第323回 【侍ジャパン】ラーズ・ヌートバー選手の打撃分析(2022年)
2023年1月11日、侍ジャパンの栗山英樹監督はカージナルスのリードオフネットのラーズ・ヌートバー外野手(25)のWBC日本代表入りが内定したことを明言しました。
ヌートバー選手は母親が日本人で出場資格を満たしており、日系選手としては初の侍ジャパン入りとなります。
2021年6月にMLBデビューを飾ったばかりですが、走攻守のデータがMLB上位レベルの超有望株の外野手です。
今回はそんな「【【侍ジャパン】ラーズ・ヌートバー選手の打撃分析(2022年)」を紹介します。
使用するデータはBaseball SavantとFanGraphsです。
1. 基本情報
打席に入ると「ヌーート!」と声援を送られる人気者
所属球団 | セントルイス・カージナルス (2021-2022) |
ポジション | 右翼、中堅、左翼 |
投打 | 右投左打 |
生年月日 | 1997年9月8日(25歳) |
身長 | 190.5 cm |
体重 | 95.3 kg |
ハンカチ世代の高校日本代表の米国遠征時、一部の選手を預かるホストファミリーがカリフォルニア州のヌートバー家だったみたいです。
2. 年度成績
四死球率が驚異の15%
今季MLBで108試合、打率.228、14本塁打、OPS.788。
打率は低いですが四死球率は脅威の15%と高く出塁率.340もあります。3A通算でも四死球率14%と高いことから選球眼が非常に良い選手です。
打撃の特徴は「四死球が多い」「三振が少ない」「左投手が得意」「プルヒッター」「コンタクト能力は低い」「速球が得意」「打球速度が速い」などが挙げられます。
肩・守備・走力もレベルが高い
守備はメインが右翼で、中堅と左翼も守れます。
最速96.7mph(154.7km/h)の強肩で、外野手部門でMLB11位の補殺数8でした。
「一塁までの到達タイム」「スプリントスピード」から走力はMLB上位レベルと考えられますが、盗塁は少ないです。
3. 月別成績
7月以降が本来の実力?
6月までは打撃が振るわず、3A落ちも経験しました。
しかし、7月以降は77試合で12本塁打、出塁率.374を記録、同期間で大谷選手に次ぐMLB14位のOPS.881を記録しました。
4. 対左右成績
左投手が得意
対左投手の打率.273、OPS.846と左投手を得意としてます。
成績が向上した7月以降も左投手に対して打率.292、OPS.917と打ちました。
ただし本塁打率は右投手の方が高いです。
5. 得点圏成績
チャンスはやや得意
得点圏打率.262とチャンスはやや得意です。
ただ長打率は低く、OPSは得点圏でそれほど上がっていません。
ただし7月以降の得点圏打率.341、OPS 1.046とチャンスでかなり打ちました。
6. カウント別成績
慎重打法
初球スイング率24.8%(MLB平均29.5%)と慎重なタイプですが、初球の打率が高いです。特に7月以降は初球打率.500でした。
ゾーンコンタクト率79.4%(MLB平均82.0%)とコンタクト能力は平均以下です。
7. コース別成績
ハイボールヒッター
左右ともに高めが得意なハイボールヒッターです。
右投手にはインハイ、左投手にはアウトハイの成績が良いです。
また高めのボールゾーンの打率が良い悪球打ちです。
8. 球種別成績
速球〇、緩急×
ストレート、カットボールなどの速球系は成績が良いです。
一方でカーブ、ナックルカーブなどの緩急系の成績が悪いです。
9. 打球方向別成績
プルヒッター
引っ張り方向の比率43.3%、本塁打9本とプルヒッターです。
10. 打球種類
ゴロが減れば成績向上
通算ではほぼMLB平均くらいの比率です。
ラインドライブの打球がやや少なく、フライとゴロが少し多いです。
6月まではゴロ率59%でしたが、成績が向上した7月以降はゴロ率43%とゴロが少なかったです。
11. 打球速度・角度
打球速度はMLBトップレベル
ヌートバー選手の平均打球速度は147.6km/h(91.7マイル)でMLB26位でMLBトップレベルした。またMAX打球速度もMLB平均以上です。
そのためバレル率は12.1%(MLB48位)とかなり高いです。ただ打球角度は低いので、打球角度が上がればもっとバレル率は高くなりそうです。
今オフにトレーニング施設「ドライブライン」で、最新バイオメカニクスを駆使したトレーニングに励んでおり、同施設を訪れた時に103.5マイルだった打球速度が109.2マイルまで上昇したとのことです。
まとめ
①母親が日本人
②今季MLBで108試合、打率.228、14本塁打、OPS.788
③7月以降はOPS.881(MLB14位)
④四死球率15%(MLB6位)
⑤三振が少ない
⑥最速154.7km/hの強肩
⑦外野守備は平均以上(全ポジでUZR+)
⑧走力はMLB上位レベル
⑨対左投手○(対左.273)
⑩チャンス○(7月以降の得点圏.341)
⑪慎重打法
⇒初球スイング率24.8%(MLB平均29.5%)
⑫初球○(7月以降は.500)
⑬コンタクト能力低い
⇒ゾーンコンタクト率79.4%(MLB平均82.0%)
⑭速球○、カットボール○
⑮緩急×(カーブ系苦手)
⑯プルヒッター
⑰ゴロが減れば成績向上
(6月まで59%→7月以降43%)
⑱平均打球速度147.6km/h(MLB26位)
⑲バレル率12.1%(MLB48位)
⑳今オフにMAX打球速度が上昇
(103.5マイル→109.2マイル)
2021年6月にMLBデビューを飾ったばかりですが、走攻守のデータがMLBトップクラスの超有望株の外野手です。
今季MLBで108試合、打率.228、14本塁打、OPS.788。
打率は低いですが四死球率は脅威の15%と高く出塁率.340もあります。3A通算でも四死球率14%と高いことから選球眼が非常に良い選手です。
打撃の特徴は「四死球が多い」「三振が少ない」「左投手が得意」「プルヒッター」「コンタクト能力は低い」「速球が得意」「打球速度が速い」などが挙げられます。
守備はメインが右翼で、中堅と左翼も守れます。最速96.7mph(154.7km/h)の強肩で、外野手部門でMLB11位の補殺数8でした。
「一塁までの到達タイム」「スプリントスピード」から走力はMLB上位レベルと考えられますが、盗塁は少ないです。