第93回 【大谷翔平】新球スラッターを封印?(2021年5月5日投球分析)

2023年2月9日

現地時間5月5日、本拠地でのレイズ戦で今季4度目の先発登板。安定感に欠く内容ながら、6回途中(5回0/3)84球1安打6四死球0失点7奪三振という投球内容でした。

今回は主に4月の3登板と比較しながら「2021年5月5日の投球分析」を紹介します。データはBaseball Savantを使用します。過去の投球分析については下記を参照して下さい。

大谷翔平投手の過去記事一覧


1. フォークを多投

大谷翔平投手の投球割合
大谷翔平投手の投球割合

左は4月の3登板の平均、右図は5月5日の投球割合です。

5月5日は新球のスラッターを投げず、フォークを多投していました。これはフォークの方が制球が安定しているからだと思います。制球が安定してくれば、またスラッターを投げるのかもしれません。

やきゅまる
やきゅまる
他球種の制球が安定するまでは、スラッターは封印かな?

2. 序盤はストレート、3回以降はフォーク主体

大谷翔平投手の回別割合
大谷翔平投手の回別投球割合

上図は5月5日の回別投球割合です。

1回、2回は7割以上がストレートでしたが、3回以降はフォークを5割近く投げています。

前回までの登板は序盤にカーブ、スライダー、スラッターの制球に苦しんでいたので、立ち上がりはストレート主体の配球になったと考えられます。

3. リリースポイントが2回以降に改善

大谷翔平投手のストレートのリリースポイント
大谷翔平投手のストレートのリリースポイント

4月26日の登板同様に、ストレートのリリースポイントが1回は体に近く、2回以降は本来のリリースポイントに戻っています。

リリースポイントが頭に近いことで、シュート方向にストレートが抜けやすく、1回に制球が安定しない理由と考えられます。

4. 球種成績

大谷翔平投手の球種成績
大谷翔平投手の球種成績

フォークを多投した影響か、ストレートで三振が2つ獲れました。

本人が「フォークの調子が良くなかった」と言うように、フォークでの三振は4つしかありませんでした。前回までに比べると三振の割合が少ないですが、普通に凄いです。

カーブは3球だけでしたが、前回までとは違い、すっぽ抜けずに空振りを奪えてました。特に4回の三振を奪った球は、非常に良かったと思います。

スライダーは相変わらず曲がりが大きく、審判にストライクをコールして貰えない球もありました。

やきゅまる
やきゅまる
カーブが安定してきたので、次回は割合が増えそう

5. 球速は抑えめ

大谷翔平投手の球速・回転数
大谷翔平投手の球速・回転数

全体的に球速は1~2km/hくらい前回までより遅かったです。

ただし、カーブは逆に2km/hくらい速く、これが制球の安定に繋がったのかもしれません。

6. スライダーがさらに横滑り

大谷翔平投手の変化量
大谷翔平投手の変化量

ストレート、フォーク、カーブについては前回までと同じくらいの変化量です。

スライダーは前回(2021スライダー)までよりホップ成分が10cmくらい多く、より浮き上がりながら横に滑る変化をしてます。

7. 軌道シミュレーション

大谷翔平投手の軌道
大谷翔平投手の軌道
大谷翔平投手の軌道シミュレーション
大谷翔平投手の軌道シミュレーション

5月5日の軌道と軌道シミュレーションです。

軌道シミュレーションはストレートとフォークはストライクゾーンに入るように、スライダーとカーブはストライクからボールになるように調整してます。

全球種が凄い変化してますが、特にフォークがストレートの軌道から手元で落ちています

8. まとめ

2021年5月5日投球分析のまとめ

①新球スラッターは封印
②フォークを多投
③序盤はストレート、3回以降はフォークを主体
④2回以降はリリースポイントが改善
⑤カーブの制球が改善

今回は「大谷翔平投手の2021年5月5日投球分析」を紹介しました。

新球スラッターを封印し、序盤はストレート、3回以降はフォークを主体とすることでなんとか無失点で終えることが出来ました。

次回はスラッター、スライダー、カーブの割合が増えるのか、5月11日(日本時間5月12日)の登板が楽しみです。

やきゅまる
やきゅまる
登板を重ねるごとに安定してきたので、次回登板が楽しみ