第137回 【大谷翔平】打たれたのはフォークの制球が原因?(2021年9月10日投球分析)

2023年2月9日

現地時間9月10日(日本時間11日)に敵地でのアストロズ戦に出場、投打のリアル二刀流の「2番投手」で先発しました。

投手としては3回1/3を9安打6失点、1奪三振1死球の成績で2敗目、残念ながらベーブ・ルース以来となる「2桁勝利・2桁ホームラン」の達成は持ち越しとなりました。大谷投手がリアル二刀流で敗戦したのはキャリア初のことでした。

これで今季は21試合(21先発)に登板し9勝2敗、防御率3.36。

打者としては1打数1本塁打初回に44号を放ちましたが、2,3打席目は四球でした。登板後は外野の守備にはつきませんでした。MLB公式サイトによると、「初回に本塁打を放ち、敗戦投手となった選手」は1900年以降で大谷が初の出来事でした。

今回はそんな「大谷翔平投手の2021年9月10日投球分析」を紹介します。

データはBaseball Savantを使用します。過去の投球分析については下記を参照して下さい。

大谷翔平投手の過去記事一覧

やきゅまる
やきゅまる
不運な打球も多く、球速も出ていたから、そこまで調子が悪かったわけでは無さそう

1. 投球割合

日別投球割合(2021年)

大谷翔平投手の日別投球割合(2021年)
大谷翔平投手の日別投球割合(2021年)

上図は2021年の登板日別の投球割合です。

今回はスライダーの割合が多かったです。そのためストレート、フォークの割合が少なかったです。

左右別投球割合

大谷翔平投手の左右投球割合(2021年9月10日)
大谷翔平投手の左右投球割合(2021年9月10日)

上は2021年、下は9月10日の左右別の投球割合です。

左右どちらにもスライダーが多かったです。 そのためストレート、フォークの割合が少なかったです。

やきゅまる
やきゅまる
流石にスライダーが多すぎだね

回別投球割合

大谷翔平投手の回別投球割合(2021年9月10日)
大谷翔平投手の回別投球割合(2021年9月10日)

今回は終始スライダーを軸に投球していました。どの回もストレートの割合が少なかったです。

2. 球速・回転数

球速・回転数

大谷翔平投手の球速・回転数(2021年9月10日)
大谷翔平投手の球速・回転数(2021年9月10日)

今回のストレートは平均球速154.8km/h、最高球速158.8km/hでした。

150km/h台後半のストレートが多かったです。また他の球種もいつもより1~6km/h速かったです。

やきゅまる
やきゅまる
球速は出ていたので、そこまで調子が悪かったわけでは無さそう

回別平均球速

大谷翔平投手の回別平均球速(2021年9月10日)
大谷翔平投手の回別平均球速(2021年9月10日)

尻上がりに球速が上がり、2回以降は最後まで154km/h以上をキープしています。

やきゅまる
やきゅまる
今回はギアを上げる前に代わってしまった感じ

日別平均球速

大谷翔平投手の日別平均球速(2021年)
大谷翔平投手の日別平均球速(2021年)

上図は2021年の登板日別の平均球速です。

6月以降は平均154km/h前後で安定しています。

日別平均回転数(2021年)

大谷翔平投手の日別平均回転数(2021年)
大谷翔平投手の日別平均回転数(2021年)

全球種の登板日別の平均回転数です。

全球種が緩やかに回転数が減少傾向。開幕当初から緩やかに減少傾向なので、二刀流による疲労が主な原因ではないかと思います。

ただ8月以降は平均2000~2100回転で安定しています。

3. 各成績

対左右成績

大谷翔平投手の対左右成績(2021年9月10日)
大谷翔平投手の対左右成績(2021年9月10日)

左は2021年の平均、右が9月10日の対左右の成績です。

今回は右打者にヒットを多く打たれましたが、左打者にも打たれました

やきゅまる
やきゅまる
不運な打球も多かったね

球種成績

大谷翔平投手の球種別成績(2021年9月10日)
大谷翔平投手の球種別成績(2021年9月10日)

左は2021年の平均、右が9月10日の球種別被打率です。

前回同様にスラッター、スライダーが右打者に打たれました。

フォークで三振が奪えていないのは、他の球種が打たれた原因だと思います。

4 . 変化量

大谷翔平投手の変化量(2021年9月10日)
大谷翔平投手の変化量(2021年9月10日)

上図は「2021年の平均」、「今回(9月10日)」の変化量です。

投球割合が多かったスライダーはホップ量が多く、横変化量が少なかったです。ホップ量が多いのは良いと思いますが、横変化量も小さいので、打者からするといつもより打ちやすかったみたいです。

5. リリースポイント

大谷翔平投手のリリースポイント(2021年9月10日)
大谷翔平投手のリリースポイント(2021年9月10日)

上図は「2021年の平均」、「今回(9月10日)」のリリースポイントです。

リリースポイントはいつも通りでした。

6. ベース上のボールの位置

大谷翔平投手のベース上の位置(2021年9月10日)
大谷翔平投手のベース上の位置(2021年9月10日)

今回(9月10日)の左右打者へのベース上のボールの位置です。

フォークの制球が悪く、ストライクからボールになる球がありません。そのためフォークの投球割合が少なくなり、2ストライクからはほぼスライダーになってしまい、狙い打たれてしまいました。立て直そうと思い、4回先頭の右打者に2ストライクから投げましたが、これがデッドボールになってしまい、ますます使えなくなりました。

実際、敵軍の5番コレア選手も試合後のインタビューで、「フォークがいつもと違い、スライダーに頼る投球だったから対応できた」と発言していました。

右打者にはアウトローに偏りすぎて、インハイの厳しいボールが少なったです。

左打者には際どいボールが少なく、特にスライダーが真ん中付近に集まっています。

やきゅまる
やきゅまる
2ストライクからフォークが投げれず、打たれる場面が多かったね

まとめ

2021年9月10日投球分析のまとめ

①スライダーが40%と多投
②平均球速154.8km/h、最高球速158.8km/h
③スライダーの変化量が小さい
④フォークの制球が悪い
⑤右打者にはアウトロー、左打者には真ん中付近に偏っていた

今回は「大谷翔平投手の2021年9月10日投球分析」を紹介しました。

フォークの制球が悪く、 投球割合が少なくなり、2ストライクからはほぼスライダー一択になってしまいました。そして、そのスライダーがいつもより変化量が少なかったので、打たれてしまいました。

球速は出ていたので、フォークの制球さえ戻れば、次回は圧巻の投球をしてくれそうです。