第81回 【プロ野球】【MLB】【KBO】平均球速の推移(セ・パ別、球団別)

今回はプロ野球の平均球速の推移について過去データを調べたので紹介します。データは下記のサイトを参考にしてます。
NPB公式サイト
Sportsnavi
日刊スポーツ
STATIZ
Baseball Savant

1. 【プロ野球】平均球速の推移
10年で約5.4km/hも上昇
.png)
(2023年10月10日時点)
2013年は141.2km/hだった平均球速が、2023年は146.6km/hまで上昇しており、10年で約5.4km/hも上昇しました。
特に2016年から一気に4.3km/h近くも速くなりました。
2. 【プロ野球】平均球速の推移(セパ別)
2019~2020年はセ・リーグの方が速い
.png)
(2023年10月10日時点)
2015年~2018年はパ・リーグの方が速かったですが、2019~2020年はセ・リーグの方が速いです。
しかし、2021年からはまたパ・リーグの方が速くなりました。

3. 【プロ野球】平均球速の推移(球団別)
トラックマンデータを導入すると約2km/h速くなる
-1024x508.png)
(2023年10月10日時点)

球団別の平均球速の推移を見ると、2018年に球速表示にトラックマンを導入した横浜とソフトバンクの2チームが前年より約2-3km/h速くなっています。また、同様に2020年にトラックマンを導入した阪神も前年より約1.5km/h速くなっています。そしてトラックマンではありませんが、2019年に球速計測システムを変更した中日も約2km/h速くなっています。
これらのことから、近年の球速の上昇は下記二つの要因が考えられます。
①計測方法の変更
②投手の球速が速くなった
『①計測方法の変更』については、トラックマンなどは従来のスピードガンよりも約2-3km/h速く計測されると言われています。これはトラックマンの方が、よりリリースの瞬間までを計測出来ているかららしいです。
つまり、正確に言うと「従来のスピードガンは約2-3km/h遅く計測されていて、トラックマンは正確に計測出来る」ということです。
ただ、全球団が2018年以前からも球速が上昇していることを考えると、『②投手の球速が速くなった』のは間違い無いと思います。

4. 【プロ野球】平均球速の推移(KBO・MLBとの比較)
メジャーとの差は縮まっている!
_20231010.png)
(KBO・MLBとの比較)_20231010
韓国リーグ(KBO)とメジャー(MLB)との比較をしてみました。
韓国リーグ(KBO)も2018年に球速が大きく上昇していますが、これはトラックマンの導入が原因と考えられます。
そのことを含むと、韓国リーグ(KBO)も球速が上昇していますが、2014年にほぼ差が無かったプロ野球(NPB)とは少しずつ差が開いています。
メジャー(MLB)は意外にもここ10年は球速が2.4km/hくらいしか速くなっておらず、近年はプロ野球(NPB)とメジャーとの差はどんどん縮まっています。
5. まとめ
①プロ野球(NPB)は10年で約5.4km/hも上昇
②セパの差はそれほど無い(毎年1km/h以内)
③トラックマンデータを導入すると約2km/h速くなる?
④韓国リーグ(KBO)との差は少し広がっている
⑤メジャー(MLB)との差が縮まっている
ディスカッション
コメント一覧
記事を読ませていただきました。
ありがとうございます。
論文の参考文献としてこのデータを使用したいのですが具体的にどのデータからどのように平均球速を算出したのか教えて頂きたいです。
参考にした五つのページが掲載されていますが、その中でもどのデータを使用したのか教えて頂きたいです。
宜しくお願い致します。
Sportsnaviさんからプロ野球
STATIZさんからKBO
Baseball SavantさんからMLB
それぞれ上記のサイトから平均球速を引用しています。
Sportsnaviさんについては一球速報のデータから計算した値です。そのため欠測などもあるので、多少の誤差があるかもしれません。