第403回 【大谷翔平】6回自責0で10勝目(2023年8月9日ジャイアンツ戦)
2023年8月9日(日本時間8月10日)、大谷翔平投手(29)が本拠地エンゼルスタジアムでのジャイアンツ戦に「2番・投手兼DH」で投打同時出場。
6回を投げて97球、被安打3、四死球3、奪三振5、失点1(自責0)と好投して10勝目。
前回とは異なりストレートの平均球速が153.7km/hと調子が良くなかったですが、スライダーを37%と多投してジャイアンツ打線を封じました。
これで今季の被打率.185はMLB1位、奪三振率11.4はア・リーグ2位です(8月9日時点)。
今回はそんな「大谷翔平投手の2023年8月9日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
前回と似た球種割合
今回はストレート、ツーシーム、スプリーム、フォーク、カットボール、縦スラ、スライダー、カーブの8球種を投球しました。
前回と似た球種割合で、スライダーを37%と多投しました。
ツーシームは投球しませんでした。
※当ブログでは握りが違う「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
※大谷翔平投手の球種は多彩すぎてトラックマンデータも球種を誤判定していたので、握りで球種を再判別しました。大谷翔平投手本人が語ってるようにMLB公式の球種判別は間違っていることがあるみたいです。
右打者に縦スラを多投
上は2022年、下は今回の左右投球割合です。
右打者には縦スラを11%、左打者にはストレートを42%と多投しました。
2回だけ球数多い
2回は32球と球数が増えましたが、他の回は16球以下と球数を少なく抑えていました。
6回に急にフォークを多投しました。
2. コース
右打者のアウトコース、左打者のインローを攻めた
右打者のアウトコース、左打者にはインローを多投していました。
3. 対左右成績
左打者に打たれた
上図は今回、2023年、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
3安打とも左打者に打たれました。
4. 球種成績
見逃しが16個と多い
全体でストライク率61%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率45%(MLB平均48.5%)と、あまりストライク率は高くありませんでした。
空振りは11球(2023年平均が14球)と少なかったですが、見逃しが16球(2023年平均が6球)と驚異的な多さでした。
5. リリースポイント
フォークのリリース位置が低い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
2022年よりリリース位置が体に近く低いです。
またエクステンションが長く、球持ちが良かったです。
フォークのリリースがいつよより低かったです。
6. 球速と回転数
平均球速153.7km/h、最高157.6km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速153.7km/h、最高球速157.6km/h、回転数は2245回転でした。
平均球速は今季3番目に遅い
上は登板日別の平均球速と回転数の図です。
ストレートの平均球速153.7km/hと今季3番目に遅いです。
回転数2245回転は今季平均並です。
終盤まで球速維持
上は球種ごとの回別平均球速です。
ストレートは序盤から球速が出ていませんでしたが、6回まで球速を維持しました。
7. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
シュートライズ
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートがいつもよりシュートライズしてました。
カットボールは横変化量が大きかったです。
縦スラは縦変化量が小さかったです。
スライダーは安定して曲がりが小さかったです。
まとめ
①被打率.185はMLB1位
②7球種(握りで球種を判定)
③ツーシームは投球なし
④スライダーを37%と多投
⑤右打者には縦スラを11%、左打者にはストレートを42%と多投
⑥2回だけ球数多い
⑦右打者にアウトコース、左打者にインロー多投
⑧見逃しが16球(2023年平均6球)
⑨空振り11球(2023年平均14球)
⑩フォークのリリース位置が低い
⑪6回まで球速維持
⑫ストレートはシュートライズ
⑬カットボールは横変化量が大きい
⑭縦スラは変化量が小さい
⑮スライダーは変化量が小さい
【ストレート】
平均球速153.7km/h
最高157.6km/h
平均2245回転
ホップ量39cm、シュート成分16cm
今回は「大谷翔平投手の2023年8月9日投球分析」を紹介しました。
6回を投げて97球、被安打3、四死球3、奪三振5、失点1(自責0)と好投して10勝目。
前回とは異なりストレートの平均球速が153.7km/hと調子が良くなかったですが、スライダーを37%と多投してジャイアンツ打線を封じました。
次回登板予定はレッズ戦です。