第200回 【プロ野球】2022年新人王候補(投手編)

2022年3月12日

【プロ野球】2022年新人王候補(投手編)
【プロ野球】2022年新人王候補(投手編)

前回までに「2021年の新人王候補の的中度」、「直近20年間の新人王の傾向」を紹介しました。

今回は「2022年新人王候補(投手編)」について予想します。

データは日本野球機構ドラフトレポートを使用しました。

1. 【投手】2022年新人王候補

【投手】2022年新人王候補
【投手】2022年新人王候補

過去の傾向の「大学卒」「1年目」「ドラフト1位」の条件を満たすのは、今年は山下輝投手大勢投手黒原投手椋木投手隅田投手の5投手です。

山下輝投手は昨秋に左尺骨を疲労骨折して体調が万全ではないので、昨年の奥川投手のようにヤクルト首脳陣が登板数を抑えるだろうと思い、候補から外しました。

黒原投手椋木投手は救援に回ると考えられるため、過去の傾向の「先発」の条件を満たさないので候補から外しました。

大勢投手は救援に回りますが、「シーズン中に先発に転向する可能性があること」「勝ちパターンでの起用になり、ホールドのタイトルを狙えること」から候補に入れました。

残りの選手については過去の傾向から先発ローテーションに入れるかが最大のポイントと考え、その可能性が高い先発を中心に選びました。

救援からは1軍実績のある水上投手守護神のチャンスのある北山投手を選びました。

やきゅまる
やきゅまる
去年の反省を生かせず、また巨人と中日の投手を多く選んでしまった

①桐敷 拓馬

桐敷 拓馬投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月6日まで)
桐敷 拓馬投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月6日まで)
桐敷 拓馬の特徴

✔2500回転
✔多彩な変化球
✔与四死球率 1.8(大学)
✔奪三振率 12.4(大学)

持ち球はストレートツーシームフォークチェンジアップスライダー5球種と多彩で、投球割合のバランスが良いです。

ストレートは平均142km/hですが、回転数が2500回転とキレがあって空振りが獲れるボールです。

2021年の大学成績は防御率1.59WHIP0.79奪三振率12.4与四死球率1.8と高い制球力と奪三振能力を兼ね備えおり、昨秋には完全試合を達成しました。

矢野監督のコメントからも先発ローテーションに入る可能性は高く、10勝すれば新人王の可能性が高い投手です。

やきゅまる
やきゅまる
リリーフよりも先発の方が向いてそうなタイプ

②大勢

大勢投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月6日まで)
大勢投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月6日まで)
大勢の特徴

✔最速158km/h
✔2600回転
✔ストレートの球威
✔奪三振率 12.6(大学)

持ち球はストレートフォークチェンジアップスライダー4球種です。

ただし、オープン戦ではストレートフォークスライダーの3球種のみで、プロではチェンジアップは投げないかもしれません。

ストレートは最速158km/h、平均154.6km/hと速く、回転数が2600回転とキレがあります。またリリースポイントが低く、シュート回転しながら球威があるので、右打者は打っても重たく感じるボールだと考えられます。

2021年の大学成績は防御率2.29WHIP1.14奪三振率12.6与四死球率4.3と高い奪三振能力を持っています。

球威のあるストレートにフォークがあって、スライダーも回転数が多くキレがあるので、プロでも三振を多く獲れそうです。

唯一の心配は制球力ですが、リリーフなら勝ちパターンの投手になれるだけのポテンシャルを持っています。

やきゅまる
やきゅまる
ただ、巨人のシュート投手は制球力に不安があるよね

③赤星 優志

赤星 優志投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月6日まで)
赤星 優志投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月6日まで)
赤星 優志の特徴

✔多彩な変化球
✔与四死球率 2.1(大学)
✔グラウンドボーラー

持ち球はストレートツーシームフォークカットボールスライダーカーブ6球種と多彩です。

ストレートは最高151km/h、平均147.4km/hとNPB平均よりやや速いボールです。

2021年の大学成績は防御率1.04WHIP0.89奪三振率5.4与四死球率2.1でした。

赤星投手の最大の長所は制球力で、多彩な変化球を低めに集めてゴロを打たせるグラウンドボーラーです。
それが大学成績の奪三振率に対して、WHIPが低いところに表れています。

