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第400回 【大谷翔平】1安打の初完封で9勝目(2023年7月27日タイガース戦)

大谷翔平投手の投球内容
(2023年7月27日)

2023年7月27日(日本時間7月28日)、大谷翔平投手(29)が敵地コメリカ・パークでのタイガース戦に「2番・投手兼DH」で投打同時出場。

9回を投げて111球、被安打1、四死球3、奪三振8、失点0MLBキャリア初完封9勝目

ストレート今季最多の56%と多投して見逃しストライクを量産しました。

今季の被打率.185はMLB1位奪三振率11.6はア・リーグ2位です(7月27日時点)。

今回はそんな「大谷翔平投手の2023年7月27日投球分析」を紹介します。

大谷翔平投手の投球分析の過去記事

データはBaseball SavantFanGraphsのデータを使用します。

やきゅまる
素晴らしい投球だったね

1. 球種・投球割合

ストレートを今季最多59%

大谷翔平投手の日別球種割合
(2023年7月27日時点)

今回はストレートツーシームフォークカットボールスライダーカーブ6球種を投球しました。

ストレートを今季最多59%と多投しました。

今回はスプリーム縦スラは投球しませんでした。

あまりに多彩すぎてトラックマンデータも球種を誤判定していたので、握りで球種を再判別しました。

大谷翔平投手本人が語ってるようにMLB公式の球種判別は間違っていることがあるみたいです。

※当ブログでは握りが違う「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。

やきゅまる
相手が変化球を意識していたから、ストレートを多投したのが良かったね

左打者にストレートを多投

大谷翔平投手の左右球種割合
(2023年7月27日)

上は2022年、下は今回の左右投球割合です。

特に左打者にストレートを64%と多投しました。

やきゅまる
最近は左打者にカットボールが多かったけどね

全ての回で18球以下

大谷翔平投手の回別球種投球数
(2023年7月27日)

全ての回で18球以下であり、球数的にも良いペースでした。

1巡目ストレート多投、2巡目変化球中心、3巡目ストレート多投と相手打線に的を絞らせませんでした。

2. コース

ストライクゾーンを広く使った

大谷翔平投手のベース上の位置
(2023年7月27日)

左右共にアウトコース、インコースの偏りがあまりなく、ストライクゾーンを広く使いました

やきゅまる
少し右打者にはアウトローが多かったね

3. 対左右成績

右打者に四死球3

大谷翔平投手の左右別成績
(2023年7月27日)

上図は今回2023年MLB右投手平均の左右別被OPSです。

左右共にほぼ完璧に抑えましたが、右打者には四死球を3個出しました。

やきゅまる
今季は右打者への四死球が多いね

4. 球種成績

見逃しが驚異の21個

大谷翔平投手の球種別成績
(2023年7月27日)

全体でストライク率64%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率51%(MLB平均48.5%)とそこまで高い数字ではありません。

空振りは13球(2023年平均が14球)と平均的ですが、見逃しが21球(2023年平均が5球)と驚異的な多さでした。

やきゅまる
特にストレートの見逃しストライクが多かったね

5. リリースポイント

今回はスライダーは横からのみ

大谷翔平投手のリリースポイント
(2023年7月27日)

左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均△はMLB平均です。

2022年よりリリース位置が低いです

今回はスライダーを上から投げず、横からのみでした。

6. 球速と回転数

平均球速156.1km/h、最高160.1km/h

大谷翔平投手の球速・回転数
(2023年7月27日)

上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均△はMLB平均を表しています。

ストレート平均球速156.1km/h最高球速160.1km/h回転数は2246回転でした。

やきゅまる
カットボールは球速が出てなかったね

平均球速は今季平均くらい

大谷翔平投手の日別平均球速・回転数
(2023年7月27日時点)

上は登板日別の平均球速と回転数の図です。

ストレート平均球速156.1km/hと特別に速いわけではなく、今季平均くらいでした。

回転数2246回転も今季平均並です。

やきゅまる
そこまで球速自体は調子が良かったわけではなさそう

終盤まで球速維持

大谷翔平投手の回別平均球速
(2023年7月27日)

上は球種ごとの回別平均球速です。

9回でも156.1km/hと球速を維持しました。

7. 回転軸と変化量

回転軸

大谷翔平投手の回転軸
(2023年7月27日)

上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。

やきゅまる
カットボールの回転軸がスライダーに近いね

スライダーは曲がりが小さい球が多い

大谷翔平投手の変化量
(2023年7月27日)

上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年△はMLB平均を表しています。

ストレートホップ成分が少ない球が多かったです。

フォークは5回以降は落ちずにノビていました。

カットボールはいつもより横変化量が多かったです。

やきゅまる
カットボールが曲がりの小さいスライダーみたいだったね

まとめ

大谷翔平投手の投球内容とコース
(2023年7月27日)
まとめ

①被打率.185はMLB1位
②スプリーム、縦スラは投球無し
③6球種(握りで球種を判定)
④ストレートを今季最多56%
⑤左打者にもストレートを多投
⑥全ての回で18球以下
⑦ストライクゾーンを広く使った
⑧見逃し21球と量産(2023年平均5球)
⑨空振り13球(2023年平均14球)
⑩今回はスライダーを上から投げなかった
⑪終盤まで球速維持
⑫ストレートはホップ成分が少ない球が多い
⑬フォークは5回以降落ちなかった
⑭カットボールの横変化量が多い


【ストレート】
平均球速153.1km/h
最高160.1km/h
平均2246回転
ホップ量32cm、シュート成分9cm

今回は「大谷翔平投手の2023年7月27日投球分析」を紹介しました。

9回を投げて111球、被安打1、四死球3、奪三振8、失点0MLBキャリア初完封9勝目

ストレート今季最多の56%と多投して見逃しストライクを量産しました。

次回登板予定はマリナーズ戦です。

やきゅまる
復調したから次回登板が楽しみ