第177回 【オリックス】2022年新外国人ワゲスパック投手の投球分析

2021年12月17日、オリックスがブルージェイズのジェイコブ・ワゲスパック投手(28)を獲得したと発表がありました。
そのため今回は「【オリックス】2022年新外国人ワゲスパック投手の投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
基本情報
先発、リリーフを半々
所属球団 | トロント・ブルージェイズ (2019 – 2020) |
ポジション | 先発、リリーフ |
投打 | 右投右打 |
生年月日 | 1993年11月5日(28歳) |
身長 | 198.1 cm |
体重 | 106.6 kg |
2021年は3Aで成績良化

上はメジャー、下は3Aの年度別の成績です。
メジャーでは通算防御率5.08、WHIP1.46と結果を残せませんでした。奪三振と与四死球は平均くらいの投手です。
3Aも2019年までは防御率5点台でしたが、2021年は防御率2.86、被打率.236と成績が良化しました。

持ち球は6球種と豊富
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上図は年別投球割合で、色が球種を表しています。
持ち球はストレート、ツーシーム、カットボール、チェンジアップ、スライダー、カーブの6球種です。
2020年はスライダーを投げておらず、ストレートとチェンジアップの割合が増えています。

左にチェンジアップ
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上図は右打者、左打者別の投球割合で、色が球種を表しています。
チェンジアップは左への投球割合が多いです。他の球種はそれほど左右差が無いです。
ボールが先行するとツーシーム、カットボール
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上図は右打者、左打者別のカウント別投球割合です。左が数値の表、右が円グラフ。
ボールが先行するとツーシームとカットボールの割合が増えます。普通はストレートなので、ツーシームとカットボールの制球に自信がありそうです。
カーブは初球だけでなく、決め球でも使用しています。

リリースは頭に近く、高い
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左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均です。
リリースポイントが約35cm頭に近く、約15cm高いです。球持ちは平均くらいです。

被打球種類は平均的
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上図は各球種、全体、メジャー平均の被打球種類です。
被打球種類はどれも平均くらいです。
対左打者〇
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(MLB2019-2020年)
対左打者の被打率.225、OPS.659と明らかに左打者を得意としています。

対ピンチ×
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得点圏は打率.308、OPS.832と対ピンチは苦手としています。
カーブがかなり優秀
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上はOPSのグラフ、下は球種別の成績です。
スライダーはOPS1.000を超えていて1番打たれています。それが理由で2020年は投げなかったのかもしれません。
カーブはOPS.490とかなり優秀で、特に左打者に有効なボールみたいです。

平均球速148.6km/h、2005回転
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上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。
ストレートの平均球速148.6km/h、2005回転と、MLB平均より球速はやや遅くて回転が少ないボールです。
ツーシーム、チェンジアップも同様に球速はやや遅くて回転が少ないです。
カットボール、スライダー、カーブはMLB平均くらいの球速で、回転数が少ないです。
真っスラ、縦カーブ
回転軸
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上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、△はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
変化量
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上図は捕手側から見た球種別の変化量で、△はMLB平均を表しています。
ストレートは投球軸がバックスピンに近く、変化量もMLB平均より10cmほどスライド方向の真っスラです。
ツーシームはストレート並にホップ成分で、横に変化するシュートみたいなボールです。
カットボール、スライダーはMLB平均くらいのボールです。
チェンジアップも投球軸がバックスピンに近く、落差もありますが、変化量が不安定です。
カーブは投球軸がトップスピンに近く、縦に変化するボールです。回転数は少ないので変化量は小さめです。
ストレートは高めが多く、変化球は低めが少ない
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上図は球種別のヒートマップで、色が濃い所が投球数が多いことを表しています。
ストレートは真ん中高めの投球が多いです。
変化球は全体的に低めではなく、真ん中付近に集まっています。これが被打率の悪化に繋がっていそうです。
右打者へのツーシーム、左打者へのチェンジアップはしっかりコースに投げ込めているので、被打率も低くなっていそうです。

対左打者には高め〇
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対左打者高めの成績が良いです。
またアウトローはチェンジアップのおかげで良いですが、ボールゾーンは何故か打たれてます。
カーブがスプリットみたいな軌道
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リリースが高くて頭に近いので、真っ直ぐに上から来るような軌道です。
ストレート、カットボール、スライダー、カーブの軌道が似ていて、カーブはスプリットみたいにストレートから真下に落ちるような軌道です。
まとめ

①先発、リリーフが半々
②2021年は3Aで成績良化
③持ち球は6球種と豊富
④リリースは頭に近く、高い
⑤対左打者〇
⑥対ピンチ×
⑦平均球速148.6km/h、2005回転
⑧真っスラ
⑨縦カーブが優秀
今回は「【オリックス】2022年新外国人ワゲスパック投手の投球分析」を紹介しました。
メジャーでは通算防御率5.08、WHIP1.46と結果を残せませんでした。奪三振と与四死球はMLB平均くらいの投手です。
3Aでは2021年は防御率2.86、被打率.236と成績が良化しました。
対左打者が得意で、対ピンチには弱い投手です。
ストレートは平均球速148.6km/h、2005回転と、MLB平均より球速はやや遅くて回転が少ないボールです。
持ち球の6球種の中では、カーブがOPS.490とかなり優秀で、投球軸がトップスピンに近い変化量が少ない縦カーブです。
6球種と球種が豊富なことから先発の方が向いてそうで、2021年に成績が良化していることから先発での活躍を期待したいです。
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