第75回 【前田健太】リリースポイントがまた変わった!(2021年4月1日投球分析)
メジャーの日本人投手が全員投げたので、初登板の投球分析を紹介していこうと思います。
まず最初は「前田健太投手の2021年4月1日投球分析」です。
データはBaseball Savantのトラックマンデータを使用しました。今回からBaseball Savantのデータに「回転軸」と「得点期待値」の項目が追加されていました。
1. 投球概要(2021年4月1日)
現地時間4月1日、ツインズの前田健太投手がブルワーズとの開幕戦に先発し、5回途中2失点(自責1)でマウンドを降りました。
初回、3者凡退と順調な立ち上がりでしたが、2回以降は苦しみました。2回は無死一、二塁のピンチをしのいだものの、2点先取した3回は2死満塁からショーに押し出し四球を献上。4回は2死から一、二塁としたものの、ヒウラを空振り三振に抑えました。5回、先頭・イエリッチの右前打、遊撃・シモンズのエラーなどで1死一、二塁のピンチを招いたところで降板。
投球内容としては88球(ストライク57球)、5奪三振3四死球、6安打2失点(自責1)で防御率2.08でした。
2. 右打者にツーシームを多投
2020年との比較
左右別
2020年と比較するとツーシームの投球割合が多かったです。左右別で比較すると特に右打者にツーシームの多投しています。ツーシームはスプリングトレーニングでも多投しており、今シーズンは軸の一つに加えるのかもしれません。
また、今回から「回転軸」のデータから「スライダー」と「縦スラ」を分類しました。「回転軸」で分類した理由は下記の前田投手のyoutubeで「スライダーは握りは一緒でリリースの向き(回転軸)が違う」と発言されていたのを参考にしました。縦スラは右打者に多投しています。
3. 珍しくチェンジアップが打たれている
球種別の成績を見ると、全6安打中3安打がチェンジアップでした。2020年のチェンジアップ被打率は.122なので珍しくチェンジアップが打たれたことになります。
4. 球速と回転数は昨年並
2020年と比較すると、球速は同じあるいは少し速かったです。特にツーシームが去年より球速が出ています。回転数も2020年と同じくらいなので、調子は悪くなさそうです。
5. 中盤に少し球速低下
回別の球速を見ると、4,5回の中盤に球速が1~5km/h低下しています。2回以降はピンチの連続だったのが響いたのかもしれません。