第85回 【ダルビッシュ有】ツーシームの軌道シミュレーション

2023年2月9日

現地時間4月17日、ダルビッシュ投手はパドレス本拠地でのドジャース戦で、クレイトン・カーショー投手とハイレベルなエース対決を繰り広げました。

ダルビッシュ投手は7回1安打1失点9奪三振3四死球と好投しましたが、味方打線がカーショー投手の前に無得点に終わり、今季初の敗戦投手になりました。

この試合のダルビッシュ投手の投球で話題になっているのが、「ツーシーム」です。

今回はその「ダルビッシュ投手のツーシーム(2021年4月17日)」について分析したので紹介します。

データはBaseball Savantを使用します。

やきゅまる
やきゅまる
ツーシームのみって、かなりマニアック

1. 左打者が避けたボールがど真ん中へ

6回2死に2-2からマンシー選手に投げたツーシームは、内角ボールから大きく変化してど真ん中に決まりました。

やきゅまる
やきゅまる
左投手のスライダーくらい変化してる!

2. 平均球速はストレート以上

ダルビッシュ有投手のツーシームの球速・回転数
ダルビッシュ有投手のツーシームの球速・回転数

ストレートの平均球速は2020年より3km/h近く遅かったですが、ツーシームの球速は2020年並みでした。そのため4月17日のツーシームの平均球速はストレートよりも1km/h速かったです。

3. 変化量はスライダー並

ダルビッシュ有投手のツーシームの変化量
ダルビッシュ有投手のツーシームの変化量

ツーシームの変化量は2020年より2021年(4月1日~12日)はホップ成分が増加していましたが、4月17日にはさらにシュート成分が10cm以上増加しました。

「ツーシームを多投するとストレートはシュートしやすくなる」と言われていますが、確かにストレートもシュート成分が増加しています。ホップ成分も増加していているので、ストレートはさらにシュートライズするようになりました。

やきゅまる
やきゅまる
ストレートもさらにシュートライズするようになったんだね

4. 曲がりすぎると「ボール」とコールされやすい

ダルビッシュ有投手のツーシームのベース上の位置
ダルビッシュ有投手のツーシームのベース上の位置

4月17日ツーシームのベース上の位置を見ると、それほど際どくないストライクゾーンのボールが「ボール」とコールされています。

大谷選手のスライダーなどもそうですが、変化が大きい変化球は「ボール」とコールされやすい傾向に感じます。審判も人間ですので、これは仕方ないかもしれません。

やきゅまる
やきゅまる
今度データを調べてみよう

5. ど真ん中のツーシームの軌道を再現

ダルビッシュ有投手のツーシームの軌道
ダルビッシュ有投手のツーシームの軌道
ダルビッシュ投手の軌道シミュレーション
ダルビッシュ投手の軌道シミュレーション

ど真ん中のツーシームの軌道、また投球割合の多いスラッターストレートを同じ角度に投げた時の軌道を計算しました。

ツーシームは左打者にしか投げていないので左打者をイメージすると、スラッター、ストレートは共にデッドボールになります。3球種とも左打者からすると、真っ直ぐ自分に向かってくる軌道です。

やきゅまる
やきゅまる
スラッター、ストレートの軌道が頭にあるんだから、そりゃ避けるよね

6. まとめ

まとめ

①ストレートよりも1km/h速い
②シュート成分が10cm以上増加
③ストレートもシュートライズ化
④「ボール」とコールされやすい
⑤ど真ん中のツーシームの軌道を再現

これまでのダルビッシュ投手の記事は下記になります。

おまけ

ストレートとツーシームを交互に表示する軌道シミュレーションも作成しました。

ダルビッシュ20210417_ストレート_ツーシーム
ダルビッシュ20210417_ストレート_ツーシーム