第322回 【千葉ロッテ】2023年新外国人ルイス・ペルドモ投手の投球分析

2023年2月9日

ルイス・ペルドモ投手の総評
ルイス・ペルドモ投手の総評

2023年1月13日、千葉ロッテが前ブリュワーズのルイス・ペルドモ投手(29)と合意したとドミニカ出身の記者によって報道されました。1年130万ドル(約1億6600万円)と出来高50万ドル(約6400万円)の契約内容とのことです。

ペルドモ投手は2019年に先発からリリーフに転向、2020年10月にトミー・ジョン(TJ)手術を受けてます。近年はストレートをほぼ投げず、ツーシームスプリットスライダー3球種でゴロを量産するグラウンドボーラーです。

今回はそんな「【千葉ロッテ】2023年新外国人ルイス・ペルドモ投手の投球分析」を紹介します。

Baseball SavantFanGraphsのデータを使用します。

2023年新外国人の記事一覧

1. 基本情報

2019年にリリーフ転向

所属球団サンディエゴ・パドレス (2016 – 2020)
ミルウォーキー・ブルワーズ (2022)
ポジションリリーフ、先発
投打右投右打
生年月日1993年5月9日(29歳)
身長188 cm
体重83.9 kg
基本情報

かなりのグラウンドボーラー

ルイス・ペルドモ投手の年度別成績
ルイス・ペルドモ投手の年度別成績
ルイス・ペルドモ投手の被打球種類(MLB2016-2022年)
ルイス・ペルドモ投手の被打球種類(MLB2016-2022年)

MLB通算で147試合に登板して防御率5.12被打率.289奪三振率6.6与四死球率3.6です。また通算のゴロ率が58%(MLB平均45%)とかなりのグラウンドボーラーです。

3A通算で48試合に登板して防御率3.44被打率.249奪三振率8.3与四死球率2.5でした。

MLBと3Aともに2022年は成績が良かったです。

投手としての特徴は「ゴロが多い」「被本塁打少ない」「与四死球少ない」「右打者が得意」「対ピンチに弱い」「先発とリリーフで球速変わらない」「球種間のリリース差が小さい」などがあげられます。

やきゅまる
やきゅまる
ゴロ率58%は凄いね

2. 球種・投球割合

近年は3球種

ルイス・ペルドモ投手の年別投球割合(MLB2016-2022年)
ルイス・ペルドモ投手の年別投球割合
(MLB2016-2022年)

持ち球はストレートツーシームスプリットカットボールチェンジアップスライダーカーブの6球種です。

ただし、近年はツーシームスプリットスライダーの3球種を主に投球しています。

やきゅまる
やきゅまる
ツーシーム、スプリット、スライダーのスリーピッチだね

右にスライダー、左にスプリットを多投

ルイス・ペルドモ投手の左右投球割合(MLB2022年)
ルイス・ペルドモ投手の左右投球割合
(MLB2022年)

上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。

右打者にはスライダー左打者にはスプリットを多投しています。

やきゅまる
やきゅまる
左打者にツーシームとスプリットの組み合わせはどうなんだろう

スライダーは決め球で多投

ルイス・ペルドモ投手のカウント状況別投球割合(MLB2022年)
ルイス・ペルドモ投手のカウント状況別投球割合
(MLB2022年)

スライダーを決め球で多く使用しています。

やきゅまる
やきゅまる
スプリットをカウント球でも使っているのは珍しいね

3. コース

右のアウトローにスライダー

ルイス・ペルドモ投手のベース上の位置(MLB2022年)
ルイス・ペルドモ投手のベース上の位置
(MLB2022年)

右打者のアウトローにスライダーの投球が多くて空振りも奪っています。

ツーシームスプリットは左右関係なくベース左下(捕手目線)への投球が多いです。

やきゅまる
やきゅまる
左打者のアウトローに偏っているね

右打者の低め〇

ルイス・ペルドモ投手のコース別成績(MLB2022年)
ルイス・ペルドモ投手のコース別成績
(MLB2022年)

右打者は低め左打者はインローの成績が良いです。

やきゅまる
やきゅまる
左打者はもっとインローに投げた方が良さそう

4. 各成績

対右打者が得意

ルイス・ペルドモ投手の対左右成績(MLB2022年)
ルイス・ペルドモ投手の対左右成績(MLB2022年)

右打者の被打率.207被OPS.648右打者が得意です。

3A通算でも右打者の被打率.243と対右打者の成績が良いです。

やきゅまる
やきゅまる
右打者にはかなり期待出来そう

対ピンチにやや弱い

ルイス・ペルドモ投手の得点圏成績(MLB2016-2022年)
ルイス・ペルドモ投手の得点圏成績
(MLB2016-2022年)