完成度と安定感は高いので、疲労が溜まった時に調子を維持出来れば、年間10勝は出来る投手です。

やきゅまる
やきゅまる
低めへの制球は新人No.1だと思う

④堀田 賢慎

堀田 賢慎投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月6日まで)
堀田 賢慎投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月6日まで)
堀田 賢慎の特徴

✔常時150km/h前後
✔ストレートの球威
✔制球力

持ち球はストレートチェンジアップスライダーカーブ4球種です。

ストレートは常時145~150km/h前後と速く、球速以上に球威があるボールです。

スライダーもキレがあり、奪三振能力が高い投手です。

フォームが力強く安定しているので、与四死球率は低く、自滅するタイプではありません。

すでに先発ローテーションに入れる力はありますが、まだまだ育成段階の選手なので、何かをきっかけに化ける可能性はあります。

やきゅまる
やきゅまる
フォームに力強さがあり、スケールが大きい投手

⑤山崎 伊織

山崎 伊織投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月6日まで)
山崎 伊織投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月6日まで)
山崎 伊織の特徴

✔柔らかいフォーム
✔多彩な変化球
✔スライダーのキレ
✔与四死球率 1.6(大学)

持ち球はストレートシュートフォークカットボールスライダー5球種で、投球割合のバランスが良いです。

ストレートは最高153km/h、常時145km/h前後とNPB平均くらいのボールです。

2020年の大学成績は防御率1.13WHIP0.90奪三振率8.7与四死球率1.6と高い制球力と奪三振能力を兼ね備えています。

山崎 伊織投手の最大の長所は柔らかいフォームで、それによりストレートと変化球の見極めが難しいです。特にスライダーは多くのコーチ・選手が「ストレートに見える」と証言しており、菅野投手に近いスライダーのキレがあります。

完成度が非常に高く、自滅する心配も無いので、先発ローテーションに入れれば、安定して勝ち星を重ねられそうな投手です。

やきゅまる
やきゅまる
欲を言えば、もう少し球速が欲しい

⑥高橋 宏斗

高橋 宏斗投手の球種・投球割合(2022年練習試合・オープン戦・3月6日まで)
高橋 宏斗投手の球種・投球割合(2022年練習試合・オープン戦・3月6日まで)
高橋 宏斗の特徴

✔ストレートの球威
✔与四死球率 3.1(2軍)

持ち球はストレートシュートフォークカットボールスライダー5球種です。

ストレートは最高153km/h、平均149.6km/hで、球速以上に球威があるボールです。

フォームに安定感があるので、与四死球率は低く、制球力が高いです。

前田健太投手も絶賛したことが話題になったように、多くの球界関係者からも評価が高いので、飛躍の年になりそうです。

やきゅまる
やきゅまる
明らかに去年とはボールが違うよね

⑦スチュワート.Jr

スチュワート投手の球種・投球割合(2021年)
スチュワート投手の球種・投球割合(2021年)
スチュワート.Jrの特徴

✔平均151.8km/h
✔ストレートの球威
✔奪三振率 13.7(1軍)

持ち球はストレートフォークチェンジアップスライダーカーブの5球種です。

ストレートは最高157km/h、平均151.8km/hと、非常に球威があるボールです。

昨年は防御率6.08WHIP1.77奪三振率13.7与四死球率8.4と、制球難でしたが、高い奪三振率を記録しました。

2軍では与四死球率4.4、防御率1.84だったので、四死球が増えなければ圧倒的な成績が期待出来そうです。

やきゅまる
やきゅまる
四死球を抑えられるかが重要だね

⑧隅田 知一郎

隅田 知一郎投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月6日まで)
隅田 知一郎投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月6日まで)
隅田 知一郎の特徴

