第87回 【球種分析】ストレートはホップした方が良いのか?(トラックマンデータで検証)

2021年11月22日

ストレートはホップした方が良いのか?

ホップ成分について色々な意見を聞くことがありますが、それぞれの意見は本当なのでしょうか?

ということで、今回は「ストレートのホップ成分」について検証します。

使用したデータはBaseball Savantの2020年右投手のトラックマンデータです。今回は左右差の影響が無いように右投手のみにしました。


検証方法

ホップ成分別ストレート変化量
ホップ成分別ストレート変化量

上図のように、ストレートをホップ成分量別に8グループに分けました。

ただし、「RyanThompson」「Darren」「AdamCimber」「TylerRogers」の4投手は、サイドスローやアンダースローの特殊なフォームなので今回は省きました。

このホップ成分量別の8グループについて検証していきたいと思います。

検証①「浮き上がるストレートは空振率、見逃率が高い」

ホップ成分別ストレート空振率
ホップ成分別ストレート空振率
ホップ成分別ストレート見逃率
ホップ成分別ストレート見逃率

上図はホップ成分別の空振率と見逃率で、明らかにホップ成分が多くなると空振率と見逃率が上昇しています。

検証①の結果「〇」

浮き上がるストレートは空振率、見逃率が高い

検証②「沈むストレートは長打が打たれにくい」

ホップ成分別リスク管理
ホップ成分別リスク管理

上図はホップ成分別のリスク管理の図です。図の右側の長打の割合を見ると、平均の40cm付近が長打の割合が多く沈むストレートは長打が打たれにくいことが分かります。

ただし、ホップ成分が45cm以上の方が長打の割合は少ないので、長打に関しては「浮き上がる>沈む>平均」と言えます。

検証②の結果「△」

浮き上がるストレートの方が長打が低いので、「沈むストレートは長打が打たれにくい」という意見は「△」

検証③「平均くらいのボールが一番打たれやすい」

ホップ成分別ストレート被打率
ホップ成分別ストレート被打率

上図はホップ成分別の被打率の図です。ホップ成分が多いほど被打率が低く、沈むストレートよりも平均40cm付近の方が被打率は低いです。そのため、被打率からは「平均くらいのボールが一番打たれやすい」言えません

ただし、前項のリスク管理では平均の40cm付近が長打の割合が多いです。「平均くらいのボールが一番長打を打たれやすい」とは言えます

検証③の結果「×」

沈むボールの方が打たれやすい

長打に関しては「〇」

平均くらいのボールが一番長打は打たれやすい

検証④「浮き上がるストレートは回転数が多く、球速が速い」

ホップ成分別ストレート被打率
ホップ成分別ストレート被打率

上図はホップ成分別の回転数と球速の図です。回転数に関してはホップ成分が上昇すると回転数も上昇しています。

球速はホップ成分が上昇すると、平均の40cm付近までは上昇しますが、40cm以上では逆に減速します。

検証④の結果「△」

回転数に関しては「〇」 球速に関しては「×」