第269回 【大谷翔平】自責2点ながら7敗目(2022年8月3日投球分析)
2022年8月3日、大谷翔平投手(28)が本拠地エンゼルスタジアムでのアスレチックス戦に「2番・投手兼DH」で投打同時出場。
5回2/3を投げて99球、被安打7、四死球1、奪三振7、3失点と好投しましたが、援護がなく7敗目。
打っても2度の得点圏で凡退してしまい、自身を援護出来ませんでした。また降板後の7回には「右前腕部に軽い痛み」のために代打を送られました。
今回はそんな「【投手兼DH】大谷翔平投手の2022年8月3日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
スライダーを62%と多投
今回はストレート、フォーク、スラッター、スライダー、カーブの5球種を投球しました。
スライダーを62%と多投し、ストレートはわずか20%で、ツーシーム、スプリームは投げませんでした。
※当ブログでは「カットボールをスラッター」と「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
左右ともにスライダーを多投
上は前回登板までの2022年平均、下は今回の左右投球割合です。
左右ともにスライダーを多投しましたが、特に右打者にスライダーを74%と多投しました。
また他の球種も左右関係なく、投球しました。
2. コース
右打者に打たれたのは真ん中付近
右打者はアウトコースのスライダーで空振りを量産しました。
一方、左打者は膝元で空振りを奪っています。
右打者に打たれたのは真ん中付近ばかりでした。
3. 各成績
右打者に打たれた
上図は今回、前回登板までの2022年平均、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
右打者に4安打と打たれました。またスライダーを多投しているのに、右打者の奪三振が少なかったです。
ストレートのゾーン内率が低い
今回は空振りが18個(前回21個)と、前回同様に空振りを多く取れました。
特にスライダーは空振りが14個(前回14個)と多かったです。
ただストレートのストライク率50%(前回67%)、ゾーン内率45%(前回60%)といつもよりストライクを取れていませんでした。
4. リリースポイント
リリース位置は体から遠くて低い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
全球種のリリース位置が体から遠くて低いです。球持ちはいつもぐらいでした。
スライダーはほぼサイドスローのボールが3球ありました。
フォークはリリース位置が不安定です。
5. 球速と回転数
平均球速155.9km/h、最高159.6km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速155.9km/h、最高球速159.6km/h、回転数は2168回転でした。
カーブは球速が遅いスローカーブ、球速が速く回転数が多いパワーカーブの2種類を投球しました。
最近のなかでは球速が出ていなかった
ストレートは平均球速155.9km/hで、直近5試合の中では球速が一番出てきませんでした。
回転数は2168回転と今季の中では平均的でした。
球速は尻上がり
1回は153.2km/hでしたが、尻上がりに球速が上がって6回は平均157.3km/hと球速が出ていました。
6. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
フォークが不安定
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートはいつものように真っスラ気味です。
フォークは変化量が不安定でしたが、前回までの全く落ちないフォークはありませんでした。
スラッター、スライダー、カーブは2022年平均くらいです。
まとめ
①スライダーを62%とキャリア最多
②ストレートのゾーン内率45%と低い
③空振りが18個(前回21個)
④スライダーで空振り14個
⑤フォークのリリース位置、変化量が不安定
⑥平均155.9km/h、最高159.6km/h
⑦平均2168回転、ホップ量35cm
今回は「【投手兼DH】大谷翔平投手の2022年8月3日投球分析」を紹介しました。
5回2/3を投げて99球、被安打7、四死球1、奪三振7、3失点と好投しましたが、援護がなく7敗目。
ストレートは平均球速155.9km/hで、直近5試合の中では球速が一番出ておらず、ゾーン内率45%と低かったです。
フォークはリリース位置が不安定で、変化量も不安定でした。
ストレートとフォークの精度がイマイチだったため、スライダーを62%と多投したと考えられます。次回登板までには修正してくれると思うので、次回登板を楽しみにしたいと思います。