上の位置
(2022年6月16日)

いつもはアウトコース中心の投球ですが、前回同様に左打者の膝元が多いです。これにより今まで打たれていた左打者を抑えることが出来たと考えられます。

一方、右打者のゾーン内のストレートが少なく、スライダーでしかストライクが取れなかったのが右打者から三振が奪えなかった原因と考えられます。

やきゅまる
前回同様に左打者の膝元を攻めたのはいいね

3. 各成績

三振は5つが左打者

大谷翔平投手の左右別成績
(2022年6月16日)

上図は今回、前回登板までの2022年平均MLB右投手平均の左右別被OPSです。

いつもより左打者の被打率、被OPSが低く、今回は三振は5つが左打者でした。

やきゅまる
左打者を抑えている時は中々点が取られないね

空振りが9個のみ

大谷翔平投手の球種別成績
(2022年6月16日)

今回は空振りが9個のみ(前回18個)と少なく、見逃し16個(前回9個)と見逃しでカウントを整えていました。

全体としてはストライク率58%(前回63%)、ゾーン内率46%(前回42%)とあまりボールゾーンの球を振らせられなかった

やきゅまる
特に変化球が良かったね

4. リリースポイント

リリース位置が体から遠く、高い

大谷翔平投手のリリースポイント
(2022年6月16日)

左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均△はMLB平均です。

前回同様にリリース位置が体から遠く、高いです。一方、球離れはいつもぐらいでした。

やきゅまる
今回のリリース位置くらいの時は調子がいいね

5. 球速と回転数

平均球速154.8km/h、最高160.0km/h

大谷翔平投手の球種別成績
(2022年6月16日)

上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均△はMLB平均を表しています。

ストレート平均球速154.8km/h最高球速160.0km/h回転数は2237回転でした。

カーブはカウントを取るスローカーブと、球速が速く回転数が多く決め球のパワーカーブ2種類を投げ分けていました。

球速はいつもより遅め

大谷翔平投手の球速・回転数の日別推移
(2022年6月16日まで)

ストレート平均球速154.8km/hで今季の中でも球速が遅い方でした。回転数は2237回転と今季の中では平均的でした。

6回まで球速維持

大谷翔平投手の回別平均球速
(2022年6月16日)

6回までは平均球速を維持していました。3回に158.2km/hまで平均球速を上げましたが、他の回はそこまで球速が上がることはありませんでした。

6. 回転軸と変化量

回転軸

大谷翔平投手の回転軸
(2022年6月16日)

上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。

真っスラが少ない

大谷翔平投手の変化量(2022年6月16日)

上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年△はMLB平均を表しています。

ストレート真っスラが少なくホップ量が多い球が多かったです。

フォーク落差が大きいです。

スライダーカーブ横変化量が減少しています。

やきゅまる
ホップ量が多いストレートをもっと増やしたいね
https://twitter.com/PitchingNinja/status/1537627092942307331?t=o8aVNE_rBuyXd_dLKnbFAA&s=19
落差が大きいフォーク

まとめ

大谷翔平投手の投球内容とコース
(2022年6月16日)
まとめ

①左右関係なくスライダーを多投
②左の膝元を攻めて、左打者を抑えた
③右のゾーン内にストレートがほぼ無い
④空振りが9個に減少(前回18個)
⑤リリース位置が遠くて高い
⑥平均球速154.8km/h、2237回転
⑦最速160.0km/h
⑧真っスラが少ない
⑨フォークの落差が大きい
⑩スライダー、カーブの横変化量が少ない

今回は「【投手兼DH】大谷翔平投手の2022年6月16日投球分析」を紹介しました。

6回を投げて93球、被安打3、四死球2、奪三振6、0失点の投球内容で5勝目

いつもはアウトコース中心の投球ですが、今回は左打者の膝元が多くて左打者を抑えました。一方、右打者のゾーン内のストレートが少なく、スライダーでしかストライクが取れなかったのが右打者から三振が奪えなかった原因と考えられます。

ストレート平均球速154.8km/h最高球速160.0km/hとそれほど球速は出ていませんでしたが、真っスラが少なくホップ量が多い球が多かったです。

フォーク落差が大きいのも良かったです。

早朝4時にシアトルに到着して疲労も溜まっていた中でこれだけの投球が出来たので、次回登板も期待したいです。