第106回 【佐々木朗希】チェンジアップ初解禁(2021年6月10日投球分析)
6月10日のヤクルト戦(ZOZOマリン)でプロ3度目の先発。6回を93球4安打1失点、5奪三振2四球の投球内容でした。
この試合で高校時代に投げていたチェンジアップをプロ初解禁しました。
今回は「【チェンジアップ初解禁】佐々木朗希投手の投球分析(2021年6月10日)」を紹介します。
使用するデータはスポナビライブのデータです。過去の佐々木朗希投手の投球分析については下記を参考にして下さい。
佐々木朗希投手の過去記事一覧
1. 対左右成績
左は前回まで、右は今回(6月10日)の対左右成績です。
前回までは右打者に打たれてましたが、今回(6月10日)は右打者を抑えました。後述しますが、右打者を抑えられた要因はスライダーが大きかったと思います。
2. 投球割合
前回までとの比較
上は前回まで、下は今回(6月10日)の対左右の投球割合です。
セオリー通り、初解禁したチェンジアップは左打者のみでした。
右打者へのスライダーが19%→35%に大きく増加しています。
左打者には初解禁したチェンジアップの分、ストレートの割合が減っています。ただ64%とストレートの割合がまだ高いです。
回別投球割合
初回はストレートの球威もあり、割合が多いです。
全体的に各回バランスの良い配球をしています。
3. コース別
コース別投球数
左右どちらもインコースへの投球が非常に少なく、アウトコースに偏っている。
前回までと違い、右打者へのスライダーはストライクゾーンへの投球が多いです。スライダーでもカウントを取れるようになったのが、右打者を抑えられた要因と思います。左打者にはスライダーの投球割合が少ないので、バックドアやインローへのスライダーを増やしたら面白いと感じました。
新球種チェンジアップは左打者へのアウトローに見事に制球されています。本人も試合後に語っていたように、チェンジアップでストライクが取れると左打者に非常に効果的です。
コース別被安打
右打者に打たれたのは高めに浮いたスライダーでした。
左打者に打たれたのは真ん中付近のストレートです。「アウトローに逃げるチェンジアップ」、「インローに落ちるスライダー」が打者の頭にあると真ん中付近のストレートへの対応も難しいので、やはり左打者への変化球が大事だと思います。
4. 球種別成績
上は前回まで、下は今回(6月10日)の球種別成績です。
今回(6月10日)は各球種が良かったですが、左打者にストレートが打たれました。
5. 球速
日別球速
注目の球速は平均球速151.3km/h、最高球速155km/hで、前回(5月27日)より少し速かったです。
全球種の球速帯
上は前回まで、下は今回(6月10日)の球速帯です。
ストレート、フォーク、スライダーは前回までとほぼ同じ球速帯です。
新球種チェンジアップはスライダー、フォークより遅い第3の球速帯になります。そのためチェンジアップは緩急をつけるためにも重要な球種になりそうです。
回別平均球速
左は前回まで、右は今回(6月10日)の回別平均球速です。
前回までの課題としては、4回以降に150km/hが出ないことでした。しかし、今回(6月10日)は4回、5回でも150km/h以上を連発していました。6回は流石に減速しました。
まとめ
①チェンジアップを左打者に3球投球
②スライダーでカウントが取れた
③チェンジアップは第3の球速帯
④平均球速は151.3km/h、最高球速が155km/h
⑤4回、5回でも150km/h以上を連発
今回は「【チェンジアップ初解禁】佐々木朗希投手の投球分析(2021年6月10日)」を紹介しました。
今回は「チェンジアップ初解禁」「右打者へのスライダーが増加」したことが最大の特徴でした。
佐々木投手はストレートの球速、三振を獲るフォークが注目されがちですが、次回登板ではチェンジアップとスライダーが投球の出来を左右しそうです。
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