✔多彩な変化球
✔リリース○
✔チェンジアップの落差
✔奪三振率 12.5(大学)

持ち球はストレートツーシームフォークカットボールチェンジアップスライダーカーブ7球種です。

隅田投手の最大の長所は「ストレートと変化球が見分けにくいことです。

またカーブやチェンジアップで緩急も使えるため、ストレートはNPB平均くらいの145km/h前後ですが、打者を差し込まめます。

2021年の大学成績は防御率1.23奪三振率12.6高い奪三振能力を持っています。四死球のデータが見つからなかったですが、投球映像を見る限りは制球力は高いです。

スライダーのキレ、チェンジアップの落差も大きいことから、的を絞るのが難しい投手なので、多少ストレートの調子が悪くても試合を作ることが出来ます。

「先発」「大学卒」「1年目」「ドラフト1位」と過去の傾向の条件を全て満たしており、完成度も高いので、2022年新人王の最有力候補だと思います。

やきゅまる
やきゅまる
1年間コンディションを維持出来れば新人王だね

⑨水上 由伸

水上 由伸投手の球種・投球割合(2021年)
水上 由伸投手の球種・投球割合(2021年)
水上 由伸の特徴

✔多彩な変化球
✔キレのあるシュート
✔身体能力の高さ・器用さ
✔1軍での実績

持ち球はストレートシュートフォークカットボールチェンジアップスライダーカーブ7球種で、多彩です。

ストレートは最高152km/h、平均146.3km/hと、NPB平均以上の球速です。

昨年は育成契約から這い上がり、デビューから17試合連続無失点のパ・リーグ記録を樹立しました。

2021年の最終成績は防御率2.33WHIP1.30奪三振率7.3与四死球率5.7で、やや制球に難があります。

大学時代は野手をやっていたほど、身体能力は高くて器用なので、多彩な変化球を操れます。特にシュートのキレが良く、ピンチでも強気に右打者のインコースを攻めれるのが長所です。

昨年の実績があるので、今年も勝ちパターンで登板数が増えてホールドのタイトルを獲得出来れば、新人王を獲る可能性はあります。

やきゅまる
やきゅまる
交流戦では打撃も見てみたいな

⑩北山 亘基

北山 亘基投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月9日まで)
北山 亘基投手の球種・投球割合(2022年オープン戦・3月9日まで)
北山 亘基の特徴

✔常時152.9km/h
✔シュートライズ
✔与四死球率 1.4(大学)

持ち球はストレートフォークカットボールチェンジアップスライダーナックルカーブ6球種です。

ただし、プロ入り後はストレートフォークカットボールナックルカーブの4球種のみ投球しています。

ストレートは最高156km/h、常時150km/h以上と速く、シュートライズに浮き上がります

2021年の大学成績は防御率1.79WHIP0.82奪三振率9.1与四死球率1.4と高い制球力と奪三振能力を兼ね備えています。

1軍デビュー戦となった3月3日のヤクルトとのオープン戦では、ドラフト8位とは思えない3者連続三振の圧巻投球でした。

昨年の守護神の杉浦投手が離脱している現在、守護神になれるチャンスで、昨年の栗林投手のパターンで新人王を獲る可能性はあります。

やきゅまる
やきゅまる
ドラフトでは1-2位だと思っていたのに、なぜ8位まで残ったんだろう?

2. まとめ

今回は「昨年の予想結果」「直近20年間の新人王の傾向」も考慮しながら、2022年の新人王候補(投手編)を予想しました。

投手の場合、先発ローテーションに入れるかが最大のポイントだと考えられ、その可能性が高い先発を中心に選びました。

救援からはホールドのタイトル狙える大勢投手1軍実績のある水上投手守護神のチャンスのある北山投手を選びました。

過去の傾向から先発は「10勝」救援は「セーブまたはホールドのタイトル」が目安だと考えられます。そう思うと、やはり先発が有利なので、今年は1年間ローテーションを守る投手が新人王を獲りそうだと思います。