第414回 【オリックス】2024年新外国人アンドレス・マチャド投手の投球分析
2023年11月14日、アンドレス・マチャド(Andres Machado)投手(30)がナショナルズから自由契約になりました。アメリカの移籍サイトでは「日本でプレーするため」と報じられています。また巨人とオリックスの公式インスタをフォローしているため両球団が獲得の可能性があります。
巨人についてはシーズン中に一度獲得の噂が流れた時にフォローしており、直近にフォローしたオリックスの可能性が高いと考えられます。
その後11月16日にオリックスが正式に合意したと発表しました。
マチャド投手の特徴としては、ダイナミックなフォームで球持ちが良く、2023年のストレートの平均球速が155.5km/hで高速チェンジアップが武器の鉄腕リリーバーです。
今回はそんな「【オリックス】2024年新外国人アンドレス・マチャド投手の投球分析」を紹介します。
Baseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 基本情報・年度別成績
MLB全試合がリリーフ登板
所属球団 | カンザスシティ・ロイヤルズ (2017) ワシントン・ナショナルズ (2021 – 2023) |
ポジション | リリーフ |
投打 | 右投右打 |
生年月日 | 1993年4月22日(30歳) |
身長 | 182.9 cm |
体重 | 106.6 kg |
与四死球が毎年向上
MLB通算で137試合に登板して防御率4.48、被打率.260、奪三振率7.3、与四死球率3.9です。
今季3Aでは24試合に登板して防御率4.08、被打率.248、奪三振率11.0、与四死球率2.5でした。
毎年与四死球が向上、3Aでは奪三振率が高いです。
投手としての特徴は「与四死球少ない」「球持ちが良い」「対ピンチに強い」「球速が速い」「大きな故障がなく登板数が多い」などがあげられます。
フライボーラー
2023年のフライ率が29%(MLB平均23%)とフライボーラーです。
球種別に見ると高めへの投球が多いストレートのフライ率が38%と高いです。
一方、チェンジアップはゴロ率62%と非常に高いです。
2. 球種・投球割合
持ち球は4球種
持ち球はストレート、ツーシーム、チェンジアップ、スライダーの4球種です。
2023年はツーシーム、チェンジアップの割合が増加しました。
右にツーシームとスライダー、左にチェンジアップを多投
上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。
右打者にはツーシームとスライダー、左打者にはチェンジアップの比率が高いです。
3. カウント別
ストレートが決め球
カウント球で使われやすいストレートが決め球です。
初球◯
一般的には初球の被打率は高くなりやすいですが、マチャド投手は初球被打率.229と低いです。
これは初球にストレートの比率が低いからかもしれません。
4. コース
各球種の空振りを奪えるコースが決まってる
上図は球種ごとのベース上の位置です。
各球種の空振りを奪えるコースが決まってます。
ストレートは高め、
ツーシームは右打者のインコース、
チェンジアップは低め、
スライダーは右打者のアウトロー、
への投球が多くて空振りも奪っています。
右のアウトハイ、左のインロー〇
右打者はアウトハイ、左打者はインローの成績が良いです。
5. 対左右成績
対左の被長打率が低い
被OPSは右が.792、左が.779と左右差はあまりないです。
左打者は被打率.274と高いですが、被長打率.437と低いです。
6. 得点圏成績
対ピンチに強い
得点圏の被打率.233、被OPS.721と対ピンチには強いです。また得点圏での奪三振率は24%に上がります。
7. ホームアウェイ成績
ホームに強い
ホームの被打率.241、被OPS.736、防御率3.83とホームに強いです。またホームでの奪三振率は20%に上がります。
8. 球種別成績
チェンジアップは空振率17%
左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。
ストレートは左右ともに打たれてますがゾーン率が高いです。またストレートにしては空振率11%と高いです。
ツーシームは右打者の被打率.218で、ストライク率67%とカウント球として優秀です。
チェンジアップは空振率17%と高く、左右関係なく被OPSが優秀です。
スライダーは左打者の被OPS1.018と非常に高く、被打率の割に長打を打たれてます。
全体でストライク率63%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率50%(MLB平均48.5%)と、ストライク率はそこまで高くありません。
9. リリースポイント
リリースが低く球持ちが良い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。
MLB平均よりリリースは約10cm体に近く低いです。
エクステンションは球持ちが良いです。
10. 球速と回転数
平均球速155.5km/h、最高159.8km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速は155.5km/h、NPB3位相当の球速です。回転数は2120回転と少ないです。
ツーシーム平均154.4km/h、
チェンジアップ平均144.4km/h、
スライダー平均142.3km/h、
と変化球も高速です。
平均球速が右肩上がり
登板数が増えた2021年は平均球速が落ちましたが、それ以降は平均球速が右肩上がりです。
11. 変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
ストレートは今季シュート気味
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2023年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートはホップ成分が多かったですが、今季はシュート成分が増加しました。
ツーシームはホップ成分が多く横に曲がるシュートタイプです。
チェンジアップは高速なのにMLB平均並の変化量です。
スライダーは変化量が少ないです。
まとめ
【基本情報】
①MLB全試合リリーフ登板
②MLB通算
防御率4.48
被打率.260
奪三振率7.3
与四死球率3.9
③大きな故障歴がなく登板数多い
④与四死球率が向上(2023年2.5)
⑤3Aでは奪三振率が11.0と高い
⑥フライボーラー(フライ率29%)
【球種割合・カウント】
①4球種
②2023年はツーシーム、チェンジアップの割合が増加
③右打者にはツーシームとスライダー、左打者にはチェンジアップの比率が高い
④ストレートを決め球に使用
⑤初球◯(初球被打率.229)
【コース】
①次のコースの投球と空振り多い
ストレートは高め
ツーシームは右打者のインコース
チェンジアップは低め
スライダーは右打者のアウトロー
②右打者はアウトハイ、左打者はインローの成績が良い
【対左右・得点圏成績】
①左右差はあまり無い
②対ピンチ◯
被打率.233
奪三振率24%
③ホーム◯
被打率.241
防御率3.83
【球種別成績】
①ストレートは空振率11%
②ツーシームは右打者◯(被打率.218)
③チェンジアップは左右◯(どちらも被打率2割以下)
④スライダーは左打者✕(被OPS.1018)
【リリース】
①リリースは約10cm体に近く低い
②球持ちが良い
【球速・回転数】
①平均球速155.5km/h、最高159.8km/h
②回転数はやや少ない
③年々平均球速が上昇
【変化量】
①ストレートが2023年はシュート気味
②ツーシームはシュートタイプ
③チェンジアップはMLB平均並
④スライダーは変化量少
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