第328回 【大谷翔平】2022年の打撃分析(成績・打球速度・角度など)
今回は「【大谷翔平】2022年の打撃分析」を紹介します。紹介するのは年度別、左右、得点圏、カウント別、コース別、球種別、ストレート球速別、月別、打球方向、打球速度と打球角度などの成績です。
2021年に比べるとポイントが近くなりコンタクト能力が上がった反面、打球角度が下がりました。
使用するデータはBaseball SavantとFanGraphsです。
1. 年度別成績
コンタクト能力が上昇
2022年の打撃成績は
打率.257→.273(MLB39位)
本塁打46本→34本(MLB11位)
四死球100→77(MLB17位)
三振189→167(MLB16位)
OPS.965→.875(MLB10位)
盗塁26個→11個(MLB38位)でした。
2021年に比べると、打率が.273が上がり三振率は減少(30%⇒24%)してコンタクト能力が上昇しました(ゾーンコンタクト率73.1%⇒76.9%)。
ただ本塁打と四死球と盗塁は減少しました。
1塁到達タイムはMLB1位
規定打席到達者の中では1塁到達タイムがMLB1位でした。
2. 左右成績
2022年は左投手に苦戦
2021年は打率と長打率は右投手以上の成績でしたが、2022年は全ての項目で左投手の方が成績が悪かったです。
3. 得点圏成績
チャンス◎
得点圏の成績が「2021年(打率.284、OPS.1.165)」⇒「2022年(打率.314、OPS1.213)」とさらにチャンスに強くなりました。チャンスでは特に長打率が大きく上昇しています。
一方で、得点圏での四死球率も大幅に増加していて、勝負を避けられていたことが分かります。
4. ホームアウェイ成績
ホームでは打率.314、OPS1.005とホームに強いです。
特に本塁打率は6.3%と非常に高いです。
5. カウント別成績
初球〇、積極打法
初球スイング率37.1%(MLB平均29.5%)と超積極的なタイプです。
そのため0ストライク(打率.394、本塁打12本)、1ストライク(打率.425、本塁打13本)と若いカウントにかなり強いです。
また2ストライクでの打率は.161と低いですが、本塁打9本も打っており、追い込まれてもフルスイングを貫いていることが分かります。
6. コース別成績
右はインロー、左は高め○
対右投手はアウトコースが苦手(特にチェンジアップ)で、成績が良くありません。一方でインローは成績が良いです。
対左投手はアウトローが苦手(特にスライダー)で、成績が良くありません。一方で高めは5割以上です。
このデータは対戦相手も知っていると思うので、2023年はアウトローを攻めてくると考えられます。
7. 球種別成績
チェンジアップに少し苦戦
2022年も明らかな苦手球種がありませんでした。
ただ2021年に比べるとチェンジアップ(OPS.861⇒ OPS.609)の成績が悪化していて少し苦しみました。
8. ストレート球速別成績
球速と成績が比例
当たり前ですが球速と成績が比例しています。
特に152km/hと158km/hで成績が大きく変化しています。
9. 月別成績
夏男
2021年同様に夏場に成績が上昇傾向です。特に6月(打率.298、6本塁打、OPS.973)と8月(打率.317、8本塁打、OPS1.039)はOPS.950越えで打ちまくりました。
10. 打球方向
レフト方向の比率上昇
2022年はポイントが近くなった影響かレフト率27.8%と逆方向の打球が増えました。
11. 打球速度と打球角度
2021年より角度が下がる
平均打球速度はMLB平均よりも8km/h速く、平均打球速度150km/h(MLB7位)です。
また2021年と比べると打球角度は16.6度から12.1度に下がり、本塁打が減少した一因になりました。バレル率も22.3%から16.8%に減少しましたがそれでもMLB7位です。
12. 打球種類
2021年よりフライ率減少
2018-2020年はMLB平均以下のフライ率20%でしたが、打球角度が上がったことで2021年はフライ率35%と大きく上昇しました。2022年もフライ率30%と高い値ですが2021年からは減少しました。
まとめ
①2022年の打撃成績
打率.257→.273(MLB39位)
本塁打46本→34本(MLB11位)
四死球100→77(MLB17位)
三振189→167(MLB16位)
OPS.965→.875(MLB10位)
盗塁26個→11個(MLB38位)
②三振率は減少(30%⇒24%)
③コンタクト能力は上昇
(ゾーンコンタクト率73.1%→76.9%)
④1塁到達タイムはMLB1位
⑤全項目で左投手の方が成績が悪い
⑥チャンス◎(打率.314、OPS1.213)
⑦超積極打法
⇒初球スイング率37.1%(MLB平均29.5%)
⑧初球〇(.344、8本)
⑨右はインロー、左は高め○
⑩チェンジアップに少し苦戦(OPS.609)
⑪球速と成績が比例
⑫夏男
⇒8月(打率.317、8本塁打、OPS1.039)
⑬レフト率27.8%と逆方向の打球が増加
⑭平均打球速度150km/h(MLB9位)
⑮打球角度が下がる(16.6→12.1度)
⑯バレル率16.8%(MLB7位)
⑰フライ率減少(35%→30%)
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