第398回 【大谷翔平】7回途中9K5失点で8勝目(2023年7月21日パイレーツ戦)
2023年7月21日(日本時間7月22日)、大谷翔平投手(29)が本拠地エンゼルスタジアムでのパイレーツ戦に「2番・投手兼DH」で投打同時出場。
6回1/3を投げて87球、被安打6、四死球2、奪三振9、失点5(自責5)でしたが、打線の援護もあって8勝目。
前回までは爪を痛めてる影響で球速が出てませんでしたが、今回はストレートの平均球速が155.8km/hと今季平均くらい球速は出ていました。
1試合4被弾は自己ワーストでしたが、ゾーン内率60%、ストライク率69%とストライクゾーンで勝負出来ていました。またスプリームを久しぶりに投球しました。
今季の被打率.195はMLB1位、奪三振率11.9はア・リーグ2位です(7月21日時点)。
今回はそんな「大谷翔平投手の2023年7月21日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
スプリームを7%と多投
今回はストレート、スプリーム、カットボール、縦スラ、スライダー、カーブの6球種を投球しました。
スプリームを久しぶりに多投しました
今回はツーシーム、フォークは投球しませんでした。
あまりに多彩すぎてトラックマンデータも球種を誤判定していたので、握りで球種を再判別しました。
大谷翔平投手本人が語ってるようにMLB公式の球種判別は間違っていることがあるみたいです。
※当ブログでは握りが違う「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
右打者にストレートを多投
上は2022年、下は今回の左右投球割合です。
右打者にはストレートを多投し、左打者には少なかったです。
その分、左打者にスプリームとカットボールを多投しました。
全ての回で18球以下
全ての回で18球以下であり、球数的にも良いペースでした。
2. コース
右打者のアウトコース、左打者のインローを攻めた
右打者のアウトコース、左打者にはインローを多投していました。
3. 対左右成績
右打者に打たれた
上図は今回、2023年、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
左右2被弾ずつしましたが、特に右打者に被OPS1.806と打たれました。
4. 球種成績
空振りは14個
全体でストライク率69%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率60%(MLB平均48.5%)と、ゾーン内で勝負出来ていました。
空振りは14球と平均的でした。(2023年平均が14個)
5. リリースポイント
今回はスライダーは横からのみ
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
2022年よりリリース位置が体に近く低いです。
またエクステンションが長く、球持ちが良かったです。
今回はスライダーを上から投げず、横からのみでした。
6. 球速と回転数
平均球速155.8km/h、最高160.9km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速155.8km/h、最高球速160.9km/h、回転数は2255回転でした。
平均球速は今季平均並に復調
上は登板日別の平均球速と回転数の図です。
ストレートの平均球速155.8km/hと今季平均並に復調しました。
回転数2255回転も今季平均並です。
終盤まで球速維持
上は球種ごとの回別平均球速です。
尻上がりに球速を5回は平均158.6km/h出てました。
6回、7回は球速が少し低下しましたが、7回でも156.3km/hと球速を維持しました。
7. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
スライダーは曲がりが小さい球が多い
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートがホップ成分が少ない球が多かったです。
縦スラは縦変化量が小さかったです。
スライダーは曲がりが小さい球が多かったです。しかし、横変化量40cm以上のボールは多くの空振りを奪いました。
まとめ
①被打率.195はMLB1位
②ツーシーム、フォークは投球無し
③6球種(握りで球種を判定)
④スプリームを久しぶりに投球
⇒去年と握りが違う
⑤右打者にストレート、左打者にスプリームとカットボール多投
⑥全ての回で18球以下
⑦右打者にアウトコース、左打者にインロー多投
⑧ゾーン内率とストライク率が非常に高い
⑨空振り14個(2023年平均14個)
⑩今回はスライダーを上から投げなかった
⑪終盤まで球速維持
⑫ストレートはホップ成分が少ない球が多い
⑬縦スラは縦変化量が小さい
⑭スライダーは変化量小さい球が多い
⇒40cm以上の球は空振りを多く奪った
【ストレート】
平均球速155.8km/h
最高160.9km/h
平均2255回転
ホップ量31cm、シュート成分7cm
今回は「大谷翔平投手の2023年7月21日投球分析」を紹介しました。
6回1/3を投げて87球、被安打6、四死球2、奪三振9、失点5(自責5)でしたが、打線の援護もあって8勝目。
1試合4被弾は自己ワーストでしたが、ゾーン内率60%、ストライク率69%とストライクゾーンで勝負出来ていました。またスプリームを久しぶりに投球しました。
次回登板予定はタイガース戦です。
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