第55回 【大谷翔平】2018, 2020年の投球分析
6. 球速・回転数
メジャー平均との比較
2018年はストレート、フォークの球速がメジャー平均より速いですが、スライダーとカーブはメジャー平均より遅いです。
回転数は全球種少ないです。
2018年と2020年との比較
2020年は2018年に比べて全球種の球速が遅かったです。
2018年は3000回転付近のボールが1球もないのに、2020年は全球種で数球見られます。
これはリリースがおかしくて、指にボールが引っかかって叩きつけたボールです。
回転数からも2020年の投球が不安定だったのが分かります。
7. リリースポイント
2018年の図のように、大谷投手は頭より遠く、高いリリースポイントの投手です。
しかし、2020年の7月26日のリリースポイントは、2018年より30cm近く頭よりで、5cmほど低かったです。
これは故障の影響で肘が伸びきらずに投げていたためだと思います。
2020年の8月2日のリリースポイントは、横方向については改善されましたが、縦方向についてはまだ低かったです。
エクステンションについては、2020年は捕手寄りですが、これは指にボールが引っかかったためです。
8. 変化量
2018年のように、大谷投手のストレートの変化量はほぼメジャー平均と同じです。
ただし、変化球はどれも変化量が異次元のレベルです。
フォークは、ストレートに対して縦に落ちる量が大きく、横の成分はほぼ同じ位置にあります。
横の成分がストレートと同じなので、ストレートとの見極めが難しくなっています。
スライダーは、メジャー平均の2倍以上も横に曲がります。ストレートとの横の変化量の差はベースよりも大きいです。打者からすると、インコースのボール球のストレートだと思ったら、アウトコースのボールゾーンまで変化することになります。
カーブもメジャー平均の2倍近く落ちます。打者からすると、高めのボール球のストレートだと思ったら、低めのボールゾーンにまで変化することになります。
2020年はストレートはスライドして少しホップ成分が少なかったです。
変化球も多少の差はありますが、メジャー平均に比べると変化が大きいのは変わりませんでした。