第93回 【大谷翔平】新球スラッターを封印?(2021年5月5日投球分析)
現地時間5月5日、本拠地でのレイズ戦で今季4度目の先発登板。安定感に欠く内容ながら、6回途中(5回0/3)84球1安打6四死球0失点7奪三振という投球内容でした。
今回は主に4月の3登板と比較しながら「2021年5月5日の投球分析」を紹介します。データはBaseball Savantを使用します。過去の投球分析については下記を参照して下さい。
1. フォークを多投
左は4月の3登板の平均、右図は5月5日の投球割合です。
5月5日は新球のスラッターを投げず、フォークを多投していました。これはフォークの方が制球が安定しているからだと思います。制球が安定してくれば、またスラッターを投げるのかもしれません。
2. 序盤はストレート、3回以降はフォーク主体
上図は5月5日の回別投球割合です。
1回、2回は7割以上がストレートでしたが、3回以降はフォークを5割近く投げています。
前回までの登板は序盤にカーブ、スライダー、スラッターの制球に苦しんでいたので、立ち上がりはストレート主体の配球になったと考えられます。
3. リリースポイントが2回以降に改善
4月26日の登板同様に、ストレートのリリースポイントが1回は体に近く、2回以降は本来のリリースポイントに戻っています。
リリースポイントが頭に近いことで、シュート方向にストレートが抜けやすく、1回に制球が安定しない理由と考えられます。
4. 球種成績
フォークを多投した影響か、ストレートで三振が2つ獲れました。
本人が「フォークの調子が良くなかった」と言うように、フォークでの三振は4つしかありませんでした。前回までに比べると三振の割合が少ないですが、普通に凄いです。
カーブは3球だけでしたが、前回までとは違い、すっぽ抜けずに空振りを奪えてました。特に4回の三振を奪った球は、非常に良かったと思います。
スライダーは相変わらず曲がりが大きく、審判にストライクをコールして貰えない球もありました。
5. 球速は抑えめ
全体的に球速は1~2km/hくらい前回までより遅かったです。
ただし、カーブは逆に2km/hくらい速く、これが制球の安定に繋がったのかもしれません。
6. スライダーがさらに横滑り
ストレート、フォーク、カーブについては前回までと同じくらいの変化量です。
スライダーは前回(2021スライダー)までよりホップ成分が10cmくらい多く、より浮き上がりながら横に滑る変化をしてます。
7. 軌道シミュレーション
5月5日の軌道と軌道シミュレーションです。
軌道シミュレーションはストレートとフォークはストライクゾーンに入るように、スライダーとカーブはストライクからボールになるように調整してます。
全球種が凄い変化してますが、特にフォークがストレートの軌道から手元で落ちています。
8. まとめ
①新球スラッターは封印
②フォークを多投
③序盤はストレート、3回以降はフォークを主体
④2回以降はリリースポイントが改善
⑤カーブの制球が改善
今回は「大谷翔平投手の2021年5月5日投球分析」を紹介しました。
新球スラッターを封印し、序盤はストレート、3回以降はフォークを主体とすることでなんとか無失点で終えることが出来ました。
次回はスラッター、スライダー、カーブの割合が増えるのか、5月11日(日本時間5月12日)の登板が楽しみです。
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