第310回 【西武】2023年新外国人ヘスス・ティノコ投手の投球分析
2022年12月16日、西武が新外国人選手として前レンジャーズのヘスス・ティノコ投手(27)を獲得したと発表しました。1年契約の推定年俸1億円で背番号は「54」。
ティノコ投手はツーシームとカットボールが投球の8割以上で、動きのあるボールで三振を奪う平均球速154km/hの剛腕リリーフです。
今回はそんな「【西武】2023年新外国人ヘスス・ティノコ投手の投球分析」を紹介します。
Baseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 基本情報
剛腕リリーフ
所属球団 | コロラド・ロッキーズ (2019) マイアミ・マーリンズ (2020) コロラド・ロッキーズ (2020 – 2021) テキサス・レンジャーズ (2022) |
ポジション | リリーフ |
投打 | 右投右打 |
生年月日 | 1995年4月30日(27歳) |
身長 | 193 cm |
体重 | 117 kg |
3Aでの奪三振率が高い
MLB通算で48試合に登板して防御率4.05、被打率.231、奪三振率7.0、与四死球率5.8です。またフライ率が29%(MLB平均22.5%)と高いフライボーラーです。
今季3Aでは35試合に登板して防御率3.27、被打率.204、奪三振率10.4、与四死球率3.5でした。
投手としての特徴は「球速が速い」「ツーシームとカットボールが投球の8割以上」「フライが多い」などがあげられます。
2. 球種・投球割合
持ち球は6球種
持ち球はストレート、ツーシーム、スプリット、カットボール、チェンジアップ、スライダーの6球種です。
ただし、2022年はスプリットを投球しておらず、ツーシームとカットボールが投球の8割以上です。
左打者にスライダー多投
上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。
右打者にはツーシームとカットボールが約9割投球しています。左打者にはスライダーを多投しています。
ツーシームはカウント球、カットボールとスライダーは決め球
ツーシームはカウント球、カットボールとスライダーは決め球で使用しています。
3. コース
ベースの左にツーシーム、右にカットボール
ベースの左にツーシーム、右にカットボールを投球しています。スライダーはカットボールの位置からさらに縦に落とす軌道が多いです。
左右ともにインロー、アウトロー〇
左右ともにインローとアウトローの成績が良いです。
4. 各成績
対右打者が得意
右打者の被打率.222、被OPS.784と右打者に強いです。
3A通算でも右打者の被打率.221と対右打者の成績が良いです。
対ピンチに強い
得点圏の被打率.190、被OPS.709と低く、対ピンチに強いです。
決め球のカットボールとスライダーは優秀
左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。
決め球のカットボールとスライダーは被打率と被OPSが低く空振り率が高いです。
ただスライダーはゾーン内率29%でストライク率が49%と低いです。
全体でもゾーン内率44%と低いため、ストライク率は59%しかありません。
5. リリースポイント
リリース位置が不安定
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。
基本的にはMLB平均よりリリースは体に近いですが、意図的なのかかなりリリース位置が不安定です。
エクステンションは少し短く球離れが早いです。
6. 球速と回転数
平均球速154.7km/h、最高157.1km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。
ストレートの平均球速は154.7km/hで全球がMLB平均よりも速かったです。回転数は2315回転と平均くらいです。
ツーシームは球速が速く、回転数がかなり多いです。
カットボール、スライダーは球速と回転数は平均的です。
チェンジアップは平均145.1km/hとかなり高速で回転数が少ないです。
球速が急上昇
2019年〜2021年は平均球速152km/h前後でしたが、2022年は平均球速は154.7km/hと急上昇しています。
回転数は2300回転前後で安定しています。
7. 変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
変化球は変化量大
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、△はMLB平均を表しています。
ストレートはほぼMLB平均くらいのボールです。
ツーシームはMLB平均より横変化量が大きいです。
カットボールとスライダーはMLB平均より縦変化量が大きいです。
まとめ
①MLB通算で防御率4.05、被打率.231、奪三振率7.0、与四死球率5.8
②持ち球は6球種
③被本塁打が少ない
④フライ率29%(MLB平均22.5%)
⑤ツーシームとカットボールが投球の8割
⑥左にスライダーを多投
⑦ツーシームはカウント球、カットボールとスライダーは決め球
⑧インロー、アウトロー〇
⑨対右打者が得意
⑩ピンチに強い
⑪ゾーン内率44%と低い
⑫リリース位置が不安定
⑬平均球速154.7km/h、最高157.1km/h
⑭ツーシームは高速で回転数が多く横変化量が大きい
⑮カットボールとスライダーは空振り率が高く縦変化量が大きい
MLB通算で48試合に登板して防御率4.05、被打率.231、奪三振率7.0、与四死球率5.8です。またフライ率が29%(MLB平均22.5%)と高いフライボーラーです。
今季3Aでは35試合に登板して防御率3.27、被打率.204、奪三振率10.4、与四死球率3.5でした。
投手としての特徴は「球速が速い」「ツーシームとカットボールが投球の8割以上」「フライが多い」などがあげられます。
ツーシームは平均154.5km/hと速くて回転数がかなり多く横変化量が大きいです。
決め球のカットボールとスライダーは空振り率が高くて、縦変化量が大きいです。
ゾーン内率44%と低いため、ストライク率は59%しかありません。ゾーン内でストライクが取れるかが大事になりそうです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません