第177回 【オリックス】2022年新外国人ワゲスパック投手の投球分析

2023年2月9日

ワゲスパック投手の総評

2021年12月17日、オリックスがブルージェイズのジェイコブ・ワゲスパック投手(28)を獲得したと発表がありました。

そのため今回は「【オリックス】2022年新外国人ワゲスパック投手の投球分析」を紹介します。

データはBaseball SavantFanGraphsのデータを使用します。

2022年新外国人の記事一覧

基本情報

先発、リリーフを半々

所属球団トロント・ブルージェイズ (2019 – 2020)
ポジション先発、リリーフ
投打右投右打
生年月日1993年11月5日(28歳)
身長198.1 cm
体重106.6 kg
基本情報

2021年は3Aで成績良化

ワゲスパック投手の年度別成績
ワゲスパック投手の年度別成績

上はメジャー下は3Aの年度別の成績です。

メジャーでは通算防御率5.08WHIP1.46と結果を残せませんでした。奪三振と与四死球は平均くらいの投手です。

3Aも2019年までは防御率5点台でしたが、2021年は防御率2.86被打率.236と成績が良化しました。

やきゅまる
やきゅまる
今年何かを掴んだのかもね

持ち球は6球種と豊富

ワゲスパック投手の年別投球割合(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手の年別投球割合(MLB2019-2020年)

上図は年別投球割合で、色が球種を表しています。

持ち球はストレートツーシームカットボールチェンジアップスライダーカーブ6球種です。

2020年はスライダーを投げておらず、ストレートとチェンジアップの割合が増えています。

やきゅまる
やきゅまる
球種が豊富だから先発向きだね

左にチェンジアップ

ワゲスパック投手の投球割合(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手の投球割合(MLB2019-2020年)

上図は右打者、左打者別の投球割合で、色が球種を表しています。

チェンジアップは左への投球割合が多いです。他の球種はそれほど左右差が無いです。

ボールが先行するとツーシーム、カットボール

ワゲスパック投手のカウント状況別投球割合(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手のカウント状況別投球割合(MLB2019-2020年)

上図は右打者、左打者別のカウント別投球割合です。左が数値の表、右が円グラフ。

ボールが先行するとツーシームとカットボールの割合が増えます。普通はストレートなので、ツーシームとカットボールの制球に自信がありそうです。

カーブは初球だけでなく、決め球でも使用しています。

やきゅまる
やきゅまる
決め球の種類が多いのは長所だね

リリースは頭に近く、高い

ワゲスパック投手のリリースポイント(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手のリリースポイント(MLB2019-2020年)

左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均です。

リリースポイントが約35cm頭に近く約15cm高いです。球持ちは平均くらいです。

やきゅまる
やきゅまる
上から投げ下ろすタイプだね

被打球種類は平均的

ワゲスパック投手の被打球種類(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手の被打球種類(MLB2019-2020年)

上図は各球種、全体、メジャー平均の被打球種類です。

被打球種類はどれも平均くらいです。

対左打者〇

ワゲスパック投手の対左右成績(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手の対左右成績
(MLB2019-2020年)

対左打者の被打率.225OPS.659と明らかに左打者を得意としています。

やきゅまる
やきゅまる
チェンジアップのおかげかな?

対ピンチ×

ワゲスパック投手の得点圏成績(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手の得点圏成績(MLB2019-2020年)

得点圏は打率.308OPS.832対ピンチは苦手としています。

カーブがかなり優秀

ワゲスパック投手の球種別成績(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手の球種別成績(MLB2019-2020年)

上はOPSのグラフ、下は球種別の成績です。

スライダーはOPS1.000を超えていて1番打たれています。それが理由で2020年は投げなかったのかもしれません。

カーブはOPS.490とかなり優秀で、特に左打者に有効なボールみたいです。

やきゅまる
やきゅまる
もう少しカーブの投球割合を上げても良いかもね

平均球速148.6km/h、2005回転

ワゲスパック投手の球速・回転数(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手の球速・回転数(MLB2019-2020年)

上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。

ストレート平均球速148.6km/h2005回転と、MLB平均より球速はやや遅くて回転が少ないボールです。

ツーシームチェンジアップも同様に球速はやや遅くて回転が少ないです。

カットボールスライダーカーブはMLB平均くらいの球速で、回転数が少ないです。

真っスラ、縦カーブ

回転軸

ワゲスパック投手の回転軸(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手の回転軸(MLB2019-2020年)

上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、△はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。

変化量

ワゲスパック投手の変化量(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手の変化量(MLB2019-2020年)

上図は捕手側から見た球種別の変化量で、△はMLB平均を表しています。

ストレートは投球軸がバックスピンに近く、変化量もMLB平均より10cmほどスライド方向の真っスラです。

ツーシームはストレート並にホップ成分で、横に変化するシュートみたいなボールです。

カットボールスライダーはMLB平均くらいのボールです。

チェンジアップも投球軸がバックスピンに近く、落差もありますが、変化量が不安定です。

カーブは投球軸がトップスピンに近く、縦に変化するボールです。回転数は少ないので変化量は小さめです。

ストレートは高めが多く、変化球は低めが少ない

ワゲスパック投手のヒートマップ(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手のヒートマップ(MLB2019-2020年)

上図は球種別のヒートマップで、色が濃い所が投球数が多いことを表しています。

ストレートは真ん中高めの投球が多いです。

変化球は全体的に低めではなく、真ん中付近に集まっています。これが被打率の悪化に繋がっていそうです。

右打者へのツーシーム、左打者へのチェンジアップはしっかりコースに投げ込めているので、被打率も低くなっていそうです。

やきゅまる
やきゅまる
変化球をコースに投げ込めると成績が向上しそう

対左打者には高め〇

ワゲスパック投手のコース別成績(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手のコース別成績(MLB2019-2020年)

対左打者高めの成績が良いです。

またアウトローはチェンジアップのおかげで良いですが、ボールゾーンは何故か打たれてます。

カーブがスプリットみたいな軌道

ワゲスパック投手の軌道(MLB2019-2020年)
ワゲスパック投手の軌道(MLB2019-2020年)

リリースが高くて頭に近いので、真っ直ぐに上から来るような軌道です。

ストレート、カットボール、スライダー、カーブの軌道が似ていて、カーブはスプリットみたいにストレートから真下に落ちるような軌道です。

まとめ

ワゲスパック投手の総評
ワゲスパック投手の総評
まとめ

①先発、リリーフが半々
②2021年は3Aで成績良化
③持ち球は6球種と豊富
④リリースは頭に近く、高い
⑤対左打者〇
⑥対ピンチ×
⑦平均球速148.6km/h、2005回転
⑧真っスラ
⑨縦カーブが優秀

今回は「【オリックス】2022年新外国人ワゲスパック投手の投球分析」を紹介しました。

メジャーでは通算防御率5.08WHIP1.46と結果を残せませんでした。奪三振と与四死球はMLB平均くらいの投手です。

3Aでは2021年は防御率2.86被打率.236と成績が良化しました。

対左打者が得意で、対ピンチには弱い投手です。

ストレートは平均球速148.6km/h2005回転と、MLB平均より球速はやや遅くて回転が少ないボールです。

持ち球の6球種の中では、カーブがOPS.490とかなり優秀で、投球軸がトップスピンに近い変化量が少ない縦カーブです。

6球種と球種が豊富なことから先発の方が向いてそうで、2021年に成績が良化していることから先発での活躍を期待したいです。