第209回 【ナックル】ナックルボーラーの現状（2022年）
2021年度ドラフトで、ナックルボーラーの坂田 怜投手が広島カープから育成ドラフト4位で指名されたことが話題になりました。
そこで今回は「ナックルボーラーの現状（2022年）」を紹介します。
1. MLB
近年のナックルは敗戦処理の野手が投げることが多く、純粋なナックルボーラーは「R.A.ディッキー投手」「スティーブン・ライト投手」「イアン・フィアベンド投手」「ミッキー・ジャニス投手」の4人だけです。
2022年現在、引退やFAなどでMLBは0人になりそうです。
①R.A.ディッキー投手（47歳）
R.A.ディッキー投手（47歳）は2012年にサイ・ヤング賞、最多奪三振を記録したナックルボーラーを代表する投手。
しかし、2017年シーズン終了後に引退しました。
②スティーブン・ライト投手（37歳）
スティーブン・ライト投手（37歳）は2016年にはオールスター選出されましたが、その後は故障などによりフェードアウト。
2021年は3Aでの登板のみでした。3Aでは18試合で4勝7敗1S、防御率6.68の成績でした。
③ライアン・フィアベンド投手（36歳）
ライアン・フィアベンド投手は（36歳）は2014年まではメジャーとマイナーを行き来していましたが、この頃はナックルボーラーではありませんでした。
2015年〜2018年はKBO（韓国リーグ）で4年間先発でプレーし、83試合で28勝34敗、防御率4.09の成績でした。本格的にナックルボーラーとなった2017年は最優秀防御率を受賞しています。
2019年はブルージェイズとマイナー契約をして、MLBには2試合登板して、防御率11.12でした。
2020年は台湾、2021年は米独立リーグでプレーしました。米独立リーグでは18試合に登板し、8勝5敗、防御率2.80の成績でしたが、シーズン終了後に引退しました。
④ミッキー・ジャニス投手（34歳）
ミッキー・ジャニス投手（34歳）はオリオールズで2021年6月23日に念願のメジャーデビューを果たしました。しかし、登板はこの1試合のみで3回1/3を投げて防御率18.90と打たれました。
現在はFAで所属先を探している状況です。
2. プロ野球
2021年のプロ野球（NPB）のナックルボーラーは広島の佐々木 健投手だけでしたが、オフに戦力外。代わりに広島に育成ドラフト4位で坂田 怜投手が入団しました。
横浜の山崎 康晃投手は、プロ入り時はナックルをアクセントで投げると言われていましたが、他の球種に悪影響が出るためほぼ封印しました。現在はオールスターで投げる程度です。
独立リーグまで広げると火の国サラマンダーズの佐野 大河投手がいます。
①佐々木 健投手（22歳）
佐々木 健投手（22歳）は2018年育成ドラフトで入団し、2020年からナックルを習得してナックルボーラーになろうとしました。
2021年は二軍公式戦に自己最多の4試合登板しましたが、防御率6.75と結果を残せずに戦力外。
1月の報知の記事によると、静岡の実業団から野手としてオファーがあり、熟考中みたいです。
②坂田 怜投手（22歳）
坂田 怜投手（22歳）は本格派投手として成長していた20年春に「バルサルバ洞動脈瘤破裂」で心臓手術。
復帰後、上半身をひねる動作が出来ず、最速が１４３キロから１３０キロ台まで低下。苦しんでいる時に、大学の監督の助言によりナックルボーラーに転身しました。
公式戦の実績はそれほどありませんでしたが、広島カープから2021年育成ドラフト4位で指名されて入団しました。
③佐野 大河投手（23歳）
佐野 大河投手（23歳）は千葉大学時代に投球動画で「ナックル大学生」として話題になった投手。
現在は独立リーグの火の国サラマンダーズからプロ野球（NPB）入りを狙っています。
2021年は13試合に登板して、2勝2ホールド、防御率2.08と好成績を残しました。
まとめ
今回は「ナックルボーラーの現状（2022年）」を紹介しました。
2021年のMLBではジャニス投手が1試合登板しましたが、ボコボコに打たれてFAになりました。また3Aでもライト投手が打たれたので、MLBではナックルボーラーは絶滅の危機です。
一方、NPBでは2021年度ドラフトで、ナックルボーラーの坂田 怜投手が広島カープから育成ドラフト4位で指名されたことが話題になりました。また、独立リーグから佐野 大河投手がプロ野球（NPB）入りを狙っています。
坂田 怜投手が今年活躍出来るかが今後のナックルボーラーの命運を左右しそうです。