第55回 【大谷翔平】2018, 2020年の投球分析
今年はスプリングトレーニングで投打ともに調子が良さそうな大谷投手。今回は大谷投手のこれまでのメジャーでの投球を分析したので、2018, 2020年Baseball Savantのスタットキャストのデータを紹介したいと思います。
2021年のオープン戦についてはまだデータが無かったのですが、次回登板はデータが公開される予定なので、公開されれば記事にします。
1. 基本成績
2018年は高い奪三振率11.0を誇り、被打率は左右ともに2割前後とエース級の成績でした。しかし、シーズン中盤で右肘のトミージョン手術を受けることになり、そこから投手としては1年以上のリハビリが続きます。
2020年は怪我からの復帰登板でしたが、誰の目から見ても本来の大谷投手の投球では無かったです。2試合で2回を投げずに8四死球と、全くボールを操れていませんでしたし、フォームも安定していませんでした。特に腕の振りが小さく、振れていませんでしたので、この成績もしょうがないと思います。
怪我さえしなければ圧倒的な成績を残しそう
2. 投球割合
大谷投手の球種はストレート、フォーク、スライダー、カーブの4球種です。
あれだけ2020年は荒れた投球をしていましたが、意外と2018年と2020年では傾向が変わっていません。
右打者にはスライダー、左打者にはストレートとカーブの投球割合が増えます。
3. コース別投球割合(2018)
2020年はデータが少ないので、ここでは2018年のデータのみです。
大谷投手は左右関係なく、ストレートをアウトローへ投球することを基本にしています。
フォーク、スライダーはベースの右側(右打者のアウトコース)への投球が多いです。
これらはメジャー平均の投手とは異なります。「フライボール革命には、高めのストレートが有効」とよく言われるように、今年の大谷投手は高めのストレートの割合が増えるかもしれません。
4. カウント別投球割合(2018)
2020年はデータが少ないので、ここでは2018年のデータのみです。
右打者にはストレート、スライダーでカウントを整え、フォークを決め球にしています。
左打者にはストレート、カーブでカウントを整え、フォークを決め球にしています。
ボールが先行するとストレートを投げる割合が増えます。