第434回 【佐々木朗希】2023年の投球分析(成績・球種・球速・変化量など)

2024年2月9日

2023年は佐々木朗希投手の全試合の投球分析を記事にしましたが、2023年全体の総括をしていませんでしたので、今回は「【千葉ロッテ】佐々木朗希投手の投球分析(2023年総括)」を紹介します。

佐々木朗希投手の過去記事一覧

使用するデータはスポナビライブのデータです。

基本情報

経歴岩手県立大船渡高等学校
千葉ロッテマリーンズ (2020 – )
プロ入り2019年 ドラフト1位
ポジション先発
投打右投右打
生年月日2001年11月3日
身長190 cm → 192 cm
体重85 kg → 91 kg
基本情報

1. 年度別成績

多くの成績が右肩上がり

佐々木朗希投手の年度別成績

2023年は
9勝4敗→7勝4敗
防御率 2.02→1.78
WHIP 0.80→0.75
被打率 .177→.161
被OPS .495→.422
奪三振率 12.0→13.4
与四死球率 2.1→2.2
昨年から多くの成績がさらに向上しました。

特に平均球速159.1km/hは異次元の投球でした。

被長打率が.208とほぼ2割で、被安打の51本中40本が単打と長打をほとんど打たれていません

やきゅまる
やきゅまる
2024年はさらにとんでもない成績を残しそう

2. 球種・投球割合

スライダーの投球割合が増加

佐々木朗希投手の日別球種割合(2023年)
佐々木朗希投手の日別球種割合
(2023年)
佐々木朗希投手の日別球種割合
(2023年)
佐々木朗希投手の日別球種割合
(2023年)

2023年はチェンジアップは投げず、カーブも2球しか投げませんでした。

2022年に比べてストレートの投球割合が減少(56%→50%)しました。

その分スライダーの投球割合が増加(5%→14%)しました。

日別投球割合はスライダーが日によって割合が異なりました(2%〜30%)

やきゅまる
やきゅまる
左打者が多いかで、スライダーが多い日と少ない日があったね

右打者にはスライダー、左打者にはフォークを多投

佐々木朗希投手の対左右球種割合(2023年)
佐々木朗希投手の対左右球種割合
(2023年)

2022年同様に右打者にはスライダー左打者にはフォークの比率が高いです。

左右共にカーブが減った分、スライダーが増えました

さらに右打者にはストレートが減った分、スライダーが増えました

やきゅまる
やきゅまる
長いシーズンを考えると、ストレートの割合をもう少し減らしたいね

3. コース別

フォークの制球が良い

佐々木朗希投手のコース別投球数
(2023年)
佐々木朗希投手のコース別空振数(2023年)
佐々木朗希投手のコース別空振数(2023年)

ストレート右打者はアウトハイ左打者は高めへの投球が多いです。高さが2022年は真ん中付近が多かったですが、2023年は高めへの投球が増加しました。

フォーク右打者にはアウトロー左打者には低めへの投球が多いです。

スライダー右打者のアウトローへの投球が多いです。左打者はインローも多いですが、高めに浮くことが多いです。

やきゅまる
やきゅまる
スライダーの制球はもう少し向上させたいね

低めボールゾーンは0安打

佐々木朗希投手のコース別成績(2023年)
佐々木朗希投手のコース別成績
(2023年)

右打者にはアウトハイを打たれています。

左右ともにに低めボールゾーンは0安打です。

やきゅまる
やきゅまる
左打者はややインハイを打たれたかな?くらい

4. 対左右成績

左打者への成績が向上

佐々木朗希投手の対左右成績(2023年)
佐々木朗希投手の対左右成績
(2023年)

□と△は2022年の対左右成績です。

左打者の被打率.137被OPS.357左打者の方が成績が向上しました。

やきゅまる
やきゅまる
左右ともに奪三振率が異次元

5. 得点圏成績

対ピンチ×

佐々木朗希投手の得点圏成績(2023年)
佐々木朗希投手の得点圏成績
(2023年)

2021年に比べると2022年は得点圏被打率が向上(.288→.175)しており、対ピンチに弱いのを克服しました。

しかし、2023年は得点圏被打率が悪化(.175→.255)しており、また対ピンチに弱くなりました

やきゅまる
やきゅまる
得点圏の成績が良くなれば隙が無くなるね

6. ホームアウェイ成績

ホーム○

佐々木朗希投手のホームアウェイ成績(2023年)
佐々木朗希投手のホームアウェイ成績
(2023年)

ホームの被打率.128被OPS.315防御率0.73圧倒的にホームに強いです。

やきゅまる
やきゅまる
登板数も増えればアウェイのマウンドにも慣れるかもね

7. 球種別成績

3球種とも素晴らしい

佐々木朗希投手の球種別成績(2023年)
佐々木朗希投手の球種別成績
(2023年)

ストレートが被打率.229フォークが被打率.097スライダーが被打率.188と素晴らしい数字です。

ストレートストライク率72%ゾーン内率66%とゾーン内でストライクを取れています。

フォーク空振率30%かつストライク率67%とボール球も多く空振りを奪っています。

スライダーは空振率19%と高く、右打者には被打率.179しか打たれませんでした。

やきゅまる
やきゅまる
もう少しスライダーのストライク率を高めたいね

8. 日別・年別・走者別の平均球速

平均159.1m/h、最高165km/h

佐々木朗希投手の日別球速(2023年)
佐々木朗希投手の日別球速
(2023年)
佐々木朗希投手の年別球速(2023年時点)
佐々木朗希投手の年別球速
(2023年時点)

