第225回 【佐々木朗希】完全試合、19奪三振、NPB新記録13者連続三振(2022年4月10日投球分析)
2022年4月10日、佐々木朗希投手が本拠地でオリックス戦(ZOZOマリン)で28年ぶりプロ野球史上16人目となる完全試合を達成しました。
1回吉田正尚選手から5回西村選手まで13者連続三振、64年ぶりに日本記録を更新しました。NPBの連続三振記録が「9」、MLBの連続三振記録がが「10」でしたが、それを「13」に大幅更新しました。
また、6回以降も走者を許さず、最後は代打・杉本選手を空振り三振。NPBタイ記録となる1試合19奪三振で、完全試合を達成。
今回はそんな「【千葉ロッテ】佐々木朗希投手の投球分析(2022年4月10日)」を紹介します。
使用するデータはスポナビライブのデータです。
1. 球種・投球割合
ストレートが61%、フォークが34%
今回もストレート、フォーク、スライダー、カーブの4球種です。
ただストレートが61%、フォークが34%とほぼ2球種でした。
左打者には3球種
右打者にはスライダーも投げましたが、左打者にはストレート、フォーク、カーブの3球種でした。
2. コース別
ストレートとフォークの制球が良かった
ストレートは右打者にはアウトコース中心、左打者にはゾーンを広く使っていました。
フォークは左右ともにアウトローでした。
右にはアウトコース、左には低め
右にはアウトコース、左には低めを中心に三振を奪いました。
特徴的なのは右打者のアウトローのボール球で4つ三振を奪っていることです。これは全てフォークですが、今年から大谷翔平投手のようなジャイロ回転のフォークを多投していて、スライドしながら落ちているので、このゾーンでも三振を奪えています。
3. 各成績
左右関係ない
左右ともに関係なく、三振を奪いました。
フォークは36球中21球空振り
ストレートは意外にも空振りが2しかなく、ほとんどが見逃し(19個)とファウル(24個)でした。ストライクゾーン内率が77%と驚異的な数字です。
フォークは36球中21球空振り、15奪三振と無敵状態でした。ストライクゾーン内率も56%と高かったです。
4. 球速
平均159.8km/h、最高164km/h
今回もストレートは平均球速159.8km/h、最高球速164km/hでした。
平均球速はNPB先発歴代2位という驚異的な数字でした。
ちなみに1位は2014年10月5日の159.9km/hの大谷翔平選手です。
フォークは最速149km/h
ストレートは64球中35球が160km/h超えでした。
フォークも最速149km/h、平均146.2km/hと、全球140km/h以上と高速でした。
カーブは最遅124km/hで、ストレートとの最大球速差は40km/hと緩急がつけれていました。
松川捕手が試合後に語ったように、特に4回の吉田正尚選手との初球、2球目とカーブでタイミングを外したのは、この試合の大きなターニングポイントでした。
9回でも平均158.0km/h
ストレートは初回は160.8km/hで、5回でも同じ球速でした。6回からは徐々に球速が落ちていますが、9回でも平均158.0km/hと急激に落ちることはありませんでした。
また9回146.0km/hとフォークも球速がほとんど変わらなかったのも、大きかったと思います。
まとめ
①平均159.8km/h(NPB先発歴代2位)
②最高164km/h
③フォークも最速149km/h
④ストレートが61%、フォークが34%
⑤右にはアウトコース、左には低め
⑥フォークは36球中21球空振り
⑦9回でも平均158.0km/h
今回は「【千葉ロッテ】佐々木朗希投手の投球分析(2022年4月10日)」を紹介しました。
28年ぶりの完全試合、NPB記録タイの19奪三振、NPB新記録の13者連続三振と記録づくめの投球でした。
ストレートが61%、フォークが34%とほぼ2球種でしたが、右にはアウトコース、左には低めと制球が抜群でした。特にフォークは36球中21球空振りと圧倒的でした。
ストレートは平均球速159.8km/h、最高球速164km/hで、9回でも平均158.0km/hと最後まで球威が持続しました。
34イニング連続奪三振も継続中なので、サファテ選手の43イニング連続を更新出来るのか今後の投球も楽しみです。