第131回 【大谷翔平】フォークの落差が大きい(2021年8月18日投球分析)
現地時間8月18日(日本時間19日)に敵地でのタイガース戦に出場、投打のリアル二刀流の「1番投手」で先発しました。
投手としては8回6安打1被本塁打1失点、8奪三振無四球の好投で8勝目。これで今季は18試合(18先発)に登板し8勝1敗、防御率2.79。
打者としては4打数1安打1本塁打で記念すべき40号も打ちました。登板後は外野の守備にはつきませんでした。
今回はそんな「大谷翔平投手の2021年8月18日投球分析」を紹介します。
データはBaseball Savantを使用します。過去の投球分析については下記を参照して下さい。
1. 投球割合
日別投球割合(2021年)
上図は2021年の登板日別の投球割合です。
今回もスライダーの投球割合が多かったです。
左右別投球割合
上は2021年、下は8月18日の左右別の投球割合です。
今回は左右関係なく、スライダーを多投していました。特に右打者には半分近くスライダーを投げることで、ストレートの割合が25%しかありませんでした。
回別投球割合
軸となる球種が毎回変わっているため、相手打者に的を絞らせない投球が出来ていました。その結果、ストライクをどんどん投げ込めていました。
2. 球速・回転数
球速・回転数
8月18日のストレートは平均球速153.8km/h、最高球速159.0km/hでした。
普段よりスラッター、スライダーは2km/hくらい速かった。
逆にカーブは4km/h遅いスローカーブでした。
フォークは回転数が300回転近く少なかったです。
回別平均球速
ストレートの球速は尻上がりに上昇して、6回は平均158.3km/hでした。好調な7月以降はこのような尻上がりに球速が上がる傾向にあります。
日別平均球速
上図は2021年の登板日別の平均球速です。
6月以降は平均154km/h前後で安定しています。
日別平均回転数(2021年)
全球種の登板日別の平均回転数です。
全球種が緩やかに回転数が減少傾向。開幕当初から緩やかに減少傾向なので、二刀流による疲労が主な原因ではないかと思います。
3. 各成績
対左右成績
左は2021年の平均、右が8月18日の対左右の成績です。
今回はあまり左右で成績に差はありませんでした。
いつもに比べるとヒットは打たれましたが、本塁打以外は単打でした。無四球だったのは大きかったと思います。
球種成績
左は2021年の平均、右が8月18日の球種別被打率です。
最近、フォークで三振を獲れていませんでしたが、今回は5個もフォークで三振を奪いました。
スライダーは右打者に多投していたので、ヒットを打たれましたが全て単打でした。
インハイのカーブをスタンドに持っていかれたので、カーブの使い方は再考する必要はありそうです。
4 . 変化量
上図は「2021年の平均」、「今回(8月18日)」の変化量です。
いつもよりフォークの落差が大きい球が多く、ストレートの差はメジャートップレベルです。
最近は落差が小さい球が多かったため三振を奪えていませんでしたが、今回は落差が大きかったため三振を奪えていました。
5. リリースポイント
上図は「2021年の平均」、「今回(8月18日)」のリリースポイントです。
リリースポイントはいつも通りでした。
6. ベース上のボールの位置
今回(8月18日)の球種ごとのベース上のボールの位置です。
ストレート、スライダーの制球が抜群でした。
明らかにストレートは右打者のインハイとアウトロー(左打者のアウトハイとインロー)、スライダーは右打者のインハイとアウトコース(左打者のアウトハイとインコース) に投げ分けられています。
この試合の投げミスは、本塁打を打たれた左のインハイのカーブぐらいでした。
欲を言えば、3球くらいあった右打者方向に抜けるフォークを無くしたいところです。
まとめ
①スライダーを多投したが、軸となる球種が回毎に違う
②平均球速153.8km/h、最高球速159.0km/h
③球速は尻上がり(6回は平均158.3km/h)
④カーブは普段より4km/h遅い
⑤フォークの落差が大きい
⑥ストレート、スラッター、スライダーの制球力が抜群
今回は「大谷翔平投手の2021年8月18日投球分析」を紹介しました。
軸となっているストレート、スラッター、スライダーの3球種の制球が良いのが、7月以降の好調な投球に繋がっています。
そこにフォークの落差が大きくなったので、またフォークで三振の山を築きそうです。
あとは本塁打を打たれたカーブをどのように修正してくるか、次回登板が楽しみです。
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