7月12日までは平均球速が160km/hを超える試合が3度もありましたが、7月24日に左脇腹の肉離れで故障すると9月17日までは平均球速が2-5km/hも低下しました。ただ最終登板の10月14日は平均球速159.4km/hまで復調しました。

2023年シーズンの平均球速は159.1km/hで、最高は165km/hと過去最高でした。

走者有無の球速は2021年は「走者あり」だと1.2km/h落ちていましたが、2022年と2023年は走者の有無で球速が変わりませんでした。

やきゅまる
やきゅまる
年間維持出来るようになって欲しいね

9. 球速帯

ストレートは3球以外はMLB平均以上

佐々木朗希投手の球速帯(2023年)
佐々木朗希投手の球速帯
(2023年)

ストレート3球以外がMLB平均以上と脅威的な球速でした。

フォークスライダーはどちらも140km/h前半の投球が多かったです。

やきゅまる
やきゅまる
「150km/h前後」の球が少ないので、カットボールを習得したら面白そう

9. ストレート球速別被打率

ストレートは球速が速い方が打たれない

佐々木朗希投手のストレート球速別成績(2023年)
佐々木朗希投手のストレート球速別成績
(2023年)

ストレートは球速が上がるにつれて被打率が下がっています。また奪三振も増加しています。

160km/h以上では被打率.150被本塁打060打数中25個の三振を奪っています。

やきゅまる
やきゅまる
常時160km/h以上をキープ出来ればさらに打たれなくなりそう

10. 回別の平均球速

9回まで球速維持

佐々木朗希投手の回別平均球速(2023年)
佐々木朗希投手の回別平均球速
(2023年)

2021年は初回が154.2km/hで、5回は150.9km/hまで球速が落ちてしまっていました。

しかし、2023年は9回まで159km/h前後を維持しています。

やきゅまる
やきゅまる
あとは年間で球速を維持したいね

11. 回転数(WBC)

ストレートは回転数多い

佐々木朗希投手の球速・回転数(WBC2023)
佐々木朗希投手の球速・回転数
(WBC2023)

ストレート平均2351回転と回転数が多いです。

フォーク平均回転数995回転でNPB平均やMLB平均を大きく下回っていて、これが落差の大きい変化を生んでいると考えられます。

スライダーは「高速で回転数が多い縦スラ」と「スライダー(スイーパー)」を投球していた可能性があるので分けました。

12. 変化量(WBC)

ストレートはシュートライズ

佐々木朗希投手の変化量(WBC2023)
佐々木朗希投手の変化量
(WBC2023)

ストレートはホップ成分とシュート成分が多いシュートライズです。回転効率が良いと考えられます。

フォークシュート成分が少なく落差が大きいです。

「高速で回転数が多い縦スラ」は横変化量が小さいです。

スライダー(スイーパー)」も横変化量が小さいです。

やきゅまる
やきゅまる
スライダー(スイーパー)はまだまだ進化しそうだね

まとめ

まとめ

【年度別成績】
①ほとんどの成績が右肩上がり
②2023年は
 7勝4敗
 防御率 2.02→1.78
 WHIP 0.80→0.75
 被打率 .177→.161
 被OPS .495→.422
 奪三振率 12.0→13.4
 与四死球率 2.1→2.2
③被長打率.208と低い
(40単打/51安打)
④被本塁打が1本のみ

【球種割合】
①スライダーの投球割合が増加
(5%→14%)
②カーブは2球のみ
③右にスライダー、左にフォークの比率増加
⇒ただ今年は左打者にもスライダーを投球

【コース】
①ストレートは右打者アウトハイ、左打者高め
 ⇒空振りはアウトハイが多い
②フォークとスライダーは右打者アウトロー、左打者インロー
 ⇒スライダーは左打者の高めに抜け気味
③右打者にはアウトハイ×
④低めボールゾーンは0安打

【対左右・得点圏成績・ホーム】
①左打者の成績向上
 (左被打率.184→.137)
②対ピンチの成績悪化
 (得点圏被打率175→.255)
③ホーム○
 被打率.128
 被OPS.315
 防御率0.73

【球種別成績】
①ストレート被打率.229
 フォークが被打率.097
 スライダーが被打率.188
②ストレートはゾーン内で勝負出来てる
(ストライク率72%、ゾーン内率66%)
③フォークはボール球を振らせてる
(空振率30%、ストライク率67%)
④スライダー空振率19%と高く、右被打率.179

【球速】
①平均球速は159.1km/h
 ⇒MLB先発4位相当
②最高165km/h(日本人最速タイ)
③故障で2-5km/h低下
④走者有無で球速変化なし
⑤ストレートは3球以外がMLB平均以上
⑥160km/h以上の成績○
⑦9回まで球速維持

【WBCでの回転数・変化量】
①ストレートは2351回転と多い
②フォークは995回転と少ない
③スライダーは縦スラ、スイーパーの2種類?
④ストレートはシュートライズ
⑤フォークはシュート成分少なく落差大
⑥スライダーは横変化量小

やきゅまる
やきゅまる
シュートライズなストレートだから、カットボールを覚えたら投球がもっと楽になりそう