第224回 【ダルビッシュ有】開幕で6回ノーヒットノーラン(2022年4月7日投球分析)
2022年4月7日、パドレスのダルビッシュ有投手が敵地でのダイヤモンドバックスとの開幕戦に先発。
6回をノーヒットノーラン、92球3奪三振4四球の快投でした。最速156.7km/hとストレートがいつも以上に球威がありました。
今回はそんな「【パドレス】ダルビッシュ有投手の2022年4月7日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
ストレートとスプリット多投
今回の試合に投じたのはストレート、ソフトカッター、スプリット、スラッター、スライダー、カーブ、ナックルカーブの7球種でした。特にストレートとスプリットを多投しました。
ツーシーム、ハードカッター、チェンジアップ、スローカーブは投げませんでした。
※カットボール、カーブの分類について
当ブログではカットボールを回転数、変化量、回転軸から「回転数が少ないソフトカッター」、「ホップ成分が多いハードカッター」、「ホップ成分が少ないスラッター」の3種類に分類しています。また、カーブは68.6マイル以下はスローカーブに分類しています。
右には4球種のみ
右打者には4球種のみしか投じず、ストレートが67%とかなり多かったです。
左打者には7球種をバランス良く投じていました。
2. コース
変化球は低め
ストレートは右にはアウトロー、左にはアウトハイ中心の投球でした。ただ、どちらも変化球は低めへの投球が多いです。特にスプリットが良い高さにコントロールされているのは大きかったと思います。
3. 各成績
奪三振と与四球は全て左打者
奪三振3個、与四球4個は全て左打者でした。
左にはスプリットが有効
右にはストレート、スラッター、スライダーが、左にはストレート、スプリットを中心に抑えました。
ストライクゾーン内率は全体47%とそこまで高くありませんでした。
4. リリースポイント
球持ちが良くなる
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2021年、△はMLB平均です。
2021年に比べると、リリース位置が体から少し離れて低いです。また球持ちが約10cmも良くなっています。
5. 球速と回転数
平均球速153.6km/h、2377回転
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2021年、△はMLB平均を表しています。
ストレートの平均球速153.6km/h、最高156.7km/hでした。回転数は2377回転と少なったです。
変化球も全体的に回転数が少なかったです。
2022年は急激に回転数低下
例年と比べても、今回の平均球速153.6km/hは速いです。一方、回転数の2377回転は100回転以上例年よりも低いです。
6回まで153km/hを維持
6回まで球速153km/h以上を維持していました。
6. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2021年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
スプリットのシュート成分が減る
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2021年、△はMLB平均を表しています。
ストレートは昨年同様にホップ成分が多く、浮き上がるような球で安定していました。
昨年から大きな変化があったのはスプリットで、シュート成分がかなり少なくて大谷投手のフォークに近い変化でした。
まとめ
①ストレートとスプリット多投
②7球種
③変化球は低め
④奪三振と与四球は全て左打者
⑤球持ちが良くなる
⑥平均球速153.6km/h、2377回転
⑦回転数が100回転以上低下
⑧6回まで153km/hを維持
⑨スプリットのシュート成分が減る
そのため今回は「【パドレス】ダルビッシュ有投手の2022年4月7日投球分析」を紹介します。
6回をノーヒットノーラン、92球3奪三振4四球の快投でした。最速156.7km/hとストレートがいつも以上に球威がありました。
今回の試合に投じたのはストレート、ソフトカッター、スプリット、スラッター、スライダー、カーブ、ナックルカーブの7球種でした。ツーシーム、カットボール、チェンジアップ、スローカーブは投げませんでした。
特にストレートとスプリット多投し、球持ちが良くなった影響もあってか、この2球種がかなり有効でした。
ストレートは右打者にはアウトロー、左打者にはアウトハイに平均球速153.6km/hの球威がある球を投げ込めていて、6回まで球速が落ちませんでした。
昨年から大きな変化があったのはスプリットで、シュート成分がかなり少なくて大谷投手のフォークに近い変化に変わっていて、低めの良い高さに集まっていました。
ただ、少し気になるのは回転数が例年より100回転以上少なかったことで、次回登板でも同様な傾向が続くのか気になるところです。