第388回 【大谷翔平】7回途中1失点10K&2発で7勝目(2023年6月27日ホワイトソックス戦)
2023年6月27日(日本時間6月28日)、大谷翔平投手(28)が本拠地エンゼルスタジアムでのホワイトソックス戦に「2番・投手兼DH」で投打同時出場。
6回1/3を投げて102球、被安打4、四死球2、奪三振10、失点1で7勝目。
ストレートの平均球速155.0km/hと球速は出ていませんでしたが、13%と多投したフォークで5奪三振を奪いました。
7回途中無失点投球を続けていましたが試合前から割れていた右手中指爪が悪化して降板。後続が打たれたため失点は1となりました。
また打者としては27号、28号を放つなど3打数3安打2打点、キャリア初の登板日2発となりました。
これで被打率.180はMLB1位、奪三振率12.0はア・リーグ1位となりました(6月27日時点)。
今回はそんな「大谷翔平投手の2023年6月27日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
フォーク、縦スラを13%多投
今回はストレート、ツーシーム、フォーク、カットボール、縦スラ、スライダー、カーブの7球種を投球しました。
フォーク、縦スラを13%と多投しました
今回はスプリームは投球しませんでした。
あまりに多彩すぎてトラックマンデータも球種を誤判定していたので、握りで球種を再判別しました。
大谷翔平投手本人が語ってるようにMLB公式の球種判別は間違っていることがあるみたいです。
※当ブログでは握りが違う「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
左打者にツーシームなし
上は2022年、下は今回の左右投球割合です。
右打者にはストレートを多投しました。
左打者にツーシームは投球せず、カットボールを多投しました。
全ての回で4球種以上投球
全ての回で4球種以上投球して球種の偏りがありませんでした。
2. コース
右打者のアウトロー、左打者のインローを攻めた
右打者のアウトローに色んな球種を投球しました。
左打者にはインローを多投していました。
3. 対左右成績
左右関係なく奪三振
上図は今回、2023年、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
右打者から7奪三振、左打者から3奪三振と左右関係なく三振を奪いました。
ヒメネス選手以外の右打者は全員抑えました。
4. 球種成績
フォークで5奪三振
全体でストライク率61%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率45%(MLB平均48.5%)と、ゾーン内率もストライク率も高くありませんでした。
フォークで5奪三振を奪うなど、空振りは18球と多かったです。(2023年平均が14個)
5. リリースポイント
今回はスライダーは横からのみ
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
2022年よりリリース位置が体に近く低いです。また球持ちが良かったです。
今回はスライダーを上から投げず、横からのみでした。
6. 球速と回転数
平均球速155.0km/h、最高159.6km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速155.0km/h、最高球速159.6km/h、回転数は2263回転でした。
平均球速155.0km/hと今季2番目の遅さ
上は登板日別の平均球速と回転数の図です。
ストレートの平均球速155.0km/hは今季2番目の遅さでした。
回転数は2263回転と今季平均くらいです。
終盤まで球速維持
上は球種ごとの回別平均球速です。
1回は平均155.6km/h、7回は平均154.2km/hと終盤まで球速を維持してました。
ただ4回は平均152.8km/hまで球速が低下しました。
7. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
ストレートがかなり真っスラ
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートがいつも以上に真っスラです。
フォークは初回は落差が大きく安定していましたが、5回以降は変化量が不安定でした。特に7回の一球はホップ量49cmとストレート以上にノビてキャッチャーが取れなかったです。
まとめ
①キャリア初の登板日2発(27号28号)
②スプリームは投球無し
③7球種(握りで球種を判定)
④フォーク、縦スラ13%と多投
⑤左打者にツーシーム0、カットボール多投
⑥全ての回で4球種以上投球(球種の偏りがない)
⑦右打者にアウトロー、左打者にインロー多投
⑧フォークで5奪三振
⑨空振り18個(2023年平均14個)
⑩今回はスライダーを上から投げなかった
⑪終盤まで球速維持
⑫ストレートは真っスラ
⑬フォークは5回以降変化量は不安定
⇒ホップ量49cmとノビる球はキャッチャーが取れなかった
【ストレート】
平均球速155.0km/h
最高159.6km/h
平均2221回転
ホップ量31cm、シュート成分4cm
今回は「大谷翔平投手の2023年6月27日投球分析」を紹介しました。
6回1/3を投げて102球、被安打4、四死球2、奪三振10、失点1で7勝目。
ストレートの平均球速155.0km/hと球速は出ていませんでしたが、13%と多投したフォークで5奪三振を奪いました。
最近イマイチだったフォークが復調気配なので、次回登板予定のパドレス戦が楽しみです。
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