第162回 【日本ハム】2022年新外国人コディ・ポンセ投手の投球分析
2021年11月28日、パドレスのコディ・ポンセ投手(27)を獲得する方向であることが報道されました。
その後、2021年12月6日に日本ハムから正式に獲得したと発表がありました。
2019年にはWBSCプレミア12の米国代表として来日し、将来日本でプレーしたいと発言したこともある選手です。
そのため、今回は「【日本ハム】2022年新外国人コディ・ポンセ投手の投球分析」を紹介します。
データはメジャーで登板した2020年と2021年のBaseball Savantとfangraphsデータを使用します。
2020年ファンフェスタでのコディ・ポンセ投手の発言
「野球をしていて、今までで最も素晴らしい経験だったかもしれない。キャリア最後の1年は日本でプレーすると皆に言っているんだ。東京、あのドームでプレーしたいね。4万5000-5万人の観客が出す音量はアンビリーバブルだった。(日本戦では)ベンチに座っていたから、その時にマウンドでどのように感じたか、出てたであろうアドレナリンについて話すことはできないけどね」
Full-Countより引用
基本情報
主に先発
所属球団 | ピッツバーグ・パイレーツ (2020 – 2021) |
ポジション | 先発、リリーフ |
投打 | 右投右打 |
生年月日 | 1994年4月25日(27歳) |
身長 | 195.6 cm |
体重 | 115.7 kg |
2021年は成績が大幅に悪化
上はメジャー、下は3Aの年度別の成績です。
2020年はまずまずの成績でしたが、2021年は大きく成績が悪化しました。
3A含めて奪三振が多く、四死球は少なく、被本塁打は多いです。
2021年は6球種
上図は年別投球割合で、色が球種を表しています。
持ち球はストレート、ツーシーム、カットボール、チェンジアップ、スライダー、カーブの6球種でした。
2021年からスライダーを増やしましたが、ツーシームは3球しか投げませんでした。
ストレートの投球割合は増え、カットボールとカーブの投球割合が減っています。
右にスライダー、左にチェンジアップとカーブ
上図は右打者、左打者別の投球割合で、色が球種を表しています。
右にはスライダーの割合が多く、左にはチェンジアップとカーブの割合が多いです。
5球種とも決め球
上図は右打者、左打者別のカウント別投球割合です。左が数値の表、右が円グラフ。
右の初球にチェンジアップが少なく、左の初球にカーブが多いです。
左右ともボールが先行するとカットボールとチェンジアップが多くるなるので、カットボールとチェンジアップの制球に自信を持っていると考えられます。
左右とも決め球は5球種とも使用しています。
球持ちがかなり良い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均です。
コディ・ポンセ投手のリリースポイントはMLB平均より頭に約10cm近く、5~10cm高く、約20cm球持ちが良いです。
左打者に長打を打たれやすい
被打率は左右ともに高く、特に左打者に被長打率.750を超えるほど長打を打たれています。
対ピンチ×
得点圏では被打率.435、OPS1.154と非常に高く、対ピンチでの成績が悪いです。
全体的に打たれている
上図は球種別の成績とOPSのグラフです。
投球数が少ないツーシーム以外はOPSが高く打たれています。
ただ、ストレートは左打者に、カットボールとカーブは右打者への成績が良いです。
球速はメジャー平均並
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。
全球種の平均球速はメジャー平均並で、ストレートは平均球速149.9km/hです。
ストレートはメジャー平均並の2257回転、 曲がり球は回転数が少なく、チェンジアップは回転数が多いです。
特徴的なのはツーシームで球速がストレート並みに速く、回転数が非常に多いです。
シュート気味、縦に落ちるカーブ
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、△はMLB平均を表しています。
ストレートはシュート気味。
ツーシームはホップ成分が多く、シンカーというよりはシュートに近い。
カットボールはメジャー平均。
チェンジアップはホップ成分が多く、落差が小さいです。
スライダーとカーブは横変化が少なく、縦変化が多い。
カーブの回転軸はトップスピン寄り
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、△はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
ストレートはメジャー平均よりシュート側に回転軸がやや傾いている。
ツーシームは回転軸がストレートと同じくらいで、回転数が多い。
カットボールはほぼバックスピンに近い。
チェンジアップはメジャー平均より回転軸がバックスピン方向に傾いている。
スライダーは回転軸の角度幅が大きいので、ジャイロ成分が多いと考えられます。
カーブは回転軸がトップスピン側に傾いていている。
変化球の制球○
上図は球種別のヒートマップで、色が濃い所が投球数が多いことを表しています。
ストレートは真ん中付近に集まっています。これが被打率が高い原因と考えられます。
カットボールは右にはアウトロー、左にはインハイに集まっています。
チェンジアップは左右どちらも捕手から見て、左下に集まっています。
スライダーは右にはアウトローに集まっています。
カーブは左右どちらも捕手から見て、右下に集まっています。
ストレートと曲がり球の軌道が遠い
ストレートと曲がり球の軌道がピッチトンネルの段階で少し離れています。
カットボール、スライダー、カーブは非常に似た軌道です。
まとめ
①主に先発
②2021年に成績悪化
③奪三振が多く、四死球は少なく、被本塁打は多い
④持ち球は6球種(主には5球種)
⑤右にスライダー、左にチェンジアップとカーブ
⑥5球種とも決め球
⑦球持ちがかなり良い
⑧左打者に長打を打たれやすい
⑨対ピンチ×
⑩全球種の被打率とOPSが悪い
⑪平均球速149.9km/h、2257回転
⑫ストレートはシュート気味
⑬カーブはトップスピン寄りで、縦に落ちる
⑭変化球の制球〇
今回は「【日本ハム】2022年新外国人コディ・ポンセ投手の投球分析」を紹介しました。
メジャーでは主に先発で、持ち球が6球種と豊富、シュート気味のストレートと縦に落ちるカーブが得意球です。 平均球速も149.9km/hとNPBでは速球派になる投手です。
奪三振が多く、四死球は少ないのですが、被本塁打は多いです。また全球種の被打率とOPSが悪く、特に左打者に長打を打たれやすいです。
球種が豊富で、四死球が少なく自滅するタイプでは無いことから、メジャー同様に先発での起用が予想されます。