第89回 【球種分析】ストレートに必要なのはシュート?スライド?(トラックマンデータで検証)
検証⑤「シュートするストレートはホップ成分が少ない」
上図はシュート成分別の変化量の図です。シュート成分が増加すると平均(18cm)付近まではホップ成分は上昇します。
平均(18cm)付近を過ぎるとホップ成分は減少します。
✔平均まではホップ成分は上昇
✔平均よりシュートすると、ホップ成分は減少
検証⑥「球持ちが悪い投手の方がストレートがシュートする」
上図はシュート成分別のリリースポイント(三塁側目線)の図で、右側がホームベースになります。
シュート成分が増加すると、リリースポイントはエクステンションが短く(球持ちが悪く)なり、低くなっています。
✔シュートすると球持ちが悪い
検証⑦「横から投げるほど、ストレートはシュートする」
上図はシュート成分別のリリースポイント(捕手目線)の図です。
シュート成分が増加すると、リリースポイントは頭から遠くなり、低くなっています。つまり横投げになっていきます。
✔シュートすると頭から遠くて低くなる(サイドスローに近づく)
検証⑧「シュートするとゴロが増え、フライが減る」
上図はシュート成分別の打球の種類比率です。
シュート成分が増加すると平均(18cm)付近までゴロ率が減り、フライ率が増えます。
平均(18cm)付近を過ぎるとゴロ率が増え、フライ率が減ります。
②シュートすると長打が打たれやすい
結論「シュートするよりはスライドした方が良い」
検証②「シュートすると長打が打たれやすい」
検証⑥「球持ちが悪い投手の方がストレートがシュートする」
検証⑦「横から投げるほど、ストレートはシュートする」
検証⑧「シュートするとゴロが増え、フライが減る」
検証④「シュートするストレートは回転数が多いが、球速が遅い」
検証⑤「シュートするストレートはホップ成分が少ない」
検証①「シュートするストレートは空振率、見逃率が低い」
検証③「平均くらいのボールが一番打たれやすい」
以上のことから逆に言えば、
シュートするストレートを投げるには、「リリースポイントを低く、頭から離して球離れを早くすること」
スライドするストレートを投げるには、「リリースポイントを高く、頭に近づけて球持ちを良くすること」
だと言えます。
シュートするストレートは「安打や長打が打たれやすい球」なので、出来るだけシュートしない方が良く、スライドした方が良いと言えます。ただし、左打者にはシュートすると有効そうではあります。