第307回 【DeNA】2023年新外国人J.B.ウェンデルケン投手の投球分析
2022年11月28日、横浜DeNAベイスターズが新外国人選手として前ダイヤモンドバックスのJ.B.ウェンデルケン選手(29)を獲得したと発表しました。
J.B.ウェンデルケン投手は回転数が多いキレのあるボールを投げ込む平均球速153km/hの剛腕リリーフです。
今回はそんな「【DeNA】2023年新外国人J.B.ウェンデルケン投手の投球分析」を紹介します。
Baseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 基本情報
メジャー経験豊富な剛腕リリーフ
所属球団 | オークランド・アスレチックス (2016 – 2021) アリゾナ・ダイヤモンドバックス (2021 – 2022) |
ポジション | リリーフ |
投打 | 右投右打 |
生年月日 | 1993年3月24日(29歳) |
身長 | 195.6 cm |
体重 | 111.1 kg |
3Aでの奪三振率が高い
MLB通算で144試合に登板して防御率4.00、被打率.223、奪三振率8.5、与四死球率4.1です。またフライ率が27%(MLB平均22.5%)と高いフライボーラーです。
3A通算で127試合に登板して2先発、防御率3.98、被打率.236、奪三振率11.5、与四死球率4.4でした。
投手としての特徴は「球速が速い」「回転数が多い」「変化量が大きい」「被本塁打が少ない」などがあげられます。
2. 球種・投球割合
持ち球は5球種
持ち球はストレート、ツーシーム、チェンジアップ、スライダー、カーブの5球種です。
ただし、2022年はカーブをあまり投球していません。
右にツーシームとスライダー、左にストレートとチェンジアップ
上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。
右打者にツーシームとスライダー、左打者にストレートとチェンジアップの投球が多くなっています。
ツーシームはカウント球、チェンジアップは決め球
ツーシームはカウント球、チェンジアップは決め球に使用しています。
3. コース
左打者にはインハイのストレートとアウトローのチェンジアップ
右打者にはアウトローのスライダーとストレート、左打者にはインハイのストレートとアウトローのチェンジアップの投球が多くて空振りも奪っています。
左右ともにアウトロー〇
左右ともにアウトローの成績が良いです。
4. 各成績
対左打者○
左打者の被打率.218、被OPS.637と左打者に強いです。
今季3Aでも左打者の被打率.100と対左打者の成績が良いです。
対ピンチに弱い
得点圏の被打率.255、被OPS.778と高く、対ピンチに弱いです。
今季3Aでも得点圏被打率.238、その他.098と得点圏で打たれています。
ツーシーム以外は優秀
左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。
ツーシームは被OPS1.004と打たれていますが、それ以外のボールは被OPS.700以下と優秀です。
特にストレートはゾーン内率58%とストライクゾーン内で勝負しているにも関わらず、被打率.222と優秀です。
チェンジアップは左打者、スライダーは右打者から奪三振を多く奪っています。
全体のゾーン内率51%と高いにも関わらず、ストライク率は62%しかありません。
5. リリースポイント
たまにリリース位置変化
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。
基本的にはMLB平均よりリリースは約20cm三塁側ですが、たまに約20cm一塁側になります。
球持ちは普通です。
6. 球速と回転数
平均球速152.9km/h、最高156.9km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。
ストレートの平均球速は152.9km/hでMLB平均(151.4km/h)よりも速く、全球がNPB平均よりも速かったです。回転数は2442回転と非常に回転数が多いです。
ツーシーム、スライダー、カーブも同様の傾向です。
チェンジアップはMLB平均より回転数が少ないです。
平均152km/hを期待出来る
2016年は平均球速150.5km/hでしたが、TJ手術後の2018〜2022年は平均球速は152km/h前後で安定しています。
回転数も2400回転前後で安定しています。
7. 変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
真っスラ、変化球は変化量大
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、△はMLB平均を表しています。
ストレートは横変化量が-8cmと真っスラです。
ツーシーム、チェンジアップ、カーブはMLB平均より変化量が大きいです。
スライダーは回転は4シームで縦変化量が大きい縦スラタイプです。
まとめ
①MLB通算で防御率4.00、被打率.223、奪三振率8.5、与四死球率4.1
②持ち球は5球種
③被本塁打が少ない
④フライ率27%(MLB平均22.5%)
⑤ストレート多投(52%)
⑥右にツーシームとスライダーを多投
⑦左にストレートとチェンジアップを多投
⑧アウトロー〇
⑨対左打者〇
⑩ピンチに弱い
⑪たまにリリース位置変化
⑫平均球速152.9km/h、最高156.9km/h
⑬ストレートは回転数が多い真っスラ
⑭変化球全般に高速で変化量大
⑮ツーシーム以外は成績も優秀
⑯スライダーは縦変化量が大きい(縦スラ)
J.B.ウェンデルケン投手は回転数が多いキレのあるボールを投げ込む平均球速153km/hの剛腕リリーフです。
MLB通算で144試合に登板して防御率4.00、被打率.223、奪三振率8.5、与四死球率4.1です。またフライ率が27%(MLB平均22.5%)と高いフライボーラーです。
3A通算で127試合に登板して2先発、防御率3.98、被打率.236、奪三振率11.5、与四死球率4.4と奪三振率が非常に高いです。
投手としての特徴は「球速が速い」「回転数が多い」「変化量が大きい」「被本塁打が少ない」などがあげられます。
ストレートの平均球速は152.9km/hでMLB平均(151.4km/h)よりも速く、2442回転と非常に回転数が多い真っスラです。
変化球は全て変化量が大きいです。