第391回 【大谷翔平】爪の悪化で6回途中5失点4敗目(2023年7月4日パドレス戦)
2023年7月4日(日本時間7月5日)、大谷翔平投手(28)が敵地ペトコ・パークでのパドレス戦に「3番・投手兼DH」で投打同時出場。
5回0/3を投げて86球、被安打7、四死球4、奪三振5、失点5で5敗目。
爪を痛めてる影響でストレートの平均球速が153.2km/h(今季ワースト)と球速は出ていませんでしたが、5回2失点と粘りの投球が出来ていました。
特に5回ノーアウト1,3塁のピンチでは明らかにギアを上げて、ソト選手、タティスJr.選手を連続三振に仕留めました。
しかし、この際の表情が暗く、続く6回は球速と回転数が明らかに落ちて2被弾。結局6回途中に右手中指爪が悪化で降板しました。
これで被打率.189はMLB2位、奪三振率11.8はア・リーグ2位となりました(7月4日時点)。
翌日のネビン監督によると「割れた爪を治すため人工の爪をつけたが、皮膚の炎症があった」とのことです。
今回はそんな「大谷翔平投手の2023年7月4日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
縦スラを9%、カーブを7%と多投
今回はストレート、ツーシーム、フォーク、カットボール、縦スラ、スライダー、カーブの7球種を投球しました。
縦スラを9%、カーブを7%と多投しました。
今回はスプリームは投球しませんでした。
あまりに多彩すぎてトラックマンデータも球種を誤判定していたので、握りで球種を再判別しました。
大谷翔平投手本人が語ってるようにMLB公式の球種判別は間違っていることがあるみたいです。
※当ブログでは握りが違う「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
左打者にツーシームなし
上は2022年、下は今回の左右投球割合です。
右打者にはストレートを多投しました。
左打者にツーシームは投球せず、カットボールを多投しました。
5回までは4球種以上投球
5回までは4球種以上投球して球種の偏りがありませんでした。
2. コース
右打者のアウトロー、左打者のインローを攻めた
右打者のアウトロー、左打者にはインローを多投していました。
3. 対左右成績
左右両方に打たれた
上図は今回、2023年、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
左右両方被OPS1.000を超えており、左右両方から打たれた。
4. 球種成績
空振りが7個のみ
全体でストライク率64%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率55%(MLB平均48.5%)と、ゾーン内率のわりにはストライク率が高くありませんでした。
また空振りは7球のみでした。(2023年平均が14個)
5. リリースポイント
今回はスライダーは横からのみ
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
2022年よりリリース位置が体に近く低いです。
今回はスライダーを上から投げず、横からのみでした。
6. 球速と回転数
平均球速153.2km/h、最高157.7km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速153.2km/h、最高球速157.7km/h、回転数は2202回転でした。
平均球速と回転数は今季ワースト
上は登板日別の平均球速と回転数の図です。
ストレートの平均球速153.2km/h、回転数2202回転は今季ワーストでした。
6回に球速低下
上は球種ごとの回別平均球速です。
1回は平均148.6km/hと球速が出てませんでしたが、尻上がりに球速を上げて5回は平均155.2km/h出てました。
しかし6回は約5km/hも球速が低下しました。
7. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
ストレートはシュートライズ
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートがいつもよりシュートライズでした。
フォークは変化量が不安定でした。
スライダーは序盤は曲がりが小さい球が多かったです。しかし、4回途中からは横変化量40cmくらいのボールが増えました。
まとめ
①被打率.189はMLB2位
②スプリームは投球無し
③7球種(握りで球種を判定)
④縦スラを9%、カーブを7%と多投
⑤左打者にカットボール多投
⑥6回以外は4球種以上投球(球種の偏りがない)
⑦右打者にアウトロー、左打者にインロー多投
⑧ゾーン内率のわりにストライク率が低い
⑨空振り7個のみ(2023年平均14個)
⑩今回はスライダーを上から投げなかった
⑪6回に5km/hの球速低下
⑫ストレートはシュート成分多い
⑬フォークは変化量不安定
⑭スライダーは序盤は変化量小さい
【ストレート】
平均球速153.2km/h(今季ワースト)
最高157.7km/h(今季ワースト)
平均2202回転(今季ワースト)
ホップ量37cm、シュート成分14cm
今回は「大谷翔平投手の2023年7月4日投球分析」を紹介しました。
爪を痛めてる影響でストレートの平均球速が153.2km/h(今季ワースト)と球速が出ていませんでした。
次回登板予定は後半戦初戦のアストロズ戦になりそうです。