第284回 【大谷翔平】寒さ&雨に耐えて5回2失点7Kで14勝目(2022年9月23日投球分析)
2022年9月23日、大谷翔平投手(28)が敵地ターゲットフィールドでのツインズ戦に「3番・投手兼DH」で投打同時出場。
5回0/3を投げて100球、被安打3、四死球7、奪三振7、失点2で14勝目。
試合開始時の気温は11.7度、雨が強い中での試合となり、寒さ&雨との闘いになりました。
1回から制球が乱れて3四死球で失点。しかし、4回からは寒さ&雨にも順応し始めたのか、5者連続三振を奪いました。
今回はそんな「【投手兼DH】大谷翔平投手の2022年9月23日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
バランス良く投球
今回はストレート、ツーシーム、フォーク、カットボール、縦スラ、スライダー、カーブの7球種を投球しました。
前回同様にバランス良く投球しました。
スプリームは投げませんでした。
※当ブログでは「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
縦スラは主に左打者
上は前回登板までの2022年平均、下は今回の左右投球割合です。
フォークは左右ともに少なかったです。
前回から投げ始めた縦スラは主に左打者に投球していて、フォークの代わりに決め球として使用していました。
2. コース
引っ掛けた球が多い
上図の右下のボールゾーンに左右ともに引っ掛けたボール球が多かったです。
3. 各成績
単打3本のみ
上図は今回、前回登板までの2022年平均、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
打たれたのは左打者の単打3本のみでした。しかし、右打者には5四死球もしてしまいました。
ストライク率がかなり低い
縦スラはストライク率77%、ゾーン内率38%とゾーン外をかなり振らせました。
全体でストライク率52%(前回68%)、ゾーン内率43%(前回48%)と、本人が試合後に語ったようにかなりストライクを取るのを苦労しました。
空振りは12個(前回16個)と、いつもよりは少なかったです。
4. リリースポイント
縦スラのリリース位置が高い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
スライダーなどより縦スラはリリース位置が高いです。
また雨の影響で引っ掛けたのか、エクステンションが長い球が多かったです。
5. 球速と回転数
平均球速155.4km/h、最高160.1km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速155.4km/h、最高球速160.1km/h、回転数は2280回転でした。
縦スラはスライダーと同じくらいの球速ですが、回転数は少し多いです。
カーブは球速が遅いスローカーブと、球速が速く回転数が多いパワーカーブの2種類を投げ分けていました。
平均球速、回転数ともに平均くらい
ストレートは平均球速155.5km/hで、今季の中では遅い方でした。ただ、これはストライクが入らず、置きにいったボールが多かったためと考えられます。
回転数も2280回転と今季5番目に回転数が多かったです。
1回は球速も出ていなかった
1回はストライクが入らず、置きにいったボールが多かったので球速が出ていませんでした。
終盤は球速が出ていました。
6. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
ストレートのホップ量が大きい
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
いつもは真っスラ気味のストレートはシュートライズ気味でした。特にウォルナー選手から見逃し三振を奪ったボールはホップ成分が48cmもあり、ノビがありました。
ツーシームはMLB平均よりも変化量が大きいです。
フォークは変化量が不安定していました。
新球種の縦スラはまだまだ変化量が不安定です。
カーブは球速が遅くて変化量が大きいスローカーブと、球速が速くて変化量が少ないパワーカーブの2種類を投げ分けていました。
まとめ
①縦スラは主に左打者
②引っ掛けた球が多い
③ストライク率がかなり低い
④縦スラのリリース位置が高い
⑤スローカーブ、パワーカーブを投げ分け
⑥縦スラの変化量不安定
⑦ストレートのホップ量が大きい
【ストレート】
平均球速155.4km/h
最高160.1km/h
平均2280回転
ホップ量41cm、シュート成分14cm
今回は「【投手兼DH】大谷翔平投手の2022年9月23日投球分析」を紹介しました。
5回0/3を投げて100球、被安打3、四死球7、奪三振7、失点2で14勝目。
1回から制球が乱れて3四死球で失点。しかし、4回からは寒さ&雨にも順応し始めたのか、5者連続三振を奪いました。
ただ試合全体では引っ掛けた球が多く、ストライク率がかなり低かったです。
いつもは真っスラ気味のストレートはシュートライズ気味でした。特にウォルナー選手から見逃し三振を奪ったボールはホップ成分が48cmもあり、ノビがありました。
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