得点圏の被打率.299被OPS.868と、それ以外の場面より数字が高いので対ピンチにはやや弱いです。

スライダーの空振り率18%

ルイス・ペルドモ投手の球種別成績(MLB2016-2022年)
ルイス・ペルドモ投手の球種別成績
(MLB2016-2022年)

左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。

スライダーは空振率18%と高く右打者への成績が良いです。

スプリットは被OPS的には左打者への成績が良いです。

全体ではゾーン内率48%、ストライク率63%とまずまずの成績です。

やきゅまる
やきゅまる
カーブを左打者に投げても良いかもね

5. リリースポイント

球種間のリリース差が小さい

ルイス・ペルドモ投手のリリースポイント(MLB2022年)
ルイス・ペルドモ投手のリリースポイント
(MLB2022年)

左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。

MLB平均よりリリースは約15cm体から遠いです。

エクステンションは普通です。

球種間のリリース位置の差が小さいので、打者は見極めにくいと考えられます。

やきゅまる
やきゅまる
映像を見る限りは球種が見極めにくそう

6. 球速と回転数

平均球速150.9km/h、最高155.1km/h

ルイス・ペルドモ投手の球速・回転数(MLB2022年)
ルイス・ペルドモ投手の球速・回転数
(MLB2022年)

上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。

ツーシーム平均球速は150.9km/hとMLB平均くらいですが、NPBの先発としては速い方です。回転数は1986回転と少ないです。

スプリットは140.7km/hと高速ですが、1564回転と回転数は平均的です。

スライダーは球速はMLB平均くらいで、2332回転と回転数は少ないです。

やきゅまる
やきゅまる
意外とスライダーは回転数が少ないんだね

先発でもリリーフでも球速が変わらない

ルイス・ペルドモ投手の年別平均球速・回転数
ルイス・ペルドモ投手の年別平均球速・回転数

2019年にリリーフ転向しましたが、151km/hくらいで安定しています。このことから先発でもリリーフでも球速が変わらない投手と考えられます。

回転数は1950回転前後で安定しています。

やきゅまる
やきゅまる
球速だけを考えるなら先発の方が良さそう

7. 変化量

回転軸

ルイス・ペルドモ投手の回転軸(MLB2022年)
ルイス・ペルドモ投手の回転軸(MLB2022年)

上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。

シュート成分大

ルイス・ペルドモ投手の変化量(MLB2022年)
ルイス・ペルドモ投手の変化量
(MLB2022年)

上図は捕手側から見た球種別の変化量で、△はMLB平均を表しています。

ツーシームはシュート成分41cmと横変化量が大きいです。

スプリットもシュート成分39cmとかなり横変化量が大きいです。

スライダーは横変化量が小さく縦変化量が大きいです。

やきゅまる
やきゅまる
スプリットは変化量が不安定だね

まとめ

ルイス・ペルドモ投手の総評
ルイス・ペルドモ投手の総評
まとめ

①MLB通算で防御率5.12、被打率.289、奪三振率6.6、与四死球率3.6(147試合)
②2019年にリリーフ転向
③2020年にTJ手術
④グラウンドボーラー(ゴロ率58%)
⑤被本塁打が少ない
⑥与四死球少ない
⑦近年はほぼ3球種
⑧右にスライダー、左にスプリットを多投
⑨スプリットはカウント球でも使用
⑩右のアウトローにスライダー
⑪右打者は低め、左打者はインローの成績が良い
⑫右打者が得意(対右.207)
⑬対ピンチにやや弱い(得点圏.299)
⑭スライダーの空振り率18%
⑮リリースは体から遠く球種間の差が小さい
⑯平均球速150.9km/h、最高155.1km/h
⑰先発でも球速維持
⑱ツーシームとスプリットはシュート成分大
⑲スライダーは横変化量小、縦変化量大

ペルドモ投手は2019年に先発からリリーフに転向、2020年10月にトミー・ジョン(TJ)手術を受けてます。近年はストレートをほぼ投げず、ツーシームスプリットスライダー3球種でゴロを量産するグラウンドボーラーです。

MLB通算で147試合に登板して防御率5.12被打率.289奪三振率6.6与四死球率3.6です。また通算のゴロ率が61%(MLB平均45%)とかなりのグラウンドボーラーです

。3A通算で48試合に登板して防御率3.44被打率.249奪三振率8.3与四死球率2.5でした。

MLBと3Aともに2022年は成績が良かったです

。投手としての特徴は「ゴロが多い」「被本塁打少ない」「与四死球少ない」「右打者が得意」「対ピンチに弱い」「先発とリリーフで球速変わらない」「球種間のリリース差が小さい」などがあげられます。