第404回 【大谷翔平】44号も右肘靱帯損傷で今季絶望(2023年8月23日レッズ戦)
2023年8月23日(日本時間8月24日)、大谷翔平投手(29)が本拠地エンゼルスタジアムでのジャイアンツ戦に「2番・投手兼DH」で投打同時出場。
1回1/3を投げて26球、被安打0、四死球1、奪三振2、失点0(自責0)。
今季最短の1回1/3、わずか26球で交代。試合後の検査で、右肘の靱帯(じんたい)損傷が発覚して今季の投手断念が決定しました。
打者としては第1打席で初球を打って4試合ぶりとなる今シーズン44号の先制ツーランホームランを打ちました。
今回はそんな「大谷翔平投手の2023年8月23日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
最近あまり投げていなかったツーシームを多投
今回はストレート、ツーシーム、フォーク、カットボール、スライダー、カーブの6球種を投球しました。
今回は最近あまり投げていなかったツーシームを多投しました。
スプリーム、縦スラは投球しませんでした。
※当ブログでは握りが違う「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
※大谷翔平投手の球種は多彩すぎてトラックマンデータも球種を誤判定していたので、握りで球種を再判別しました。大谷翔平投手本人が語ってるようにMLB公式の球種判別は間違っていることがあるみたいです。
右打者にツーシームを多投
上は2022年、下は今回の左右投球割合です。
右打者にツーシームを20%と多投しました。
2回にツーシームを多投
2回にツーシームを多投しました。
2. コース
右打者のアウトローに引っかかる球が多い
右打者のアウトローに引っかかる球が多かったです。
3. 球種成績
ゾーン内率が低い
全体でストライク率54%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率38%(MLB平均48.5%)と、ゾーン内率が低かったです。
4. リリースポイント
リリース位置が体に近い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
2022年よりリリース位置が体に近いです。
5. 球速と回転数
平均球速149.4km/h、最高151.9km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速149.4km/h、最高球速151.9km/h、回転数は2142回転でした。
平均球速は今季最遅
上は登板日別の平均球速と回転数の図です。
ストレートの平均球速149.4km/hと今季最遅でした。
回転数2142回転も今季最低でした。
6. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
シュートライズ
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートがいつもよりシュートライズしてました。
まとめ
①被打率.184はMLB1位
②6球種(握りで球種を判定)
③スプリーム、縦スラは投球なし
④ツーシームを12%と多投
⑤2回から右打者にツーシーム多投
⑥右打者のアウトローに引っかかる球が多かった
⑦ゾーン内率38%(MLB平均48.5%)
⑧リリース位置が体に近い
⑨ストレートはシュートライズ
【ストレート】
平均球速149.4km/h(今季最低)
最高151.9km/h(今季最低)
平均2142回転(今季最低)
ホップ量40cm、シュート成分16cm
今回は「大谷翔平投手の2023年8月23日投球分析」を紹介しました。
今季最短の1回1/3、わずか26球で交代。試合後の検査で、右肘の靱帯(じんたい)損傷が発覚して今季の投手断念が決定しました。