第384回 【大谷翔平】6回2失点&22号で6勝目(2023年6月15日投球分析)
2023年6月15日(日本時間6月16日)、大谷翔平投手(28)が敵地グローブライフフィールドでのレンジャーズ戦に「2番・投手兼DH」で投打同時出場。
6回を投げて99球、被安打6、四死球1、奪三振3、失点2で6勝目。
制球が安定せず初回30球を投げるなど苦しい投球でした。
ストレートの平均球速157.3km/hと球速が出ていましたが、空振り5個のみでした。
これで被打率.178はMLB1位、奪三振率11.5はア・リーグ2位となりました(6月15日時点)。
打者としては特大の22号ツーランを放つなど12試合連続安打で打率が3割以上になりました。
今回はそんな「大谷翔平投手の2023年6月15日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
ツーシーム、スプリーム、フォークは投球無し
今回はストレート、カットボール、縦スラ、スライダー、カーブの5球種のみを投球しました。
ストレートは今季最多47%を投球しました。
今回はツーシーム、スプリーム、フォークは投球しませんでした。
あまりに多彩すぎてトラックマンデータも球種を誤判定していたので、握りで球種を再判別しました。
大谷翔平投手本人が語ってるようにMLB公式の球種判別は間違っていることがあるみたいです。
※当ブログでは握りが違う「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
右打者にストレートを多投
上は2022年、下は今回の左右投球割合です。
右打者にはストレートを多投しました。
左打者には5球種をバランスよく投球しました。
初回に30球
前回同様に制球が安定せず、初回に30球も投げてしまいました。
3回から投げたカーブは良いアクセントになってた印象です。
2. コース
右打者からスライダーで空振り無し
右打者からいつもは空振りを量産しているスライダーで空振りがありませんでした。
左打者にはストレートをインコースに多投していました。
3. 対左右成績
右のガルシア選手に打たれた
上図は今回、2023年、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
右打者に打たれましたが、2安打ともガルシア選手でした。
4. 球種成績
空振りが5個のみ
全体でストライク率63%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率56%(MLB平均48.5%)と、ゾーン内率が高いのにストライクが取れませんでした。
前回から空振りは12球→5球と減少しましたが、シーズン平均が14個なのでかなり空振りが少ないです。
5. リリースポイント
今回はスライダーは横からのみ
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
2022年よりリリース位置が体に近く低いです。また球持ちが良かったです。
今回はスライダーを上から投げず、横からのみでした。
6. 球速と回転数
平均球速157.3km/h、最高161.4km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速157.3km/h、最高球速161.4km/h、回転数は2285回転でした。
平均球速157.3km/hと今季4番目の速さ
上は登板日別の平均球速と回転数の図です。
ストレートの平均球速157.3km/hは今季4番目でした。
回転数も2285回転と今季平均、MLB平均くらいでした。
終盤に球速低下
上は球種ごとの回別平均球速です。
1回も平均158.0km/hと球速が出ていましたが、6回は平均154.3km/hと終盤は球速低下してました。
7. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
ストレートはたまにシュート
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートは大半はシュート成分が少なく真っスラでしたが、たまにシュート成分が多かったです。
縦スラは2022年より縦変化量が小さいです。
スライダー(スイーパー)は平均横変化量が35cmと、いつもより横変化量が小さかった。
まとめ
①被打率.178はMLB1位
②ツーシーム、スプリーム、フォークは無し
③5球種(握りで球種を判定)
④ストレートは今季最多47%
⑤右打者にスライダー30%と少ない
⑥初回に30球も投球
⑦右打者にスライダーで空振り0
⑧ゾーン内率は高いがストライク率低い
⇒ボール球を振らせてない
⑨空振りが5個のみ(今季平均14個)
⑩今回はスライダーを上から投げなかった
⑪終盤に球速低下
⑫ストレートはたまにシュート成分多い
⑬スライダーの横変化量が今季の中では小さい
【ストレート】
平均球速157.3km/h(今季4番目)
最高161.4km/h
平均2285回転
ホップ量35cm、シュート成分8cm
今回は「大谷翔平投手の2023年6月15日投球分析」を紹介しました。
6回を投げて99球、被安打6、四死球1、奪三振3、失点2で6勝目。
ストレートの平均球速157.3km/hと球速は出ていましたが、空振り5個のみでした。
調子が悪い中でも試合を作れていたので、次回登板予定のドジャース戦が楽しみです。