第485回【ヤクルト】2025年新外国人ピーター・ランバート投手の投球成績
2024年11月18日、ヤクルトスワローズが前ロッキーズのピーター・ランバート(Peter Lambert)投手(27)を獲得調査を進めていると報道されました。
12月12日には正式に獲得したと発表されました。
ランバート投手は球種が豊富で球速が安定している先発投手です。
今回はそんな「【ヤクルト】2025年新外国人ピーター・ランバート投手の投球分析」を紹介します。
Baseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 基本情報・年度別成績
MLB経験豊富な長身投手
所属球団 | コロラド・ロッキーズ (2019 – 2024) |
ポジション | 先発、リリーフ |
投打 | 右投右打 |
生年月日 | 1997年4月18日(27歳) |
身長 | 188 cm |
体重 | 83.9 kg |
近年3Aでは高い奪三振率
MLB通算で74試合に登板して防御率6.28、被打率.302、奪三振率6.7、与四死球率4.0です。
今季3Aでは10試合に登板して防御率5.28、被打率.222、奪三振率11.8、与四死球率4.0でした。
投手としての特徴は「球種が豊富」「フライが多い」「リリースが高い」「球速安定」などがあげられます。
捉えられた打球がやや多い
MLB通算のフライ率25%(MLB平均23%)フライやラインドライブが多いです。
チェンジアップはゴロ率58%と高いですが、ストレート、ツーシーム、カットボール、縦スラ、スライダーはフライが多いです。
2. 球種・投球割合
7球種
持ち球はストレート、ツーシーム、カットボール、チェンジアップ、縦スラ、スライダー、カーブの7球種です。
2024年はカットボールが減って、縦スラを投球し始めました。
右に縦スラとスライダー、左にチェンジアップを多投
上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。
右打者に縦スラとスライダー、左打者にチェンジアップの比率が高いです。
3. カウント別
チェンジアップとカーブは決め球、スライダーは右打者のみ
チェンジアップ、カーブは左右関係なく決め球で比率が高いです。
スライダーは右打者のみ決め球として使用しています。
4. コース
各球種の空振りを奪えるコースが決まってる
上図は球種ごとのベース上の位置です。
各球種の空振りを奪えるコースが決まってます。
ストレートは高め
カットボール、縦スラ、スライダーは右アウトロー
チェンジアップ、カーブは低めへの投球が多くて空振りも奪っています。
右インハイ○
右打者のインハイの成績が良いです。一方、左打者にはゾーン内は全て被打率が悪いです。
5. 対左右成績
対左打者×
対左打者の被打率.319と対左打者に弱いです。
6. 得点圏成績
対ピンチの方がやや成績良い
得点圏の被打率.293と対ピンチ弱いですが、得点圏以外と比べるとまだ良いです。
7. ホームアウェイ成績
ホーム×
ホームの被打率.312、被OPS.941と低くホーム球場が苦手です。これは本拠地クアーズ・フィールドが高地であることが影響していそうです。
8. 球種別成績
チェンジアップの成績が良い
左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。
チェンジアップは左右関係なく被打率や空振率が良いです。
縦スラはゾーン内率が高いです。
全体でストライク率62%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率49%(MLB平均48.5%)と、少しストライク率が低いです。
9. リリースポイント
リリースが高い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。
MLB平均よりリリースは約10cm高く、体に近いです。アーム角度は53度なので少しオーバースロー気味のスリークウォーターです。
エクステンションはMLB平均くらいです。
10. 球速と回転数
平均球速152.1km/h、最高156.1km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2024年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速152.1km/hとNPB先発トップレベルの平均球速です。また球速は安定していて、先発時でも球速を維持しています。
回転数は2236回転と平均的です。
チェンジアップはMLB平均より350回転も回転数が少ないタイプです
球速が上昇傾向
2019年は149.1km/hでしたが近年は150km/h以上と球速が上昇傾向です。
回転数は今季2200回前後で安定しています。
11. 変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
スライダー、カーブは変化量大
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2024年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートはMLB平均の変化量です。
ツーシーム、チェンジアップはシュート成分が少なく横変化量が小さいです。
縦スラは横変化量が小さいです。
スラーブタイプのスライダーは変化量が大きいです。
カーブは縦変化量が大きいです。
まとめ
【基本情報】
①MLB経験豊富な27歳先発
②今季3Aで
防御率5.28
被打率.222
奪三振率11.8
与四死球率4.0
③近年3Aでは高い奪三振率
④チェンジアップのゴロ率52%高い
⑤3Aでは被本塁打少ない
【球種割合・カウント】
①7球種
②今季カットボールが減って縦スラを投球
③右に縦スラとスライダー、左にチェンジアップの比率増加
④チェンジアップとカーブが決め球
(スライダーは右打者のみ)
【コース】
①次のコースの投球と空振り多い
ストレートは高め
カットボール、縦スラ、スライダーは右アウトロー
チェンジアップ、カーブは低め
②右打者のインハイ○
③左打者のゾーン内×
【対左右・得点圏成績・ホーム】
①対左打者×
⇒対左被打率.319、被OPS.955
②対ピンチで四死球率悪化
8%→14%
③ホーム球場×
⇒高地のクアーズ・フィールドのため
【球種別成績】
①チェンジアップ被打率、空振率優秀
②縦スラはゾーン内率高い
③左打者の方が成績良いのがチェンジアップのみ
【リリース】
①リリースは約10cm高く体に近い
②アーム角度53度とスリークォーター
③球持ち(エクステンション)は平均的
【球速・回転数】
①平均球速152.1km/h
⇒NPB先発トップレベル
②球速安定
③チェンジアップは回転数少ない
④スライダーは回転数多い
⑤近年球速は上昇傾向
【変化量】
①ストレートはMLB平均
②ツーシーム、チェンジアップは横変化量小
③縦スラは横変化量小
④スライダー(スラーブ)は変化量大
⑤カーブは縦変化量大
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません