第304回 【巨人】2023年新外国人ヨハンダー・メンデス投手の投球分析
2022年11月29日、巨人が新外国人選手としてメキシカンリーグのヨハンダー・メンデス投手(27)を獲得調査していると複数の報道機関で報道されました。
その後12月12日、巨人が来季の選手契約を結ぶことについて合意したと発表しました。単年契約で推定年俸は約4000万円で背番号は「65」。
メンデス投手は打高投低が顕著なメキシカンリーグで防御率2.78で最優秀防御率のタイトルを獲得した長身の大型左腕です。
今回はそんな「【巨人】2023年新外国人ヨハンダー・メンデス投手の投球分析」を紹介します。
Baseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 基本情報
デニー友利スカウトの掘り出し物
所属球団 | テキサス・レンジャーズ (2016-2019) メキシカンリーグ(2021-2022) |
ポジション | 先発 |
投打 | 左投左打 |
生年月日 | 1995年1月17日(27歳) |
身長 | 195.6 cm |
体重 | 90.7 kg |
ポップフライボーラー
MLB通算では20試合に登板して防御率6.23、被打率.270、奪三振率6.2、与四死球率4.9。
ポップフライ率が12%(MLB平均7%)と高いポップフライボーラーです。
3A通算では24試合に登板して防御率3.71、被打率.223、奪三振率8.1、与四死球率4.3。
今季メキシカンリーグでは15試合に登板して7勝0敗、防御率2.78、被打率.249、奪三振率7.4、与四死球率3.3で最優秀防御率のタイトルを獲得。
投手としての特徴は「球速が速い」「ボールの出処が見にくい」「被本塁打が少ない」などがあげられます。
2. 球種・投球割合
持ち球は5球種
持ち球はストレート、ツーシーム、チェンジアップ、スライダー、カーブの5球種です。
ただし、2019年は投球数が少なかったので軸となるストレート、チェンジアップ、スライダーの3球種のみでした。
左右ともに5球種をバランスよく投球
上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。
右打者にはチェンジアップ、左打者にはスライダーの割合が少し多いですが、左右ともに5球種をバランスよく投球しています。
ボールが先行しても偏りが少ない
左右共に5球種をバランスよく決め球に使用しています。
またボールが先行しても特定の球種に偏っていません。
3. コース
低めのチェンジアップで多く空振り
ストレートは高めへの投球が多いです
一方、チェンジアップは低めへの投球が多く、低めで多くの空振りを奪っています。
どの球種も際どいコースへの投球が少ないことから、細かいコントロールはあまり無さそうです。
左右ともにアウトロー〇
左右共にアウトローの成績が良いです。
4. 各成績
右打者の方が得意
右打者の被打率.256、被OPS.811と左打者に比べると右打者の方が得意です。
対ピンチに弱い
得点圏の被打率.429、被OPS1.133と高く、対ピンチに弱いです。
右打者にツーシームが優秀
左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。
被打率と被OPS的にツーシームが1番低く、特に右打者に優秀です。ただし、ゾーン内率35%と制球には課題がありそうです。
チェンジアップは被打率は高いですが被長打が少なく、18%と高い空振率で優秀なボールです。
全体のゾーン内率47%と低く、ストライク率は57%と低いです。
5. リリースポイント
リリースが見にくい
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。
MLB平均よりリリースは約10cm体に近くて高いです。テイクバックも小さいので打者からはリリースが見にくい投球フォームです。
エクステンションは少し球離れが早いです。
球種間のリリース位置の差が小さいので、打者は見極めにくいと考えられます。
6. 球速と回転数
平均球速148.8km/h、最高153.4km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。
ストレートの平均球速は148.8km/hでNPB先発左腕としてはトップレベルです。回転数は2101回転と回転数が少ないです。
チェンジアップは平均球速と回転数ともにMLB平均くらいです。
スライダーとカーブはMLB平均より速く、回転数が少ないです。
平均150km/h以上も期待出来る
2016年〜2018年は平均球速149km/h前後でしたが、2019年は平均球速は150.8km/hでした。
7. 変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
スライダー、カーブは変化量小
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、△はMLB平均を表しています。
ストレートとツーシームは縦変化量、シュート成分ともにMLB平均くらいの変化量です。
チェンジアップはシュート成分が少なく、スプリットに近い変化量です
スライダーは縦横ともに変化量が小さいです。
カーブはMLB平均より20cm近くも変化量が小さいです。
まとめ
①今季のメキシカンリーグ最優秀防御率
②ポップフライ率が12%(MLB平均7%)
③被本塁打が少ない
④5球種をバランスよく投球
⑤アウトロー〇
⑥右打者の方が得意
⑦ピンチに弱い
⑧ツーシームの被打率が低い
⇒ただしゾーン内率35%と制球に課題
⑨チェンジアップの空振率18%
⑩リリースが見にくい
⑪リリースの球種間の差が小さい
⑫平均球速148.8km/h、最高153.4km/h
⑬球速は年々上昇傾向
⑭ストレートとツーシームはチェンジアップは変化量が平均並
⑮スライダーとカーブは変化量が小さい
メンデス投手は打高投低が顕著なメキシカンリーグで防御率2.78で最優秀防御率のタイトルを獲得した長身の大型左腕です。
MLB通算では20試合に登板して防御率6.23、被打率.270、奪三振率6.2、与四死球率4.9。
ポップフライ率が12%(MLB平均7%)と高いポップフライボーラーです。
3A通算では24試合に登板して防御率3.71、被打率.223、奪三振率8.1、与四死球率4.3。
今季メキシカンリーグでは15試合に登板して7勝0敗、防御率2.78、被打率.249、奪三振率7.4、与四死球率3.3。
投手としての特徴は「球速が速い」「ボールの出処が見にくい」「被本塁打が少ない」などがあげられます。
ストレートの平均球速は148.8km/hでNPB先発左腕としてトップレベルで年々上昇傾向です。