第172回 【日本ハム】2022年新外国人アルカンタラ選手の打撃分析
2021年12月10日、日本ハムが前サンフランシスコ・ジャイアンツ所属のアリスメンディ・アルカンタラ内外野手 (30)を獲得したと発表しました。
そのため、今回は「【日本ハム】2022年新外国人アルカンタラ選手の打撃分析」を紹介します。
使用するデータはBaseball SavantとFanGraphsです。
基本情報
直近4年はメジャー昇格無し
所属球団 | シカゴ・カブス (2014 – 2015) オークランド・アスレチックス (2016) シンシナティ・レッズ (2017) |
ポジション | 内野手、外野手 |
投打 | 右投両打 |
生年月日 | 1991年10月29日(30歳) |
身長 | 177.8 cm |
体重 | 77.1 kg |
3Aでは安定した打撃成績
MLBでは4年間で通算打率.189、本塁打11本、OPS.550とほとんど打てず、三振が非常に多く、四死球も非常に少ないです。
3Aでは6年間で通算打率.276、本塁打81本、OPS.823と安定した活躍をしていて、四死球と三振も平均くらいです。
特筆すべきなのは、三塁打が3Aの6年で48本(年平均8本)と非常に多く、盗塁も96個(年平均16個)しています。
今季リーグトップの大谷翔平選手が155試合で三塁打8本であったことを考えると、この三塁打の多さからも高い走力を持っていることが分かります。
走力が武器のユーティリティ
2017年の一塁への到達タイム、スプリントスピードは非常に優秀で、とても走力がある選手です。
MLBでは投手、捕手、一塁以外は守ったことがあるユーティリティプレイヤーで、主な守備位置は二塁と中堅です。
守備機会が少ないですが、三塁は自慢の走力を上手く使えず、守備範囲が狭くなっており苦手そうです。
それ以外のポジションは守備範囲が広く、守備は平均以上は期待出来そうです。
左打席(対右投手)の方が打撃が荒い
対左右の投手で打率、OPSとそれほど差はありません。ただ、左打席(対右投手)の方が四死球が少なく、三振率が高い反面、長打率が高く、打撃が荒いです。
チェンスにはやや強い
得点圏の方が打率、OPS共にやや高く、チャンスにはやや強い打者です。
1ストライクの状況に強い
カウント別の成績を見ると、1ストライクの状況だと全て3割以上と非常に強いです。特に「2ボール-1ストライク」のバッティングカウントは、打率.474で4本塁打と無類の強さです。
選球眼×
右打席では高めよりも低めの方が打数が多いので、低めが好きそうです。
左打席はインハイからアウトローのラインは苦手です。またボールゾーンの打数が非常に多いことから、選球眼はあまり良く無さそうです。
ツーシームは得意だが、変化球は苦手
ストレート、変化球全般の成績が良くないですが、ツーシームだけ打率.319と得意にしています。
140~155km/hの成績は悪くない
NPBでは投球が多い140~155km/hの成績は悪くなく、3Aでも好成績を残していることから、意外と日本の球速帯には合う可能性があります。
ただし、140km/h以下は壊滅的な成績なので、変化球の対応が課題になりそうです。
プルヒッター
右打席では引っ張り率47%、左打席では引っ張り率56%とどちらもプルヒッターです。特に左打席は本塁打も全てライト方向とかなりのプルヒッターです。
打球速度はやや遅く、角度は低い
打球速度はやや遅く、角度は低いので、バレル率も3.2%と低い値です。
ゴロキング
ゴロ率55%と非常に高いゴロキングです。
まとめ
①走力が武器の両打ちユーティリティ
②直近4年はメジャー昇格無し
③3Aでは走攻守で安定して活躍
④左打席の方が打撃が荒い
⑤チェンスにはやや強い
⑥1ストライクの状況に強い
⑦選球眼×
⑧ツーシームは得意
⑨140~155km/hの成績は悪くない
⑩プルヒッター
⑪打球速度はやや遅く、角度は低い
⑫ゴロキング
今回は「【日本ハム】2022年新外国人アルカンタラ選手の打撃分析」を紹介しました。
MLBでは4年間で通算打率.189、本塁打11本、OPS.550とほとんど打てず、三振が非常に多く、四死球も非常に少ないです。
一方、3Aでは6年間で通算打率.276、本塁打81本、OPS.823と安定した活躍をしていて、四死球と三振も平均くらいです。
最大の武器は走力で、三塁打が3Aの6年で48本(年平均8本)と非常に多く、盗塁も96個(年平均16個)しています。また、MLBでは投手、捕手、一塁以外は守ったことがあるユーティリティプレイヤーでもあります。
両打ちですが、左打席の方が選球眼が悪いプルヒッターで、打撃が荒いです。
NPBでは投球が多い140~155km/hの成績は悪くなく、3Aでも好成績を残していることから、意外と日本の球速帯には合う可能性はあります。