第476回【千葉ロッテ】2025年新外国人ブラッド・ケラー投手の投球成績
2024年11月11日、千葉ロッテが前レッドソックスのブラッド・ケラー(Brad Keller)投手(29)を獲得調査を進めていると報道されました。
ケラー投手は真っスラなど沈むボールでゴロを打たせる能力高い長身投手です。
今回はそんな「【千葉ロッテ】2025年新外国人ブラッド・ケラー投手の投球分析」を紹介します。
Baseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 基本情報・年度別成績
MLB経験豊富な長身投手
所属球団 | カンザスシティ・ロイヤルズ (2018 – 2023) シカゴ・ホワイトソックス (2024) ボストン・レッドソックス (2024) |
ポジション | 先発、リリーフ |
投打 | 右投右打 |
生年月日 | 1995年7月27日(29歳) |
身長 | 195.6 cm |
体重 | 104.3 kg |
被本塁打率が低い
MLB通算で166試合に登板して防御率4.34、被打率.263、奪三振率6.7、与四死球率4.3です。
今季3Aでは16試合に登板して防御率3.28、被打率.233、奪三振率7.9、与四死球率3.2でした。
被本塁打率が非常に低いです。
投手としての特徴は「ゴロが多い」「被本塁打が少ない」「真っスラ」「球速安定」などがあげられます。
ゴロが非常に多い
MLB通算のゴロ率52%(MLB平均45%)はゴロが非常に多いグラウンドボーラーです。
ツーシームはゴロ率63%と特に高いです。
2. 球種・投球割合
6球種
持ち球はストレート、ツーシーム、チェンジアップ、縦スラ、スライダー、カーブの6球種です。
2023年はカーブ、2024年はスライダーの投球が増えています。
右に縦スラとスライダー、左にチェンジアップを多投
上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。
右打者に縦スラとスライダー、左打者にチェンジアップの比率が高いです。
3. カウント別
チェンジアップは決め球、スライダーは右打者のみ
チェンジアップは左右関係なく決め球で比率が高いです。
スライダーは右打者のみ決め球として使用しています。
4. コース
各球種の空振りを奪えるコースが決まってる
上図は球種ごとのベース上の位置です。
各球種の空振りを奪えるコースが決まってます。
ストレートは高め
ツーシームは右イン(左アウト)
縦スラ、スライダーは右アウトロー(左インロー)
チェンジアップは左アウトロー
カーブは低めへの投球が多くて空振りも奪っています。
インハイ、アウトロー○
左右関係なくインハイ、アウトローの成績が良いです。
5. 対左右成績
左右差なし
左打者には四死球が多いぐらいで、ほとんど左右差があまり無いです。
6. 得点圏成績
対ピンチ×
得点圏の被打率.288と対ピンチ弱いです。
7. ホームアウェイ成績
ホーム〇
ホームの被打率.242、被OPS.689と低くホーム球場が得意です。
8. 球種別成績
チェンジアップ、縦スラの成績が良い
左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。
チェンジアップは特に右打者の成績が良いです。
縦スラは被OPSが低く、奪三振率が高いので左右関係なく有効です。
全体でストライク率61%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率48%(MLB平均48.5%)と、少しストライク率が低いです。
9. リリースポイント
リリースが高い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。
MLB平均よりリリースは約15cm高く、体に近いです。ただし、アーム角度は49度なのでオーバースローではなくスリークォーターです。
エクステンションは球離れが早いです。
10. 球速と回転数
平均球速151.0km/h、最高155.3km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2024年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速151.0km/hとNPB先発トップレベルの平均球速です。また球速は安定していて、先発時でも球速を維持しています。
回転数は2242回転と平均的です。
チェンジアップはMLB平均より5km/hくらい速い高速タイプです
平均151km/h前後で安定
過去7年間、151km/h前後と球速が安定しています。
回転数は今季70-80回くらい減少しています。
11. 変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
かなりの真っスラ
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートはカットボールみたいな真っスラです。
ツーシーム、チェンジアップはシュート成分が少なく横変化量が小さいです。
縦スラは縦変化量が大きいです。
スラーブタイプのスライダーは変化量が大きいです。
まとめ
【基本情報】
①長身のグラウンドボーラー
②今季3Aで
防御率3.28
被打率.233
奪三振率7.9
与四死球率3.2
③MLB経験豊富
④ゴロ率52%と非常に高い
⑤被本塁打少ない
【球種割合・カウント】
①6球種
②近年ツーシームの投球減
③今季スライダー(スラーブ)を投球
④右に縦スラとスライダー、左にチェンジアップの比率増加
⑤チェンジアップと縦スラが決め球
(スライダーは右打者のみ)
【コース】
①次のコースの投球と空振り多い
ストレートは高め
ツーシームは右イン(左アウト)
縦スラ、スライダーは右アウトロー(左インロー)
チェンジアップは左アウトロー
カーブは低め
②インハイ○
③アウトロー○
【対左右・得点圏成績・ホーム】
①左右差があまり無い
②対ピンチ×
⇒得点圏被打率.288、被OPS.758
②ホーム球場〇
⇒被打率.242、防御率4.04
【球種別成績】
①チェンジアップ対右○
②縦スラは左右に優秀
③ストライク率は低い
【リリース】
①リリースは約15cm高く体に近い
②アーム角度49度とスリークォーター
③球離れが早い
【球速・回転数】
①平均球速151.0km/h
⇒NPB先発トップレベル
②球速安定
③チェンジアップは高速
④スライダーは回転数多い
⑤過去7年は平均151km/h前後
【変化量】
①ストレートは真っスラ
②ツーシーム、チェンジアップは横変化量小
③縦スラは縦変化量大
④スライダー(スラーブ)は変化量大
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